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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
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第一章 19話 新たな学校生活

------------------

ヂリリリリリリリ!! ガチャン

シュウ「……はぁ」


 あまり目覚めが良い朝では無かった。


 今日からシュウと美香は学校に復帰する。正直シュウ自身の心の内は気が気では無い。恐らく急に海外へ移住することになったトモの事について質問責めされるからだ。トモは男女共に評判が良く人気者だった。トモの事を聞くとしたらシュウか美香、というのも自他共に分かっている。


 もし、もし、トモの事を美香が質問されて記憶が戻ってしまったら……俺が殺してしまったということを知ってしまったら……


 もう元には戻れない。


 しかし、ふと昨日の赤い女が言ってくれた言葉を思いだす。


赤い女『新しい自分になったつもりで学校生活送っていきな、んで今回の事は生きる糧にしてよ、キツいと思うが時間が解決してくれるさ。あんたは何も悪いことはしてねぇ。このアタシが保証してやる。精々、幸せ掴むためにがんばんな!』


 新しい自分になったつもりで…幸せ掴むために…トモの為に、美香の為に、俺は頑張らなきゃ。そう決意したんだ。


シュウ「よし。やるぞ、俺は。」


 気持ちをしっかりと引き締め、準備をし、学校へ向かった。


----------------



 スタスタと学校に向かうシュウ。



男子A「おう!シュウ!元気だったか?」

男子B「シュウ!貧血で入院ってそんなにお前ひ弱だったっけか?」ニヤニヤ


 っと向かってる途中にちょっかいをかけられるがもう自分の中ではそれどころではなく、相手をせず歩き続ける。


男子A・B「何だよアイツ…」


 そして教室の前に着いたシュウはドキドキしながらも戸を開ける。

ガラガラ…


 そこには笑顔で女子たちと話す美香の姿があった。


女子A「美香大丈夫なの?もう退院して、、」


女子B「癌ってヤバくない?皆本当ショック受けてたよ、若くてもなるんだね…」


美香「ううん!全然大丈夫だった!っていうか本当実感も沸かなかったし、本当に癌だったの?って感じ!」


女子A「本当運が良かったんだね…お大事にしてね?体無理しちゃダメだよ?」


美香「んー!ありがとうー!よーこちゃんは私の親友だよー」っと言い泣き真似をする。


女子B「でもさ、、その、、胸が、」


 その言葉にシュウはドキッとした。自分もフォローしようと会話に入ろうとしたが…


美香「ん?あーこのことねーまぁ仕方ないんじゃない?私は大病スルー出来てラッキーだったし!っていうか肩凝らないから一石二鳥?みたいな?」


 意外な言葉だった。いつも通りの美香だ。


女子C「ねぇ美香、美香が居ない間に友樹くん海外に行っちゃったんだけど何か知らない?」


 更にその言葉で凍りつくシュウ。心臓が飛びそうになる。それでも振り絞ってフォローに出る。


シュウ「それは!」

美香「らしいねー。んートモは分からないやつだからなぁ、何れ帰ってくると思うよ?」


 これも意外…あまりにも美香は普通だった。こんなドキドキしてる自分がバカらしくなるくらいに…


美香「あ、シュウ!何突っ立てるのー?」

 笑顔で手を軽く振りこっちに寄ってきた。


シュウ「あ、いや、、」

美香「ん?」

首を傾げる美香。


俺も…俺も普通になろう。いつも通りに。


シュウ「全く!本当にトモはよく分からないよな!連絡もくれないしさービックリしたよマジで、」



─これからが、新しい学校生活なんだ。

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