麻生やなぎの想い**冗談じゃねぇよ……まったく……
――なんでだよ、カナ!?
どうしてお前は、そんな大切なことまで隠していたんだよ……? お前は俺に忠誠を誓った霊だろうが!
お、俺がお前の真実を知ったら、気が動転しておかしくなるとでも思ったのか? そんな訳がないだろう。おかしいのは、いつもお前の方だからな!
……お、お前は、あの日俺と会ってから、真実をずっと抱いていたんだよな? あの日、俺に金縛りを掛けた四月の夜から、ずっと……。
なぜ……なぜ今の今まで明かさなかったんだよ!? 他霊の湯沢のヤツから聴かされた、俺の身にもなってみろ! なんだよ、それ……なんで、言わなかったんだよ?
…………た、確かにお前は悪霊だ! それもアカギ以上に恐ろしい、ナデシコよりも凶暴な悪霊だと言えるだろう。フクメだって、こんな結末は望んでいなかったから、全てをお前に託したんじゃないのか!?
チッ……こんな思いをするんだったら、とっとと小清水にでも頼んで、即刻強制成仏をしてもらうべきだったよ……
悪霊に襲われた水嶋、それに篠塚の為にも、お前という存在を消すべきだったんだ……。
――そして一番は、今まで独りで生きてきた、心無き俺の為に!
もう………………罪人で…………嘘つきで……バカで、アホで煩くて! そんなお前には!!
本当に、ガッカリだよ……。
冗談じゃねぇよ……まったく……
――なんでお前の正体が、寄りにも寄って……お前なんだよ?




