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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
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第一章 22話 波乱の朝

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ヂリリリリリリ!! カチャン


シュウ「ふぅ…もう朝か…」


 最近よく眠れてない、何かとても疲れる夢を何度も見ていた気がする。だが、今日は昨日や一昨日よりかは疲労が取れたような…


シュウ「普通に…普通に…今日も頑張ろう。」


 ゴソゴソと学校へ行く支度をする。すると妹がドタドタとこっちに寄ってきて


莉沙「お兄ー!最近家事サボり過ぎー!お母さんが仕事で忙しい時はしっかり分担してやろうって決めたじゃんかー!」


シュウ「あー、悪い莉沙。最近それどころじゃなくて。」


莉沙「ん?どうしたの?何か学校であったの?」


 流石は家族。勘が鋭い。


 シュウはこの家族の優しさに泣きそうになるも我慢した。


シュウ「何も変わりないよ!ありがとうな!明日しっかりやるからさ!ごめんな朝飯作らせちゃって。」


莉沙「ふーん、何もないなら良いんだけどさー。あ、今日は私の得意料理のスクランブルエッグスペシャルだからね!」


シュウ「本当お前はスクランブルエッグしか作れないなぁ」


 莉沙は料理があまり得意では無い。そして、よく作るスクランブルエッグスペシャルだが得意では無い分栄養を考えなければと思っているのか、スクランブルエッグの中にレタスやチーズ、時には納豆やキムチ、運が悪いときにはヨーグルトやハチミツを混ぜるのである。本当に運が悪いときは喰えた物では無いが本人は大真面目で作っているので残すことはあまりしたくない。美味い時は美味いのだけれど…

 その後、今回は成功な方だったスクランブルエッグスペシャルを食し、二人で洗い物をして学校へ出向いた。


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 学校付近になると知り合いの生徒が多くなっていく。


男子A「おーいシュウーおはようー!」


男子B「おはようシュウ!今日は無視すんなよな!」


シュウ「おはよう二人とも!あれ?俺無視したっけか?」


男子A・B「してたよ!」


男子A「まぁ元気になったようで良かったわ!一緒に行こうぜ!」


シュウ「おう!行こうぜ!」


 ペラペラ話をしていたらいつの間にか教室の前に着いた。教室の戸を開けると担任と近藤先生が席に座ってる美香と話していた。シュウは自分の席に座り後ろの三人の会話を聞く


近藤先生「本当色々大変だったみたいだね、美香くん。」


担任「不幸中の幸いってやつだよなぁ…大丈夫なのかー?その…精神的な部分は。」


美香「ありがとう先生!へぇー担任プーさん私のこと心配してくれてるんだ!嬉しいぞー?」


担任「おいおい、俺のことプーさんって呼ぶのやめろー?って腹ツンツンするのもやめろなー?」


近藤先生「ま、まぁ私も相当心配しているんだがな。」


担任「そうだぞー?一番近藤先生が心配してるかもしれないくらいなんだからなー?正直俺は相談を聞いても的確な助言が出来るか分からんからなぁ…近藤先生ならきっと的確な助言をくれるし、安心すると思うぞー?」


シュウ(それ教師として言っちゃいけないんじゃないか?)


近藤先生「いやいや、私ごときそんな大物では有りませんが、美香の為なら真剣に向き合って考えるし、しっかり答えが出るまで寄り添うよ?」


美香「プフ…あははは!大丈夫ですよ先生!そんな心配要りませんし!それと私相談するんだったらプーさんにしますから。」


近藤先生「な…」


担任「こ、こらこら!こんなにも近藤先生は力になると言っているのに失礼だろ!」


美香「いいんです私。近藤先生元から苦手だったんで。」

にこりとして美香は言った。


近藤先生「…分かりました。ですが、少し私自身話を聞きたいので放課後空いてますか?」


美香「空いてないです!」

満面な笑みで答える。


シュウ「み、美香!」

振り返り美香の煽りを止めようとする。


美香「シュウと放課後遊びに出掛けちゃうんで!」


シュウ(巻き込まれたーー!)


近藤先生「そうですか…残念です。でも私はいつでも相談乗るので。」


担任「せ、先生本当申し訳無い!生駒!謝りなさい!」


美香「はーいごめんなさーい。」


担任「本当すいません。私の生徒が…」


近藤先生「いえいえ、大丈夫ですよ。思春期はこんなものです。では次の授業の準備があるので。」


 近藤先生はそう言って去っていった。


担任「お前なー…」


美香「ごめんってプーさんー。本当近藤先生苦手なんだよねー」


担任「はぁ…まぁ…じゃあ朝のホームルームを始めるぞー。」


美香「はーい!」


 こうして今日もしかして二人でどこか遊べるのかな?と期待しつつも波乱から始まる学校生活だった。


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