Lost Dungeon No.1
本日二話目です。
ご注意ください。
≪とある人物の日記≫
ディアスティマ歴 6239年 11月 9日
この世界に降り立って大体100年ほど過ぎただろうか。
あまりにも暇になったので、ショップで買った記録媒体に日々の記録を残すことにした。
日記などいつぶりに書いただろうか。
この世界の文明はまだまだなようだ。
少し周りの様子を確認してみたが、文明を形成している生物は見当たらない。
100年生き続け、その中で体の衰えが見当たらない点、疲れを感じない点から、自分という存在が不死身の存在であることが分かった。
この記録を日々続けたとして、見る生物が果たしていつ出てくるのだろうか。
せめてもの暇つぶしとして、この日記を続けていこうと思う。
ディスティマ歴 6378年 19月 28日
この世界の月はどうやら二つあるらしいということはわかっていたが、まさか色が赤と紫だとは思っていなかった。
禍々しいという表現が似合うな。
探査魔法で確認したが、やはり出来立ての星のようだ。
時間とともに色も落ち着いてくれることを願おう。
新しい文明の色彩感覚が狂ってしまっては困る。
ディアスティマ歴 6402年 9月 3日
ついに原始文明を確認した。
やっと支配文明が生まれ始めたようだ。
これがしっかりと育つことを願うことしかできないが、この世界状況で高い文明はあまり期待できないだろうと思う。
これからも暇なときに観察を続けていきたい。
ディアスティマ歴 6498年 13月 31日
もう一つの文明を確認した。
すでに遠方で成長していた文明のようだ。
こちらの文明は自分の元居た世界の古代文明に似ている。
今は二つの文明は離れているが、生活域は双方だんだん近づいている。
この二つの文明が接触したとき、融合が起こってくれることを願う。
ディアスティマ歴 6538年 17月 18日
懸念していた通りのことが起こった。
案の定、二つの文明は衝突を起こし、疲弊してしまった。
二つの文明のレベルは停滞したままだ。
そろそろ革命的な何かが必要なのだろうが、その兆しもない。
できる限り介入はしたくないのだが。
ディアスティマ歴 6741年 2月 30日
ついにここで生まれた文明がこのダンジョンの存在を見つけた。
できる限り介入はしない、そう決めていたのだが、向こうから関わりを持とうとしているのだ。
出迎えてやらなければ失礼だろう。
どんなものか見てみる事にする。
ディアスティマ歴 6741年 3月 1日
まさかこんな魔法もあるとは思わなかった。
自分の知らない間に、自分が「不完全」と呼んでいた魔法がここまで実用的になっているとは。
あのスクロールを無くした時は後悔したが、案外それもよかったのかもしれない。
不完全でもここまで使えるものか。
少し魔法を見直してみるべきかもしれない。
ディアスティマ歴 6741年 3月 18日
ついに一つのグループが最奥までたどり着いた。
直々に相手することも考えたが、少しかわいそうなのでボス部屋には強化体の群れを置いておいた。
この戦いに勝てば彼らにとって有用なものがたくさん手に入るだろう。
入り口にいるもう一つの文明軍にも注意してほしいものだが。
ディアスティマ歴 6741年 3月 23日
彼らの適応力には驚いたものだ。
数回弄っただけで道具の使い方を完全に理解してしまった。
そしてもう一つの文明を軽々と追い返し、支配下に置いてしまった。
この発見には興奮を隠しきれない。
自分はまだまだこの世界のことを知らな過ぎたようだ。
ディア**ィマ歴 6758年 18* 3日
少しはこ*世界*仕組みが**ってきた。
この世界における***ムはどうやら**ア*ースの作りと酷似して**ことが*かった。
**り女*ルシ*レの*理下に置かれ**るようだ。
まだまだ調**必***るが、今はこれだ**録しておく*にす*。
ディアスティマ歴 6849年 24月 29日
驚くべき発*だ。
記録して**たいが、こ*こと**くら記録して*、*神ル**レの手**去され*しまう**だ。
書い**ばから*えて**。
どれ***める部分が*るの*気**るが、でき*だけ残**おく。
*モを裏**いた。
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(ここで記録は途切れている)
(この記録媒体の裏には「たった一つの冴えたやり方を試す」と書いてある)