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海ノ章 閑話4 やりますわよ!ビーチバレー対決! ☆


「ふひ、これは凄いことになった。とってもラッキーな日だなぁ今日は!」




-------------



焔「あ?」


カノン「……」


レベッカ「ビーチバレー?」


ランファ「……下らね。」



奏「あ、い、良いですね!ビーチバレー!」


幾「ビーチバレー賛成だなー!」


アリサ「どうですか?ビーチバレー!やるべきです!喧嘩ではなくこれで白黒付けるべきですわ!」


焔「何でだよ。」


レベッカ「訳が分からないわ。」


カノン「……」


 半分はやる気無し。アリサは汗をかき、焦りだす。


アリサ「や、やるべきですわ!」

 (うぅ、変な空気に…こ、このままでは喧嘩になってしまいますわ…どうしましょう……こうなったら…)


幾「あ、アリサ…?」


 幾はアリサを不安そうに見る。すると、窮地に追い込まれたアリサはわざとらしくニヤリと笑う。


アリサ「あれ?あれれ?レベッカ?この対決…逃げるんですの?」


レベッカ「…は?逃げる?」


アリサ「そうですわ!これはBARKERs対B.B.Bと言っても過言ではありませんわ!こちらが挑戦状を出しているのにそれを受け取らない…これは負けるかもしれないから逃げるんでしょう?」


レベッカ「…何を言っているの?私は、」


アリサ(う…駄目そう…?)


 レベッカが何か文句を言うその瞬間。カノンが目をうっすら開けて声を出した。


カノン「やろう。」


レベッカ「え?」


ランファ「はぁ…」


アリサ「……あれ?」

 (まさかのカノンさんがやる気に?)


カノン「やる。戦いに逃げることは死んだも同然。どんなものも挑まれればそれは戦い。戦いとは戦士がやるもの。戦いとは負ければ死ぬ。逃げれば負け。ろろろろろろ論外なのぉぉ!負けることはぁ!!ワタシは負けたくなぃぃ!!ワタシに負けはないのぉぉ!!!」


 カノンは目を見開き胸をかきむしり、そう叫び出す。


焔「けっ、気持ちわりぃな。」


アリサ「焔はどうします?」


焔「ああ?やらねぇに決まってんだろ。誰がコイツらと楽しく、」

レベッカ「負けるからそう言ってるのね?」


焔「……テメェ」


レベッカ「私はもうやるわ。カノンがこんなになっちゃってるからやるしかない。腹をくくったわよ。」


 レベッカは額に手をやり、困ったようにそう言った。そして、焔をバカにするような目で見る。


レベッカ「焔。あなたは逃げる?BARKERsとして。」


 焔はバチバチと火花を散らして答える。


焔「上等だよ。やってやろうじゃねぇか。」


アリサ(良かったですわ…)

幾(良かったー…)

(ほっ…)



 こうしてBARKERs対B.B.Bの白熱したビーチバレー対決が始まった。


恩田「んぶ…何だか皆遅くないか?」


ワグ「トイレにでも並んでるんじゃね?」



------------------



挿絵(By みてみん)


焔「はぁー、なんでビーチバレーになんだよなぁ…面倒くせぇ。」

幾「やるからには負けないぞー」

アリサ(う、な、なんか私だけ負けてる気がする…なんででしょう…)


挿絵(By みてみん)


レベッカ「見てなさいよ!勝って泥水をすすらせてやるんだから!!」


ランファ「はぁ……レベッカ。辞書を読み直せ。」


カノン「カつ……ワタシはこの戦いをセイしてみせるぞぉ……っ!」



 戦いの場所は西海岸の奥の砂浜になった。そこにはもともとビーチバレー用のネットが立っており戦うには万全な砂の状態、そしてなんといっても人が居ない最適な所だった。


 ランファは、はぁ…とタメ息をつき、近くのビーチチェアに寝始める。


レベッカ「え!ランファやらないの?」


ランファ「くだらねぇ、お前らだけでやっててくれ。」


レベッカ「えぇ…これはB.B.BとBARKERsの戦いなのよ?」


ランファ「いや、お前らだけの喧嘩だろ。しかもビーチバレーでだなんて、そんなぬるいことしてられるか。」


カノン「構わない。私とレベッカだけで充分お釣りが出る。」


焔「言ってくれんじゃねぇか。」



 焔はカノンを強く睨むが、カノンはニコニコと焔を見ていた。


幾「でもビーチバレーって2対2じゃないのかー?」


アリサ「あ、じゃあ私が審判をやりますわ!」


奏「まさかの言い出しっぺが審判やるんですか!?」


レベッカ「別に良いわよ、その代わり二人で公平に審判をやって。」


幾「相当な自信だなー」


レベッカ「当たり前よ。負ける気がしないわ。」


焔「言いやがるぜ、幾!泣きべそかかせてやんぞ!」

幾「負けないぞー」



レベッカ「泣きべそかくのはどっちかしら。」

カノン「戦い……この高揚感…あぁ……堪らないわぁ…」



アリサ(良かったぁ…運動は苦手なんですの…)

奏「心配だなぁ…」



レベッカ「じゃあ、さっさと始めましょ。サーブはそっちからで良いわよ。」


 アリサは幾にボールを渡す。そこで幾はニヤリと笑う。


幾「フッフー私に最初にサーブを渡すなんてどうなってもしらないからなー?」



 アリサと奏はポール付近に立ち、笛を奏は準備する。


アリサ「11点マッチ制で、ルールは暴力行為は勿論駄目、ちゃんとしたビーチバレーをすることですわ!それでは、始め!」


奏「ピーー!!!」


 

 戦闘開始のホイッスルが鳴った。




幾「いっくぞー!」


 幾は大きくボールを上げて少し飛び、非の打ち所が無いジャンプサーブを仕掛ける。


 

 ボールは真っ直ぐしっかり飛んでいき、前衛のカノンの少し後ろに向かっていく。


レベッカ「カノン!」

カノン「?」


 ズタン─ 



 ピピー!



アリサ「焔、幾ペアに一点ですわ!」


 カノンは棒立ちのままそこを動かなかった。


幾「やったー!このままサーブだけで勝つんじゃないかー?」

焔「……」


 焔はダルそうに頭を掻く。


レベッカ「……嘘でしょ?まさか…まさかと思うんだけど……あなた…バレー知らない?」


カノン「……私は何をすれば正解だったんだ?」


レベッカ「……最悪。」



 なんと、カノンは戦場に身を置きすぎてバレーボールの内容を微塵も知らなかったのだ。


レベッカ「ちょっとタイムー!カノンにバレーの基礎ルールを教えるわ!」



 レベッカはガミガミと怒りながらルールを説明する。


幾「ルール知らなかったんだなーこれはもう勝ち確かー?」


焔「つまんねぇな。」



 数分後─



レベッカ「いい!?分かった!?兎に角、ボールを下に落とされたら駄目よ!?」


カノン「……フフフ、まさか私が怒られるなんてな。」


レベッカ「あんたバカにしてるの!?ってか話聞いてたの!?」


カノン「まぁ大丈夫。落とさなきゃ良いのだろう?簡単さ。」


レベッカ「……心配だわ。」



アリサ「良いですの?それでは試合開始!」


奏「ピーー!!」


 また同じように幾はボールを高々と上げてジャンプサーブを繰り出す。


 このサーブもまた真っ直ぐに飛んでいき、カノンの近くに向かっていく。


レベッカ「っ!カノン!」

カノン「任せて。」


 素早い動きでカノンはボールに当たりにいった─当たりにいったのだ。



 バシィン────バサッ─



カノン「……これでよ」

レベッカ「良くないわよバカ!!!」


 ボールはカノンの胸辺りにぶつかり、コート横のアウトゾーンに落ちた。


幾「これで二点目だぞー?大丈夫なのかー?」ニヤニヤ

焔「おいおい、骨が無さすぎんじゃねぇか?」


レベッカ「う、うるさいわね!これからよこれから!カノン!もう私が拾うから動かないで!取り敢えず私を見て真似して!」


カノン「……フフフ、真似か…あまり好きでは」

レベッカ「黙って理解しなさい!!」



アリサ「それでは再開しますわー!」

奏「ピーー!!」



幾「よーし、絶好調の幾ちゃんのサーブ行くぞー!」


 またもやぶれない完璧なサーブ。カノン付近を狙った一発だったが、


レベッカ「やあっ!」ダッ



 レベッカが素早く前に出てしっかりレシーブをする。綺麗な弧を描いてボールは返される。


焔「おらっ!」


 焔は幾の真上へレシーブを上げる。


幾「いけー焔ー!」


 幾はバレー部さながらのトスを焔に渡す。


焔「死ねぇ!!!」



 バシュ─



 焔は強力なアタックを見せた!だが、



レベッカ「な、なんのー!!!!」



 レベッカはダイブしてギリギリラリーを続ける。しかし、焔の猛攻は止まらず、


焔「喰らいなぁ!!」


 またもや強力なアタックがコートを狙う。


レベッカ「くっ!」


 レベッカはもう駄目かと思った。もう私一人では勝てっこない。そう諦めかけていた。



 しかし、あの女は動き出した。



カノン「ふん!!」



 バシィィン!!!─



 なんとカノンがレベッカの真似をしてレシーブをしたのだ。もう駄目かと思ったレベッカは、



 

 やっぱりもう駄目だと悟った。




 非常に大きく高々と飛び上がるボールはどんどん小さくなっていき、数十秒後、海に落ちた。


 

 

アリサ「ば、BARKERsに三点目、ですわ!」


幾「これはもうカモだなー」リンリン


 幾は人さし指を振り、澄んだ鈴の音を鳴らし余裕を見せる。


焔「おーいもうやめるかー?」ニヤニヤ


レベッカ「やめないわ!!」

    (やめたいわ!!)


 レベッカの目は殆ど死んでいたが、レベッカの中で一番巨大なプライドが前に押し出した。


カノン「フフフフ、次は任せてもらって構わない。」


レベッカ「正直任せるのは嫌なんだけども、何か策があるの?」


カノン「ああ、私の言った通りにしろ。」



 カノンは耳打ちをする。レベッカはそれでも冷たい目でカノンを見る。


レベッカ「言ったわね、それでミスったらもう司令に言って内勤ばかりさせてやるんだから!」


カノン「任せろ。」



焔「作戦会議は終了かー?じゃあ続きやんぞー!」



奏「ピーー!!」


 試合は再開、レベッカとカノンはさっきと同じレベッカの一人バレーの形になっていた。


幾「ふっふーそれだと狙うところは決めてるんだよなー!」


 幾はカノンに向かってサーブを打った。真っ直ぐと飛んでいくボール。



 すると、カノンが目の前から消えた。



 すぐさまレベッカは真上にレシーブを放つ。



焔「っ!」

幾「うわ!」



カノン「百点満点でしょう?」



 ズダァン!!!─



 カノンは飛びあがり、アタックを決めた。猛スピードで飛ぶボールは焔と幾の間に突き刺さった。



アリサ「び、ビックリしましたわ…B.B.Bに一点です!」



レベッカ「ふぅー…やるじゃないカノン。」


カノン「大体の感じは分かった。もう大丈夫だ。」


レベッカ「アーハッハッハ!形勢逆転よー?焔!」


 レベッカは高笑いして焔を蔑む。



焔「けっ、言っとけこのすかたんが。」


幾「もうカノンに向けて打つのは怖いなー…」


焔「任せろ。やってやるぜ、アタシもな。」



奏「ピーー!!」

 (姉さんがんばれ!)



 次はレベッカのサーブから始まった。レベッカのサーブは下から打つアンダーハンドサーブ。緩やかな弧を描いてゆっくり飛んでいった。


 そのボールを前衛に変わった幾がレシーブで返す。カノンを越えてレベッカの方へ…


 っと思ったがすかさずカノンは飛びそのボールをとらえた。あの強力なアタックがまたコートに突き刺さろうとした。


幾「いっ!マジかー!」


焔「へっ!やってやるよおらぁ!!」



 バヂィィィィン!!!!!



 凄い大きな破裂音のような音が響き渡る。ボールはレベッカ、カノンペアのコートに転がる。



カノン「うひ……ウヒヒヒヒ!!!!ワタ、ワタシシの一撃をぉ!!!ワタシの一撃を跳ね返しタァ!?これはオカシイィ!!!ヒャッハッハッハ!!」



焔「ハッ、どうってことねぇな。」


 焔は赤くなった前腕を見てそう呟く。なんと、カノンの強烈なアタックをブロックしたのだ。


アリサ「凄いですわ…」


幾「流石は戦闘狂ー」


奏「流石姉さん!!」



 レベッカは焔を睨む。


レベッカ「いい勝負になりそうじゃない。」


焔「バァカ。誰に言ってんだ。」



 勝負は激戦を向かえる!一体どちらが勝つのか!

挿絵はそらとさんからです!


もしかすると……挿絵が増えるかも…?

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