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東の森

...今現在、東の森へと商業都市ホルセイユへ向かう為に入っている。しかし妙だ、この辺には様々な生物と豊富な植物があったはずなのだがな。そう思っていた時、遠くから声が聞こえてきた


「魔物だ〜!助けてくれ〜!」


...魔物?それは魔王様が統治して人間などとも友好関係を結ぶ為に不可侵を約束させていたはずだが...ひとまず行ってみるしかないか。

そう思いながら行ってみると、狼の魔物。ウルフが、1人の男の右側の半身を食べていた。血が流れているもう一人の男は狼に四方に囲まれて今にも襲われそうだった


「ひぃ!嫌だ嫌だ嫌だ。死にたくなぁぁぁぁぁい!」


と、狼に四方を囲まれている男は叫ぶ。その瞬間に男に真正面の狼は噛み付こうとする


「ぎゃーーーー...は?」


男は目を瞑り死を覚悟して叫ぶ。しかし、次に目を開けると四方の狼と男の半身を食っていた狼の首が撥ねられており、目を疑った


「大丈夫か?怪我は...無さそうだな」


そう言いながら木の裏から男の前へと出る


「あ、あんたは誰だ!?」


と、男は声を震わせ問い掛ける。...酷いな。折角助けてやったのに。


「私か?私は...ゼルガだ。魔王の右腕の不敗の魔帝ゼルガ。貴様の名はなんだ?」


そう言いながら手を差し伸べると、男は手を取り立ち上がる


「俺の名前はセシスだ...!そんな事よりあいつは!!」


そう言いながら半身を失った男の死体を見つめ、走って近寄る


「おい、大丈夫かよ。なあ!返事をしろよ!なんで俺なんかを庇って...」


と死んだ男に語り掛ける


「なんで死んだんだよおおぉぉぉ!」


そうセシスは叫ぶ。それに答えるようにゼルガは話し出す


「?その男死んでいるか?死んでいないぞ?」


そうゼルガが言うとセシスはゼルガの方を見て、近付いて両肩に手を置く


「ほ、本当か?本当にレミルは死んでいないのか?」


「ああ、死んでなんかいないさ。どれ、それでは少し...」


そう言いながら近づく


「ふむ、この程度で十分か。ヒール」


そう言ってゼルガがレミルに魔法をかけると、セシスは怒り狂いながらゼルガの元へと走りながら叫ぶ


「ヒールだと!おちょくっているのかああぁぁあ!」


そう言いながら殴りかかって来るが、ゼルガは一瞬のうちに背後を取り両腕を固定する


「まあまあ、1回冷静になってあいつを見てみろ」


そう言うとセシスは暴れ出すが、抜け出す事は出来ずにいた


「ぐっ...確かにお前には感謝してるよ。助けてくれたからな。」


そしてセシスは暴れるのを止める


「でも...俺の死んだ友人を...親友を!おちょくるのは許せねえ...」


そうセシスは言いながら涙を流す。ゼルガは不思議そうに語り掛ける


「俺がいつおちょくった?前を見ろと言っているだろ。」


そう言うとセシスはゆっくりと前を見ながら喋る


「あんな最底辺回復魔法のヒールなんかじゃい...みな...」


前をセシスが見ると、目の前に映ったのは、五体満足の驚いた顔をしている...死んでいたはずの...レミルだった。それを見てセシスが言う


「レ、レミル?本当にレミルなのか!?生きているのか!?」


そう言いながらレミルにセシスは恐る恐る近付く


「あ、ああ。確かにあのウルフに食われて死んだと思っていたんだがな...生きてる...」


動揺しながらも、レミルはセシスにそう話す。セシスはレミルに抱きつくと、レミルは言う


「おいおい、俺にはそんな趣味は...」


レミルは言うが、セシスは泣きながらずっと


「良かった...生きてる...良かった...」


そう言っているセシスを見たレミルは、セシスに何も言わずに抱き返す


〜10分後〜


セシスは少し落ち着き、レミルから離れてゼルガの方を向き、お辞儀をして言う


「私の友人を助けて頂き、本当にありがとうございました!!」


そう言って顔を上げると、不思議そうにセシスは聞く


「...しかし、ゼルガさん。何故回復の最底辺魔法のヒールで、レミルは生き返ったのですか?」


そう聞かれたので答える


「生き返ったっていう表現は少し違うかもしれないな。」


そう言うとゼルガは土で人形を作る


「原理的には...」


そう言って土の人形を壊す


「例えば壊れた土の人形があるだろ、それに...」


そう言いながら魔法をかける


「この再生の魔法で体を修復してその後に...」


そう話していると、セシスが驚愕して言う


「は?さ、再生の魔法って...あの失われた古代時代の魔法の?」

「え?ああ、そうなのか?すまないな。俺一万年前から転生したからさ。だから今の常識よく分からなくて...」


頭を掻き、笑いながらゼルガは言った。すると、セシスもレミルも時が止まったかのようにピタリとも動かなくなる


「え?どうした?...まあいいか。それじゃ、俺はこれでー!」


さて、確かここの先に近道があったはず...30分後には着くな...

そう思っていると、セシスとレミルは同時に叫ぶ


「「てんせいー!?」」


そしてセシス達は走って、セシスはゼルガの右腕を掴み、レミルはゼルガの左腕を掴み、ゼルガは立ち止まる。その後、セシスは言う


「い、1万年前から転生した!?ぜひその話を俺に、いや俺達に!是非聞かせてくれ!」


そう言われ答える


「ああ、全然いいぞ。私は商業都市のホルセイユに向かう所なのだが...向かいながらでもいいんだったらいくらでも話してやるよ。つまらない話だけどな。」


そう言うと目を輝かせながらセシスが言った


「勿論いいですとも!俺達からしたら目から鱗ってやつですよ!」


そう言われて問い掛ける


「...それって、使い方合ってるか?目から鱗になるような事あったか?」


そう言うとレミルは答える


「ええ!私達は考古学者なのですよ!それも専攻は、10000年以上前の歴史について!」


そう言ってゼルガの手を取る


「これも何かの縁ですから!!さぁ、行きましょう!」


そう言ってレミルとセシスはゼルガの進行方向から左に逸れて移動しようとする

こっちの方が近道じゃないか?

そう思いゼルガは元の進行方向に指を指し言う


「あのー...あの先真っ直ぐの方が早くないか?」


そう言うと不思議そうな顔をしながら首を傾げてセシスは答えた


「え?あの先の情報について知らないのか?...本当に転生したんだな。」


そう言ってその場に立ち止まってセシスは話し出す


「あの先は古龍の生息域なんだ...それも、神々が世界で最初に作った龍種とされている最古帝龍。俺たちの間ではミカドリュウなんて呼ばれてるよ。」


最古帝龍...あー、あいつか。昔よく遊んでやったものだ


「懐かしいな。最古帝龍は今この森にいるのか、折角だし会いに行こう。」


久しぶりに会いにいくか...しかし、生息域ってこの辺だったかな?あいつは山の山頂とか北の氷雪地帯あたりの寒いところに生息しているはずなのだが...

そう思い向かおうとすると、レミルはゼルガに向かって言う


「お、おい。そんなに早まるな!死にたいのか?」


そう言われるが進む

...死にたいのか?あいつに会って死ぬ事なんてあるのか?めちゃくちゃ温厚だし、話も分かるやつだ。人間に知恵を提供して国を発展させる手伝いをしていたり、客観的な視点から魔族と人間との戦争を収めたりと功績があって1目置かれていたんだが...何があったかは分からないけど行くか。

そう思いながら森の中へとゼルガ達3人は入り、セシスは言う


「だ、大丈夫なのか!?ここの森に入ったってやつは帰って来ないのだが...」


しばらく進んでいくと、どこからか声が聞こえてくる


「何用だ」


そう聞こえた瞬間、目の前にものすごいボロボロな龍が出てくる。そしてセシスは叫ぶ


「で、出たー!龍だ!逃げるぞ!」


そう言ってセシスとレミルは道を戻るが、ゼルガはずっと龍の前で立っている。セシスは叫ぶ


「ゼ、ゼルガさん!早く逃げろ!最古帝龍だ!あんたも殺されるぞ!」


そう言うも、ゼルガはずっと立っている。そして、龍は言う


「貴様、殺されたいのか!」


そう言って龍は口から氷を吐き出し、ゼルガはその攻撃をもろ食らう。しかし、無傷のゼルガは、龍に対して言った


「10400年ぶりか?」

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