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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
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第一章 34話 VSクソ野郎

本藤「証拠は全て揃った、今ここで、捕まるか死ぬか選べ。」


 近藤は飛ばされ床に転がっている。


シュウ「えっ……一体……」


近藤「本藤貴様!!裏切ったな!!」


 本藤は頬をさすり答える。


本藤「………勝手に喋るなゲスが。黙って捕まるか、ほざいて死ぬかだな。」


近藤「ぐっっ!!本藤ぉぉっ!!」


 そして本藤は転がるシュウの背中に左手を置き、何故か上を見る。


シュウ「あ、あなたは身方…?助けてくれた…?」


 本藤は黙って頬をさする。


シュウ「あ、あの、能力を解いて欲しいんですが…あいつを一発でも殴っておきたいってのもあるし…」


 それでも本藤は黙って眼を瞑る。


シュウ「あ、あのー?もしもし?」


本藤「……浮いておけ。」ボソッ


シュウ「はい?、、何で?」



近藤「フフフフ……私を殺す…?私を捕まえる…?フフフフ…」


本藤「………」

 本藤は黙って近藤を見ている。



近藤「やれる物ならやってみろ!!お前に私は殺せない!!」


本藤「………」


 本藤はまた黙って上を見た。


本藤「……私が…か、」ボソッ


近藤「あ?」


本藤「………分かった。ならば良いだろう。」


 本藤は懐からナイフを取り出した。


本藤「やってみようか。」


 ダッと本藤は前に飛び出した。その行動に近藤はとうとう我慢出来なかった笑いが吹き出した。


近藤「プファハハハハハハハハハハ!!馬鹿が!!お前はもっと知性的だと思っていたよ!!」


 飛び出した本藤の足元が沈みだした。そして近藤も沈みだす、


近藤「たった今ここは底無し沼に近い蟻地獄へと変わった!!もうお前らは生き埋めになって死ぬんだよ!!」


 ズズズッとどんどん本藤は沈んで行く。既に膝下は埋まっている。


近藤「ハハハハ!それでは、さようならお二人さん!私は、おいとまさせて頂きますよ!」


 近藤は完全に床へ埋まった。


本藤「………」


 シュウは気付く、


シュウ(あれ?俺だけ沈んでない…?)「ほ、本藤さん!」


本藤「まだ喋るな。」


シュウ「うっ……」


 ほんの数秒静かな時間が流れる。本藤の体はもう下腹部を越えたところまで埋まった。


本藤「……頃合いだな。」


 本藤はシュウに向かって手をくいっと上にスナップさせる動作をした。


シュウ「うわっ!」


シュウはフワッと上に浮く感じがして、拘束も解けた。


本藤「そのまま、浮いて外に出ろ。」


シュウ「で、ですが本藤さんが!」


本藤「……大丈夫だ。良いから出るんだ。すぐに分かるはずだ。」


シュウ「うぅ、、はい、すぐに誰か助けを呼んで来ます!!」


本藤「………」


 シュウは浮き、扉を開けた。




本藤「……出番だ。頼んだぞ。」




 外へ出たシュウ、本藤の「すぐに分かる」の意味を理解した。深夜の暗い中に赤い火花が散っている。


シュウ「!!あなたはあの時の!」



赤い女「任せな。殺すのはアタシの役目だ。」


 赤い女は耳の下に指をあて、そう言った。



赤い女「さて、お前もアイツを殺したいんだろ?アタシに手を貸しな。」


シュウ「…何をすれば良いですか?」


赤い女「浮き上がることは出来るか?」


シュウ「で、出来ないです。空中を保つことなら…」


 赤い女は少し考える…


赤い女「…よし、上等だ。クソ先公はどこに行くと思う?」


シュウ「え、うーん…近藤先生は車で来てたから、、駐車場かもしれないです!」


赤い女「なら早く行くぞ。やつに気付かれないように行く。アタシに掴まれ。」


シュウ「分かりました!………掴まる?」


赤い女「あー!もう面倒くせぇ!」

    ガシッ


 シュウの右手首を掴む赤い女。


赤い女「しっかり浮いてろよ?」


シュウ「え、」


---------------------


 ズルズルズルズルズルズルズルズル…


     ゴバァッ!


近藤「ふぅ…やっと新鮮な空気を味わえる。」


 近藤の能力は自分自身も埋まることは可能だが、地中では酸素が乏しい為、息が出来ない。長時間の潜っての移動は困難だった。因みに速度は自分が水中を泳ぐスピードくらい。


近藤「はぁ、はぁ、」(拘束も解けたようだ、やつも死んだか。だが、残念だ。二人の死に様が見れなかった…だが、)


近藤「ふふ、フフフフ…実に、気分が良い。」ニヤリ


近藤(さっさと車で逃げるとするか。あると後々面倒だしな。)


 近藤は車の鍵を開け、座る。




赤い女「このクソイカれ教師が─」



 近藤はエンジンをかける。



 赤い女は銃の様な形にし近藤に向ける─

 シュ--------ッ



 近藤は腕時計を見て欠伸をして、前を……見た。



 その指の銃を近藤に向け、

赤い女「地獄へ落ちな!!!!!!」



近藤「!?!?何だ!?シュウ!!?」

 近藤の目の前には、


 空中を浮くシュウとその腕に掴まり、火の玉を指先に集める女の姿があった。



近藤「ガァァ!!」


 近藤はすぐにこの状況はヤバイと判断した。自分の能力をフルに使い、兎に角早めに埋まる策に出たのだ。相当危険だと思った近藤から、咄嗟に出た言葉は、獣のような小さな唸りだった。


赤い女「あめぇんだよ!!!」


 バン!!という音とシューっと言う音が共に大きく響き火の玉を放った。


 シューーーーーーーッ!!!!!、

近藤「カパぁっ」


 シートに半分埋まる近藤の頭を貫いた。


 そのまま小さな火の玉は車を貫通。

 その瞬間、通過した火の玉の後の線が車付近で大爆発を起こし、車と近藤は木端微塵になった。


 シュウの耳には爆発の最初のボーンやドーンに似た音が聞こえたがあまりの凄まじい音によりそれ以降はキィィィィンと耳がなっていた。



赤い女「………」


赤い女「やべぇ、やり過ぎちまった…」

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