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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
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第一章 18話 疑問と救いの言葉

シュウ(着いた、トモん家……)


 シュウ自身何故ここに来ようと思ったのか明確な理由は分からなかった。まだトモを信じたい気持ちが有るのか、トモが何故こうなったかの探求心によるものなのか、、色々なトモに対しての気持ちがあり来たというのは確かなのだが。


 そして徐にドアノブに手をかけた。鍵が掛かっていたらすぐ帰ろうと思っていたのだが。すんなりと玄関は開いた。


シュウ「お、お邪魔します」


 玄関はトモの弟が使ったであろう野球のスパイクやトモの母親のブーツ等でごちゃごちゃになっていた。


シュウ「トモの靴だけ端に引き詰められてるな……」


 トモは知りあいを家に呼ぶのをとても嫌がっていた。トモの母親はトモに対してネグレクト気味だった。このような光景、状況を知られるのを非常に嫌がっていたのだ。


シュウ「ごめんな、何もしてやれなくて……」


 悔しい思いをこぼし、苦しく重い吐きそうな気持ちを抑えながら中へ進んだ。


 短い廊下を進みドアを開けるとそこは居間だった。テーブルの上に散乱した三人分のコンビニ弁当しか変哲な所は見当たらない。壁も、床もゴミ一つないとても綺麗な部屋。


 何か違和感を感じるが一体なんなのか…


シュウ「何だ…何かおかしいな……」

?「テメェ、ここで何してやがる」

シュウ「!?」


 振り向くとそこには髪の赤く目付きが悪いあの女が居間の入口に立っていた。

 自分の考えに夢中で玄関の開けた音には気付かなかったのだ。


赤い女「何してんだって、聞いてんだが?」


シュウ「あ、いや、、俺も分からない……」


赤い女「はぁ?ハハッ何だよそれ!怪し過ぎるだろうがよ!」

赤い女は笑いながらそう答えた。


シュウ(あーやばいなこれ。怪しまれるじゃんか絶対…)「自分は何も、」

赤い女「まぁいいわ、さっさと帰りな」


シュウ「え?」

まさかの返答に不意をつかれる。


シュウ「な、何も怪しまないんですか?」


赤い女「ああ。アタシは人を見る目はあんだよ。あんたは何も悪いことはしてねぇ」


怪しまれないとホッとしたがふと思った。


シュウ「あ、でも何であなたがここに?」


赤い女「ん?あー、調査だよ調査。能力者に関係有る所はこうやって出向かなきゃなんねぇ」


シュウ「なるほど、そうだったんですね」


赤い女「まぁ何となく分かるさ。あんたがここに来た理由は。色々このお友だちに対しては何か色々思う事があるのかもしれねぇ。だけどな、お前が首を突っ込もうとしてる所はすげぇ暗くて闇が深いくせぇ所なんだよ。もうお前が来るような所じゃねぇんだ。分かってくれ」


シュウ「分かってます、分かってますよ、凄い怖いようなところなのは。でも……」


赤い女「はぁ、、まぁそうだよな。こう言っても気になる事は気になるよな、、うん、それが大事な親友なら尚更だ。お前の気持ちは分かる。アタシも大事な人達をなくした時、お前みたいに色々探り回ったっけな」


赤い女「でもそれとこれとは別だ。特に今ここにいる所はピンポイントに血生ぐせぇところだ。これ以上うちらからしても危ない目に合わせる訳には行かねぇんだよ」


シュウ「ピンポイントで血生臭い?特に何も無さそうだけど……」


赤い女「あー、うるせぇうるせぇ!お前はもう帰れ!調査の邪魔だ!もう面見せんなよな!」

そう言ってシュウを玄関まで押していく。


シュウ「わわ!そんな強引な!」


赤い女「強引にいかねぇと出てかねぇだろうが」


シュウ「んー……分かりました、今日はもう帰ります。でも本当何か深い事件になっていってしまうようなら…本当にお願いしますね、」


赤い女はニッと笑い答える

赤い女「任せな」


そのまま帰ろうとするシュウに赤い女は最後に、と声をかけた。


赤い女「こんな大変な事になっちまったけどよ、あんたは生きててこれからの人生が待ってる。大事な人がまだ居るんだろ?新しい自分になったつもりで学校生活送っていきな、んで今回の事は生きる糧にしてよ、キツいと思うが時間が解決してくれるさ。あんたは何も悪いことはしてねぇ。このアタシが保証してやる。精々、幸せ掴むためにがんばんな!」


シュウはぽろぽろと涙を溢す。

シュウ「…ありがとうございます、」


赤い女はじゃあな!と玄関を閉めた。


シュウ「俺にはまだ美香がいる。美香の為にも、トモの為にも、俺は頑張らなきゃ」

 そうしてシュウは帰路へ就いた。




赤い女「さて、」

台所に置いてあった包丁を手にもつ。


赤い女「くせぇんだよなここ本当に。すぐ分かるっての」

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