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朝〜朝食の前に〜




▼ ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ 

△ ▲ △ ▲ △ ▲ 




「──よし、完成っと」

 フライパンの上のホットケーキを最後の皿に乗せると、熱いうちにバターをその上に箱から切り出す。

 お婆ちゃんが言っていた。「こうすれば余熱でバターが溶けて、手を合わせる頃には香ばしい香りを漂わせて食欲を掻き立ててくれる」、と。

 これは俺自身何回もやっているが、結構正しい。それなりの温度で生地を焼いて素早く皿に乗せた直後に乗せたら、本当に香ばしい匂いがして食欲が掻き立ててくれるんだよな。あれだけでホットケーキ4〜5枚はイケる。

 フフフッ、圧倒的じゃないか、我が料理は。

「カオル様ーっ。こっちも出来ましたにゃ!」

 その声に呼ばれて振り向くと、大量のサンドイッチがひしめき合う皿を抱えたサーシャがいた。どうやら頼んだサンドイッチの調理、ちゃんとやってくれたみたいだな。感心感心。

「サーシャ、そのサンドイッチをみんなに届けてくれよ? それは……良いものだ」

「〜〜〜っ! そう言ってもらえると、サーシャ感激にゃ! お礼にお熱いベーゼを……」

「よーし、全部運ぶぞー」

 唇突き出して迫ってくるサーシャを片手で押さえつけると、さっき作った自分の分のホットケーキをテーブルに運ぶ。一応、これで朝食は全部作り終えた。量的にもサーシャは満足だろうし、味も魔王に文句言わせないくらいの出来のはず。

 仮に文句言ってきたらどうしようか……。ま、その時その時で考えるよう。

 と、そんな思考を巡らせながらホットケーキをテーブルに置いていて気付いたが、ダルエルはともかくエルナが未だに来ていない。さっき起こしてやったのに、あいつさては二度寝したな?

「サーシャ、牛乳とか飲み物の準備お願いできるか? ちょっとエルナ叩き起こしてくる」

「了解したにゃ!」

 そう言ってサーシャに後を任せると、近くにあったビンをポケットに入れて急いでエルナの部屋に向かう。今起きてみんなと一緒に飯を食ってもらわないと、学校に行くまでに食器洗いや片付けを終わらせられない。最悪エルナ自身に任せても良いんだが……。

 ドジっ娘のエルナ(あいつ)の事だ、皿を数枚新しい物に買い替えることになるだろう。

「ふぅーはははーっ! 天が呼ぶ、地が呼ぶ、悪魔が呼ぶ。勇者を倒せと我を呼ぶ。聞け、勇者よ! 我は魔王女帝、ファルシール・アルぶぇふっ!?」

 ──なんか今階段上がろうとした時に、何処ぞの改造電気人間みたいな名乗りを上げる魔王を蹴っ飛ばした気がするが……。

 きっと気のせいだろう。

「勇者めー! よくも我の腹を蹴飛ばしたなぁ〜! ご褒美に我の最大魔法をプレゼンととぅがっ!?」

 ──なんか今階段の曲がり角を曲がろうとした時に魔王を思いっきり踏ん付けた気がするが……。

 きっと気のせいだろう。

「なんだ……? この……我だけがダメなムードは……?」

 ──なんか階段下で魔王が力尽きた気がするが……。

 きっと気のせいだろう。

 まぁ、そんなこんなで何事もなくエルナの部屋に再到着。時間もないのでさっさと中にお邪魔させてもらうと、やっぱり寝ていた。

「むにゃ……しのみやさん……何故見てるんです……? 本当に裏切ったんですか……?」

「お前は何処の剣崎だ。ほれ、起きろ」

「んぅ……カオルさん……おはようございます……」

 ツッコミを兼ねて顔をペチペチ叩いてやると、ようやく目を覚ました。

「ほら、朝飯出来たから早く食いに来い。お前の好物のサンドイッチ用意したぞ」

「サンドイッチ……? わーい、サンドイッチだぁ〜。エルナ・サラティ、サンドイッチ大好きぃ…………しゅぴぃ……」

「早速三度寝に突入すんじゃねぇっ!!」

 またも眠りに入ろうとしたので思いっきりその頭をぶん殴ってやるが、それでも尚ヨダレ垂らして眠っているエルナ。

 思い出せば、一緒に冒険してた時もこいつ日中の4割くらいは寝てたな。曰く、「自分は魔力の燃費が悪いので、少しでも魔力を節約するために寝ている」とか。

 確かにそうかもしれないが、この世界(こっち)にはクリア後の隠しダンジョンの奥にいる二振りの大剣を持ったボスとか他では炎属性なのにある1作品では何故か氷属性なインドの神とか続編シリーズで人間になったスライムとかド◯キーとかそういう敵はいないから膨大な魔力使う必要性ほぼゼロかと思うんだ、うん。

 別に復活用の「ペペペペペペペ(ry」なんて呪文も余程のことがない限り使わないだろうし、そもそもこの世界(こっち)で魔法が使えるかという問題なんだが。

 ──つまり、エルナが必要以上に寝る必要は皆無。今すぐ起きてもらわねば。

「仕方ない。あまり使いたくは無かったが……"これ"を使うしかないな」

 俺はポケットからさっき突っ込んだビンを取り出すと、中に入っていた"それ"を無理矢理エルナの口に突っ込んだ。



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