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短編No.004 イベント
その日はいつもと変わらなかった。
学校の宿題を終わらせて、寝る支度まで済ませて、午後7時くらいからフロンティアネクサスにログインした。
「真っ黒?」
ふと口に出たそれは、確かにその通りだった。
午後7時、09:00FNT(フロンティアネクサス標準時)は朝の明るさがあるはずだった。
スレッドを覗こう。なるほど、ワールド規模クエストか。
「やあジュエリー。クエスト行かない?」
話しかけてきたのはシトリン。気の利くストーカー男。私が魔法後衛職になったのを見て、タンクになるくらいの根性は認めているが、流石にこう毎度付き纏われるのはめんどくさい。
「しょうがないわね。緊急事態だから仕方なくよ、仕方なく。」
「じゃあ、行こうか」
「回復は自分でするのよ。私は攻撃魔法しかないんだから」