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エッセイ風日記4

作者: 青

年も明けて、落ち着いてきましたね。


今年の目標は、誰かに「よく笑うね」って


言ってもらうことです。



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食べ物でも、話題でも旬というものがあり、


当然、人間関係にも当てはまる。





訳あって、電車で1時間ほど離れた場所に


引っ越したのが10年前。


電車なので、そんなに大した距離には感じなかった。


それから2年ほど経ったころ、


当時の人間関係がほとんど消えた。






何かあったわけではなくて、


みんな優しかった。


自分が疲れてしまっただけだった。






あの時、私はやっと


自分が人付き合いが苦手で、


周りが合わせてくれていたことを


実感したのだ。







昔からの知り合いは、


SNSのいいね!程度の付き合いとなった。


初めの5年くらいは、


互いの誕生日と年始に


「会おうよ!いつが空いてるの」


とメッセージをくれた。






私は、彼女が好きだから


関係を完全には切りたくなくて、


「痩せたら会いたいな」などと濁した。


空いている日程は知らせなかった。






数年間、ほとんど一人で過ごしてみた。


年に3回くらいは飲み会に参加した。


とても楽だった。


自分が好きな時に、好きなところへ行った。


近所をぐるぐるしていただけだったけど。







ふと、このままずっと一人でいられるのかな


と不安になる。


そんなことを思いながらも、


新しいお誘いを断り続ける日々。







誰かと過ごすと、


疲れるようになっている。


誰かに自分のことを知られたくない。


自意識過剰なのだ。







昨年のある日、思い立った。


新しい人間関係が怖いなら、


一度は受け入れてくれた人に会ってみよう。


たぶん疲れるけど、


同時にきっと元気が出るはずだから。






「もう痩せるまで待っていられないから会おう」


メッセージを送った。






「〇〇まで出てきてー笑」の返信。


否定されることはなかった。


それなのに、何か突き刺さった。





以前の彼女は


「絶対話したいことがあるんだ」


「近くまで行くよ」


そうやっていつも


積極的になってくれていた。


あの時の私の消極的な態度は、


相手をこんなにモヤモヤさせていた


のかもしれないと思った。







彼女から見て、


私はまだ友達であると思う。おそらく。


しかし、私が留まっている間に、


彼女の時間も道程も進んでいった。


当時、私に話したいと言ってくれたことを


私は聞きたいけれど、


彼女にとってそれは、


ずいぶん昔の話なのである。






留まりすぎたか。






あの返信を見てから、


私はずっと考えている。


また旬を逃してしまわないように。








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