アイリスと虹の手紙
君に届けたい
手紙があるんだ
ずっと伝えたくて
でも
伝えられなくて
だけど今なら
君に届きそうな
そんな気がする
アイリスが風に揺れる
この丘で
それは希望の花
気高い姿は
虹の女神のよう
潤んだ空に輝く
その橋を渡って
この想いも
届けてほしい
虹が
消える前に
ずっと逢いたかった
ずっと逢えなかった
そのたびに
一人この丘で
空を見上げて
だから
この手紙を君に
口にすればきっと
はかなく
消えてしまいそうで
移ろうばかりの
この世界に
せめて
いくばくかの
確かなものを
雨に濡れ
風に破かれても
太陽が乾かし
この手が
繋ぎとめるから
ずっと言いたかった
ずっと言えなかった
想い出を数えたら
君の笑顔と
君の涙の数になった
アイリスが風に揺れる
この丘で
虹の手紙と
希望の花束を
握りしめ
届くだろうか
虹が
消える前に
いや
届けに行くんだ
この同じ空の下にいる、
君のもとへ