第一章 25話 AM6:00
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チュンチュンチュンチュン
そして朝がやってきた。時刻はAM6:14。
今日は目覚ましが鳴らぬ間にシュウは起きていた。起きたというより寝ていないという方が合っているかもしれない。時間にして睡眠は二時間。後の時間はワクワクして眠れなかったのだ。
今日のプランはこうだ。美香の家へ行き合流し、最初に向かう場所は隣町の水族館。次に水族館近くの映画館で映画を見て、自分達の最寄りの駅へ帰ってくる。最後の場所は秘密♪と言っていた。
シュウ(……秘密。かぁ)ニヤニヤ
秘密という言葉にとてもドキドキするシュウであった。
朝早く起きたということもあり、家の家事を終わらせる事にした。母親はせっせと仕事の支度をしているようだ。
シュウ「おはよー母さん。コーヒー入れようか?」
シュウ母「おっはよー!シュウ!あーお願いできるー?助かるわー。」
コーヒーを入れに台所へ行くシュウ。
シュウ母「今日朝早いじゃない。どうしたのー?嬉しそうだし。あ、さては!これでも出来たかー?」
そう言って小指を立てるシュウ母。
シュウ「はてさて。なんのことやら。」
コーヒーはもうすでに出来ていて後は入れるだけになっていた。
母は忙しく朝の仕事の支度をしている時ですら、欠かさずコーヒーを一杯飲んでから家を出る。母曰く、
「朝コーヒーを飲まないと仕事行くぞ!って切り替えが上手くいかないのよねぇ。」だそうだ。
シュウ母「何よー。教えてくれてもいいじゃなーい。相手は美香ちゃんかなぁ?」ニヤニヤ
シュウ「教えなーい。はい!仕事スイッチ仕事スイッチ。」コトッ
温かいコーヒー。勿論ブラックだ。
シュウ母「はーい。スイッチ入りまーす!ゴクッまぁ今教えてくれないのなら今度ゆっくり掘り返すわね?」ニヤリ
三口程でカップ一杯を飲み干した。
シュウ「その時まで絶対母さん覚えてないからね。」
シュウ母「いやいや、今回は覚えておくわ。しっかりとね!」
そう言って時間を見る。
シュウ母「あ!こんな時間!カップ洗うのお願いしていいかな?」
シュウ「任せて!仕事気を付けて行ってきてね!」
シュウ母「うむ!行ってきまーす!」バタンッ
母はリビングを出ていって仕事へ向かった。
シュウ「さてさて、やるかー」
そしてせっせと家事をするシュウであった。