小清水千萩の想い**お祖父さま、聞こえますか?
お祖父さま、聞こえますか?
今俺のこの声は、天国に届いているでしょうか?
もし聞こえているのなら、俺からお聴きしたいことがあります。
――それは、一人の俺がどうするべきなのか。
家族を失い、終いにはお祖父さままでいなくなった俺は、一体どうやって生きていくべきなのでしょうか。
それはもちろん、生活費云々のことではありません。俺が今後、神職の人間として果たすべき行為についてです。
俺は幽霊が大っ嫌いです。だって、恐らくは家族のことも、そしてお祖父さまの命すら奪ったヤツらなのですから。許せる訳がありません。
――それなのに、どうしてお祖父さまは俺に、幽霊たちを救えと言ったのですか?
あれ以来、俺は神職としてすべき行動がよくわかりません。幽霊を敵として捉えていた俺には、手が止まってしまう日々です。
だから、教えてほしいのです!
どうして憎き幽霊どもを、神職が救わなければいけないのか。
なぜ貴方が、幽霊どもに存在価値を見出だすのか。
そして、これは関係のない余談だとは思いますが……
―― 一人俺は、独りのアイツとどう接すれば良いのですか?




