街を徘徊
ちょっとあれな描写があるので、食事中とかでしたら見ないでください。
不快な思いをするかもしれません。すみません。
初めての土地
知らない場所
見慣れない建造物
それらを見て舞い上がらない子供はいるのだろうか。
いや、私が知ってる限りはいない。
私が知っている奴らは、知らない建造物はとりあえずペタペタ触って、感触を味わって、興奮のあまり犬みたいな雄叫びを上げるだろう。「うぉーー!!」みたいな感じに。
そして先公に怒鳴られるんだ。「煩い」と。
そしてその中に私もいるんだ。「サーセン」だけ言って、まだ懲りず触るだろう。
そして現地に住む人たちに変な目で見られて、泣き泣き友達の方によっては「馬鹿じゃないの?」と罵られるんだ。
うん、懐かしい。
....そんな感じに思い出に浸っている私の頬を叩いて、夜のロンドンのような街を徘徊した。
こんな夜でも、警官は街を徘徊して平和を守る。
そんな警官に注意して、私は行く当てもなくぐるぐる回る。
本当に視界が悪い。霧が立っているせいでちょっと遠くは見えないし、夜だから明かりは街灯頼り、街灯も照らせない裏路地からは娼婦やなんか夜の仕事をしている大人達がでてきそうだ。
そしてその娼婦らをジャック・ザ・リッパーがザクリと....
ジャック・ザ・リッパー?
切り裂きジャック?
....この世界に居たりする?
いないよね?
え、だってここはロンドンのようでロンドンでない街だよね?
地球じゃないもんね?
...........
慎重に街を徘徊することにした。
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徘徊して恐らく1時間は経過しただろう。
ジャック・ザ・リッパーみたいな怖い奴にも合わないし娼婦みたいないろいろとしつこそうな人たちにも合わないので退屈していた。
欠伸を1発かまして曲がり角を曲がると、霧が立っていてあまり見えない視界にギリギリ見える人が街灯の根元に向かってなんかやってた。
あの忌々しい音と共に何かを吐き出しているようにも見えた。いや、見える。そう見える。
これは大和撫子の心を持つ私も見逃せない、がこの手はなるべく無縁でいたい。
いろいろな思いを胸に込めて、来た道を通る。
あの音は響く。
悪いな、私はそれを見たらもらっちゃうタチなんだ。
....いや待てよ。
もしあいつに女房がいたとして、あいつを家に返したら女房から何かを貰えるのでは...?
そうだ!そこで地図を貰おう!
うむ、名案だ。
そう思い、曲がり角をまた曲がる。
猛烈な匂いのせいで、私もやってしまった。