不聖なる浄化
週がずるずると過ぎていく中、不気味な静寂が漂っていた。マリーは学校でまた何か事件が起こるのではないか、身に降りかかった奇妙な出来事が再び繰り返されるのではないかと身構えていたが、意外にも心地よいほどの平凡な日常が訪れた。朝、教会を訪れてもルシエルやケイレブの姿はなく、級友たちの前で予期せぬ流血沙汰を起こすこともなく、彼女は心から安堵した。まるで、あの恐ろしい出来事など決して起こらなかったかのようだった。一日一日が過ぎるにつれて、マリーの気分は少しずつ上向いていった。
金曜日の午後、マリーが玄関のドアをくぐると、静寂がまるで旧友のように彼女を出迎えた。いつもなら金曜日に訪れる礼拝堂には向かわず、学校からまっすぐ家に帰ってきたのだ。小さな教会を意図的に避けることで、そこに潜んでいるかもしれない何らかの邪悪な誘惑から逃れられているのだと信じ、彼女はかすかな解放感を覚えていた。
家の中は静まり返っていた。居間にいたのは母のスザンヌだけで、部屋の隅にある揺り椅子に腰掛けていた。父の姿はどこにも見当たらない。マリーの胸を安堵感が駆け抜けた。母は父よりもずっと親しみやすく感じられたし、先週の口論以来、父との間には言葉にされない敵意が渦巻いていたからだ。交わされる言葉は必要最低限の短いものばかりで、マリーは二人を避けるように自室という安全地帯に引きこもっていた。静けさを求め、彼女は廊下に向き直り、すっかり新しい習慣となったように、コートをドアの横に掛けた。
「何をしていたの?」
静寂を切り裂く母の唐突でぶっきらぼうな声に、マリーは凍りついた。息が止まる。ゆっくりと振り返ると、母が椅子に硬直したように座り、マリーを睨みつけるために首を奇妙な角度にねじ曲げているのが見えた。その厳しい視線に、マリーはその場に釘付けにされた。腹の底で恐怖の塊がじりじりと締め付けられるのを感じた。母の声は、まるで自分が犯した重大な過ちをたった今発見した人間の声色だった。彼女は頭を必死に回転させ、自分が一体何をしでかしたのかを思い出そうとした。
「学校から、まっすぐ帰ってきただけだよ」
声は震え、心の中に芽生え始めた不安を隠しきれていなかったが、マリーはどうにかそう答えることができた。
「そうかしら?」スザンヌは、不気味なほど滑らかな一つの動作で椅子から立ち上がった。指をくいと動かし、マリーを近くへ呼び寄せる。抗いがたい力に引かれるように、マリーはおずおずと一歩、また一歩と足を進め、やがて母の前で不安げに立ち尽くした。
「どのみち、お前は使徒教会系の学校にいるべき人間じゃないのよ」母は優しく、しかし毒を孕んだ声で言った。
聞き間違えたのだと、マリーは瞬きした。「お母さん、何て言ったの?」
「しらを切るのはおよし」スザンヌの声は、かろうじて抑えられた怒りで張り詰め、震えていた。「自分の子のことは、分かっているわ」
マリーの頭は混乱で真っ白になった。一体何が原因なのだろう?先週の聖餐ワインの件だろうか?母に連絡がいったのだろうか?しかし、もしそうだったとしても、説明すれば済むことだとマリーは思った。飲み物が腐っていただけなら母も理解してくれるだろう、まさかそれが血だったなどとは思いもしないはずだ。
マリーが沈黙の中で言葉を探していると、母は続けた。「教会がお前のような者を中に招き入れるべきではなかったのよ。今、お前はその不信仰の代償を払っている。マリー、私は何も見ていないわけじゃない。洗濯物の中にあった、血で汚れたシーツも服も、ちゃんと見ていたわ。こんな罰を受ける者なんて、他には誰もいない」
世界がぐらりと傾くような感覚に襲われた。自分が罰せられているのだと、他の誰かにも言われたことがある。母の言葉は、その考えをさらに強固なものにした。非難のあまりの重さに思考は塵のように散り、熱く、望まない涙が目に込み上げてきた。
「私のせいじゃない」彼女はか細く懇願した。
「じゃあ、誰のせいだと言うの?」母は言い返した。「もちろん、お父さんや私のせいじゃない。私たちは敬虔な子を育てようと努力してきたわ」
その瞬間、スザンヌが突進してきた。マリーが反応する間もなく、母の指が万力のように彼女の腕に食い込む。
「その不信心を悔い改めなさい!」母は叫び、マリーをぐいと前へ引いた。
衝撃で服従を強いられたマリーは、母の断固とした姿の背後で、よろめきながらついていった。スザンヌは恐ろしいほどの目的意識と速さで動き、マリーを半ば引きずるようにして廊下を進んだ。突き当たりの浴室に着くと、母はマリーを中に突き飛ばし、彼女は冷たいリノリウムの床に崩れ落ちた。背後で鍵が掛かる音が聞こえ、マリーは両手を床につきながら、胃がひっくり返るのを感じた。床に座り込んだまま、呆然と恐怖に満ちた目で見ていると、母が平然とそばを通り過ぎ、バスタブの蛇口をひねった。ノブが左いっぱいに回され、焼けつくような熱湯が浴槽に注がれ始める。
「何をしているの?」ようやく、マリーはか細く震える声で尋ねた。
母が振り返ったとき、マリーに向けられたその目は、見知らぬものだった。彼女がいつも感じていた母性の温かみは完全に消え失せ、今まで見たこともない冷酷さが宿っていた。この女性の辛辣な言葉を聞いたこともなければ、鍵をかけた部屋に引きずり込まれたことなど、もちろん一度もなかった。
「お前は浄められなければならないの」スザunnaは冷たく、落ち着き払った声で言った。「救われる道は、他にはない。お前の汚れた魂が、周りのすべてを汚染している」
マリーは信じられない思いで口を開けた。言葉の意味が分からない。恐ろしい考えが頭をよぎった――病気がちだった母が、精神的に参ってしまったか、あるいは発作を起こしたのかもしれない。
「お母さん、大丈夫?」
「問題なのは私の健康じゃない!」スザンヌの声がタイル張りの壁に鋭く反響した。「私の魂は清らかよ」彼女は一瞬言葉を切り、唇に小さく冷たい笑みを浮かべ、秘密を打ち明けるような囁き声になった。「お前のは違うけどね。でも心配しないで、可愛い子。お母さんが全部良くしてあげるから」
そして彼女は屈みこみ、再びマリーの両腕を掴んだ。
本能的な恐怖が全身を駆け巡り、マリーは思わず身をすくめたが、母の力は圧倒的だった。それに、母親に物理的に抵抗して傷つけるなど、考えられることではなかった。彼女のささやかな抵抗は無意味だった。母は一気に強く引っぱり、マリーはバランスを崩され、足元から引きずり上げられた。スザンヌはその無防備な状態を利用し、彼女をバスタブの方へと引きずっていった。満杯に近づいた湯船から立ち上る湯気が、マリーの顔を焼いた。
「お母さん、何をするの?」マリーの声は恐怖に上ずり、再び嗚咽が漏れた。「やめて、お母さん!」
彼女の叫びに応える者は誰もいなかった。母は素早く向き直ると、ためらうことなくマリーの細い体を持ち上げ、バスタブの中に投げ込んだ。
マリーは目を固く閉じ、水の中に沈んだ。奇妙な一瞬、何も感じなかった。そして痛みが始まった。目を眩ませ、すべてを飲み込むような激痛。湯は焼けつくように熱かった。彼女は激しくもがき、水中に沈んだ頭を無理やり持ち上げた。甲高い悲鳴を上げて水面に顔を出すと、立ち上がろうと試みた。肌はすでに驚くほど赤く染まり、全身が燃えているかのようだった。
浴槽の縁を乗り越えようとしたとき、手が肩に食い込み、彼女を湯の中へと押し戻した。母は片手で彼女を押さえつけ、もう一方の手で彼女の頭を後ろに押しやり、蛇口から流れ落ちる熱湯の真下に固定した。
マリーの叫びは、苦痛に満ちた原始的で抑制の効かない絶叫へと変わった。腕を振り回し、掴むものを、この炎から逃れるための何かを探した。しかしそこには何もなかった。ただ、彼女をそこに留める無慈悲な拘束があるだけだった。数秒間、必死にもがいた後、彼女の指先が蛇口のハンドルに触れた。最後の理性を振り絞ってそれを掴み、右いっぱいにひねった。安らぎは遠い夢のように思えたが、頭上に降り注ぐ水の奔流は、徐々に冷たくなっていった。
母は、浴槽が今や溢れ、浴室の床一面に水が滴っていることに気づいていないようだった。マリーは痛みの霞を通して、スザンヌの異様な状態を認識した。彼女は目を閉じ、唇を動かして無言の祈りを捧げながら、微動だにしなかった。それは『アヴェ・マリアの祈り』だったが、彼女はそれを全くの侮蔑と憎悪の表情で唱えていた。
最後の思考力を振り絞り、マリーは水中に手を伸ばし、排水栓を引き抜いた。熱湯が引き始め、冷たい水が流れ込むにつれて、耐え難いほどの激痛は、どうにか耐えられる程度の疼きへと和らいでいった。
彼女は叫び、そして荒々しく息を吸った。その時、母のまぶたがようやく震えながら開き、恐れおののくマリーを見下ろした。その瞳は、マリーが生まれてからずっと知っていた、優しく、見慣れた茶色ではなかった。鋭く、鮮やかな青色だった。
その瞬間、母を守ろうというためらいはすべて消え去り、生き残りたいという本能だけが残った。マリーはよろめきながら立ち上がり、肩にかかっていた腕を突き飛ばした。腕はいとも簡単に外れ、母は後ずさった。マリーは浴槽から這い上がり、ドアに向かって飛びついた。水から出た今、感覚が苦痛の波となって押し寄せてくる。腫れ上がったまぶたは酸に浸されたように痛み、全身が抗議の悲鳴を上げていた。ドアノブと格闘したのは、一週間前と同じ、あの黒ずんだ血赤色の手だった。
彼女がドアをこじ開け、湯気の立つ恐ろしい浴室から逃げ出そうとしたとき、母の、今は穏やかで幽霊のような声が届いた。
「お前の言う通りよ。お前のせいじゃない」
一拍の間。
「あの方のせいなのよ」
マリーは自分の部屋に駆け込み、ドアを激しく閉めると、内側から鍵をかけた。