表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「女三人三角関係殺人事件」それは、私とすみれ子の出会いの事件

作者: 秋葉竹

小さな声

あなた確かに言ったよね

アキが私の宝物だと


さざ波が

立つ湖の底に住む ほんとの心を隠した空箱


その昔

死にたくなるほど悲惨な目に遭い

ただれたケロイドそのまま固まる


浪漫を

乙女の権利と豪語して

ぶっちゃけ楽しく恋してジン飲も?


一人きり

指切りしたものあなたと本気で

私以外もう愛さないでね


嘘ばかり

つくからバイクをぶっ飛ばし

あなたの部屋へ今 乗り込むわ




血を流し

倒れているのは私が愛した

あなたじゃないあなたじゃないわ




ゆっくりと私のそばまでやってきて

私を刺す目とナイフで詰め寄る


ねぇなんで?

あなた 私の彼女をとった

極悪人だろ? なぜ泣いてるの?


ブラックジーンズはいて上半身裸で

赤髪ボブヘアーの小柄な女の子が

絶望でかすれた声で詰め寄る



【すみれ子】

何を言いやがる何しに来やがった

お前さえ来なければ2人はうまくやってたのに

お前のバイクの音が聞こえた途端

お姉さまは泣き出したのよ


一体何なのあなたは何しにきたのほんとに

私だってさしたくてさしたわけじゃないのよ


あなた見た事ある?あー、あなたはあるか?


お姉さまのあんなに嬉しそうな笑顔

とろけるような夢見るような眼差し

まるで陶器のような白い顔に

パッと光が差したように

頰がピンク色に染まるのよ

泣きながら口の中であなたの名前を

何度も何度もつぶやいていたのよ


私その顔見てもその泣き笑いの顔に心奪われ

我慢できてたけど

その名前を聞いたとき

お姉さまを私のものにするためには

もう殺してしまうしかないと思ったの


え?え? なんて言ったの ええ死んでるわよ

私が殺したのよ

愛しすぎて殺しちまった



【アキ】

「愛しすぎて、殺しちまった」

この言葉を聞いたとき、

彼女は、私だと気づいた

もうひとりの、私なのだと


吊り橋効果だったっけ?

私はこの娘と一生の付き合いになるだろう、と

確信していた

愛憎入り混じった2人が

2人の最も深いところまで絡み合いながら

生きていく

そんな

敵のような、

宿敵のような、

天敵のような、

愛人関係になるだろう、と

確信していた


翼の死体の横たわる、

翼のいない翼の部屋で、

翼の血の匂いが立ち込めた空間にとどまり、

その少女のような女と

私は睨み合っていた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ