変態傭兵の奇行
前回から期間空いた割に少なくてすいませんm(_ _)m
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「──結局、ダルエルの奴帰ってこなかったな……」
高校への通学路の道すがら、そんな事を呟いてみる。
あの後ギリギリまで待ったのだが、ダルエルが帰って来る気配が全くなかった為、誠に不本意ながら4人で朝飯を食う羽目に。
時間もそれなりにギリギリだったので、掃除洗濯その他諸々の家事をエルナに頼んで今に至る。
しかし思えば異世界で1年過ごしてたから、学校に行くのもクラスの奴らに会うのも1年ぶり。この道を歩くのだって1年ぶりだ。何もかもが懐かしくて仕方がない。
「いよーっす、カオルっち!」
後ろから呼びかけられたので振り返ると、1人の少女が俺に向かって走ってきているのが見えた。幼馴染の滝野沙々羅だ。
ああ、その顔を見るのも1年ぶり……久しいぞ沙々羅。
「よっ、沙々羅。1年ぶりだな」
「なーに学校1日休んだだけで1年も別れた気分になってんのっ。そんなに私に会いたかったのかね?」
「まぁな」
実際会いたかったのは事実だ。
「で、俺が休んでる間になんかあった?」
「んー、特に無いかな。強いて言うならさっきあったけど」
「さっき?」
──なんだろう、妙な胸騒ぎがする。
特に家に居候している、「ダ」で始まって「ル」で終わる筋肉バカが関わっていそうな。
「さっき家出たら突然筋肉モリモリマッチョマンの変態が私のスカート覗いてきてさ、悲鳴あげようと思ったらものっそいスピードで逃げててったんだよねー」
「こっちでも平常運転すんじゃねぇあんにゃろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
行き場の無い怒りを近くの壁にぶつけながら、俺は叫ぶ。
あの野郎、全然帰ってこ無いと思ったら案の定女子のスカート覗きに精を出してやがったのかっ! 警察に厄介でもなったらこっちにまで迷惑かかるってのに……。お仕置きに依頼主命令でしばらく賃金減らしてやる。
「ど、どったのカオルっち!? 突然大声上げて壁パンしてっ。気でも触れたか!」
「いや、大丈夫だ。問題無い」
めり込むほど壁を穿った拳を引き抜くと、滲んだ血をタオルで拭き取った。異世界で鍛えていたとはいえ、流石にリアルで壁殴りは無理があったか。
──しかし問題はダルエルだ。早く家に連れ戻さなければ、数多の女の子の絶対領域を粉砕玉砕して大喝采してしまう。
しかも女の子のパンツを見るためなら、1人で町一つ壊滅させるのがあいつだ(実話)。特殊急襲部隊が大隊レベルの人数集めて止められるかどうか……。
あいつが言うこと聞くのは雇用主である俺だけだし…………。
──仕方ない。
「あっ、すまん沙々羅ー忘れ物したから家戻るわー(棒)」
「え、今から? 急がないと学校始まるよ?」
「大丈夫だ! ホームルーム終わるまでには来るからっ」
「あっ、ちょっ!」
それだけ言うと、沙々羅をその場に残し全力ダッシュで家に引き返す。遅刻するかもしれないが、女の子達のパンツが掛かっているんだ。一刻の猶予もない。今は遅刻よりパンツだ!
「サーシャ! エルナッ! 魔王っ! 緊急招集だ!!」
勢いよくドアを開けると、大声で家の中に向かって叫ぶ。
「カオルさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 学校生活を捨ててまでこのサーシャの中にカオル様の白く熱い物を注ぎに来てくださったのですのにゃげっ!?」
「ホットミルクなら帰って来てからたらふく飲ませてやるぞ?」
変態丸出しで突進してきたサーシャの顔に蹴りでカウンターを食らわせ、沈黙させる。リビングから出てきたエルナも「うわぁ……」とサーシャを哀れんでいた。
「なんれすかぁ、カオルさん……忘れ物でもしたんですか?」
「いや、ダルエルだよ。あいつ、こっちに来てもスカート覗きに精を出してやがるらしい。被害が広がるといかんから、急いで探して連れ戻すぞ」
「──それは当然呼ばれた我も手伝わされるのであろう……?」
と、うめき声にも似た声を出しながら、開けたドアから魔王が這い出してきた。どうやら今さっき勢いよく開けた時にドアの向こうにいたらしい。というか自分がロリ体型と自覚してるのかこいつは。
「もちろんだ。んじゃ、早速探しに行くぞ! 早くしないと遅刻──じゃない、女の子達のパンツが危ないっ!」
「「分かりました!(レッツにゃー!)」」
「仕方がないのぅ……」
3人の了承も得たので、早速家を後にする。
──俺たちの戦いは、これからだ!!
ご愛読ありがとうございました。ノヴァ先生の次回作にご期待ください。(※大嘘 ちゃんと続きます。)