表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

転生直後

「明日から忙しくなるなー!」


人間の姿で額の中央に1本角、背中に黒い羽が4本生えているオレンジ掛かった髪の色をした少年が、そう言いながら個室の魔王部屋へと入り、ベッドに横たわる


「(そうだ!ゼルガも稽古の指南役として呼ぶんだ...)」


ベッドから立ち、近くの木剣を手に取る


「恥をさらす事なんて...絶対に...あれは?」


木剣をしまい机に向かっている時、机の上に何か紙が置いてあるのを見つけ、席に座り読む


「なになに〜...ゼルガが1万年後くらいに転生か、なるほどね〜ふ〜ん...転生か...」


そうしてベッドに戻ろうとするが、机に置いてある紙に戻ってもう一度心の中で読む


「て、てて...転生ぃぃぃぃぃ!?」


不敗の魔帝ゼルガが転生をするということは、全世界に広がった


〜神界〜


玉座に座っている、頭の上に輪っかが浮いている神々しい純白の羽の生えている金髪の男が噂を聞き独り言を呟く


「ほう、あの不敗の魔帝が...戻ってきた時にはリベンジを...」


そう呟いた時、その男に1人の女が玉座の前で跪く


「創造神様、そろそろ仕事の時間となります」


「了解した、直ちに向かう。」


「それでは」


そう言うと女は部屋の中から一瞬で消えた。男は玉座から立ち、ゆっくりと大きな門のようなドアへと向かっていく


「私があの敗北を喫した時から...お前の事が頭から離れないのだ...」


...400年前


玉座に創造神は座っている。部屋の大きな門のようなドアから全く姿が変わらないゼルガは入る


「貴様、何故このような所に...警備はどうした?」


そう言いながら玉座から立ち、右手を横にすると至る所にダイヤの装飾がされた黄金の槍を出現させた


「この武器の名は」


そう言いながら創造神は槍を徐々に上げ、声高らかに宣言する


神槍しんそう・黄金宝具レジェダ!」

神槍しんそう・黄金宝具レジェダ」


と創造神が言うのと同時にゼルガもその名を呼ぶ


「な!?我が武器の名を...貴様、この武器の事を知っているのか...」


そう言う創造神に近付きながらゼルガは語り掛ける


「なに、今知ったよ。その武器の名前・特性・重量から素材からそれらを合成している元素から...言葉通り本当にその武器の情報全てをね。して、何故このような所に...か。それは、我が敬愛する愛しき魔王に配下にしてもらう条件として神殺しを要求されたのでな。殺すつもりなどは無いが...せっかくだし神眼しんがんだけでも欲しいなと思ってな。まあ無論、その神眼はすでに持ってはいるが...何個あっても損はしないだろう?」


その間に、ゼルガは創造神を通り過ぎて玉座へと座った。ゼルガを見て創造神は怒りを表情から露わにして、槍をゼルガへと向け、怒りで震えながら話す


「貴様...我が玉座に座るとは...なんと言う無礼を働いてくれた!即刻死刑だー!」


そう言うとゼルガの元へ地面から岩が右・右斜め・左斜め・左側から突き出してゼルガの元へと光速をも超えるスピードで迫る


「まあまあだな。それじゃ、もう帰るよ。神眼は大事にしておくから大丈夫さ〜」


岩はゼルガから丁度2mの距離でピタッと全て止まってしまう


「ま、まて...神眼を大事にとはどういうこと...ぐああああぁぁぁぁぁ」


そうすると、目から血が流れ出し紋様は目から消え、創造神は苦しみはじめる。それを無視してゼルガは大きな門のようなドアから部屋から出ていく...


〜現在〜


「...造神様、創造神様。こちらが本日のデザートです」


そうメイド服を着ている女がテーブルにショートケーキを置く


「本日も美味そうだ。」


創造神はそう言うとケーキを食べ進めていく


「なにか考え事をなされていたのですか?険しい顔に...」


と、心配そうに女が発言をするが、創造神は少し不機嫌な顔をして言う


「あまり深くは関わるな。」


「...畏まりました。ご無礼をお許し下さい。」


そう言いながら女は創造神の前でお辞儀する


「よいよい、別に気にしておらんわ。」


「ありがたきお言葉...」


そして創造神はケーキを全て完食すると、女がお盆を出現させ男の方へと近付け、創造神はケーキの無くなった皿をそのお盆に置く。すると女は一瞬でその場から姿を消した


「(必ずや我が神眼を...我が傷付けられたプライドを...)」


そう誓い一瞬でその場から消えた


〜悪魔界〜


人間のような姿で、額の左右に黒い二本の角。その中心に黒い一本の角、中心の1本の角の上側に一際目立つ1本の紅く染まっている長い角を持つ男は部屋の中から外を見てワインの入ったグラスを片手で持ち、飲んでいる。ドアの近くには、灰色の乾いた皮膚をした黒い二本の角を生やした人型の悪魔がその男の前に跪いている


「皇魔様。どうやら不敗の魔帝ゼルガが転生をしたそうです」


「ほう、あの男が転生か。懐かしいものだな...」


〜5000年前〜


皇魔。そう呼ばれている男が羽で空を飛びながら、魔物の国に黒い大きな魔力弾を村に投げており、魔物たちは逃げている。


「ガハハハハ。手応えが無いなぁ!もっと!もっとだぁぁぁ!」


「そこまでにしてもらおうか。あまりめちゃくちゃにされると困るのでね」


と皇魔の前にゼルガが現れた


「...貴様、羽も生えていないのになぜ我の目の前へと居る?」


「?羽が生えていないのは飛べないということでは無いだろう。」


と首を傾げて皇魔と呼ばれている男に対して発言をする


「何故我の前で平常心でいられる?国を破壊し尽くしているのだぞ!?」


「国を破壊するから平常心でいられないという訳では無いだろう。」


そう言うと、皇魔と呼ばれる男は一瞬動揺をする。しかし、すぐに冷静になりゼルガに手のひらを向けて魔法を凝縮する


「...変わった者だな。良き友人になれそうだ。貴様が悪魔であれば、な!」


そう言うと、手のひらの凝縮された魔法は赤くなり、徐々に色が青く変わってゼルガに向けて放つ


蒼炎そうえん。これで燃え尽き...」


「はいはい。もう終わりね。」


そう言いながらゼルガが手を1度叩くと炎は消える


「な!?どうなっている!?」


そうしてもう一度手のひらを向けて蒼炎を作り出そうとする


「だーかーらー、終わり終わり。もう帰ってくんね?面倒くさいなぁ...」


そう言うとまた炎は消える。何度も皇魔と呼ばれる男は炎を出そうとするが出そうとした瞬間に一瞬で炎が消え去ってしまう


「な、なんでだ!?なんで俺の炎が燃え尽きてしまうのだ!?」


そう言いながら何度も何度も炎を出そうとしているが、やはり出ない


「もう飽きたからいいか?じゃーな。」


そう言いながらゼルガは手を振る


「な!?くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


そう言いながら悪魔界へと皇魔は飛ばされて行ってしまった...


〜現在〜


「あ、あの?皇魔様。い、威圧をおやめくだされ!!!」


そう言われ、皇魔と呼ばれている男は威圧をやめる


「すまない。昔の事を思い出してしまってな。そいつの事を思い出すと...どうしても、とてつもない恐怖と絶望と怒りが湧いて出てくるのだ。」


その発言を聞き、驚愕しながら言う


「あ、あなた様にそのような感情を与える化け物がいるんですか!?」


そう言われると同時に皇魔と呼ばれる男は細い糸を手から放出してそう言った悪魔の首を切り落とした


「ああ、私にもそのような感情があったことは驚きだった。」


そして机を叩き、机は粉々となり地面や壁、死体など至る所に亀裂が入った。


「だからこそ...あいつをめちゃくちゃにして殺してやりたいのだ。強制契約で奴の生を踏み躙ってやりたい。」


そう、静かに怒りながら先程殺した悪魔に近づき、冷静になって話す


「契約だ。その話には二度と関与するな」


そう言うと殺した悪魔は生き返り、焦りながら跪き、怯えながら言う


「か、かしこましました。契約を必ず守りますのでどうか命だけは...」


そう悪魔が言うと、皇魔と呼ばれる者はベッドへと座り言う


「ああ、契約を守るのであれば...な。それでは私は人間の世界に顔を出して来るとしよう。それじゃ」


そう言って皇魔と呼ばれていた者は部屋から姿を消した。


〜1万年後〜


ゼルガは転生した地点から東の方へと向かい、森の前へと来ていた


「ここの先を抜ければ、商業都市があったよな。一旦行ってみるか」


そう呟くと森の中へと歩いて入って行く


...これから、人間・神・悪魔などに、1万年ぶりに不敗の魔帝・ゼルガの名前を全世界に轟かせる事となる...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ