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005 金髪朱眼の少女

海の声が聞こえる。さざ波、風の音、鳥の鳴き声や、船の木の板が軋む音。

浜辺に立ちオレは水平線を見つめていた。

朝焼けの海岸は気持ちがいい。


海の魔獣、クラーケンを倒してオレはオドリオや漁師たちが住む村にいた。

あの時の戦いを思い出す。


オレの魔法は『幻影の鞘(ファントム・ストック)』このひとつだけだった。しかし、円卓の騎士らによって崖から落とされたあと、目覚めたらその魔法が強くなっていた。

いや、変化したと言った方がいいだろう。咄嗟に出た魔法の名前、『幻影の強奪者ファントム・オブ・ロバリー』これで、本来自分の武器しか幻影に消せなかった魔法が。触れることで誰の武器でも消せて自分の武器として扱えるようになっていた。

あのクラーケンが持つ魔法具のトライデントでさえ奪うことが出来た。


魔法具とは、長い年月を得て魔法で鍛えられた武器や防具。

国や家に代々伝わる物や、海や山に過去に埋められた物、魔獣が持っている物、神殿などに封印されている物など様々な状態で世界各地に存在する。


本来、魔法具を扱えるものは1人だ。その武器が選んだ主にしか扱えず、その武器の魔法も使えない。しかし、何故かこの魔法ではその法則を打ち破れる。

これさえあれば、オレはやれる。円卓の騎士に、国に叛逆が出来る…!


妹のために、パルを殺したヤツを見つけ出す。どんな手を使ってでも…!!

砂浜で1人、拳を胸に置いて誓った。


「おーーい!ラウトーーー!」


オドリオが駆け足でやって来た。


「どうした?おっさん?」


「おめぇ、もう出るのか?」


オレの足元に置いてある鞄に目を向けて言う。


「ああ、やらなきゃいけないことがあるんだ…どうしても」


「…そうか…残念だべ…」


「食料や薬草、それに鞄も貰ってありがとう、感謝してる」


鞄を持ち上げて肩に背負う。


「構わないだべ、全然持って行ってくれだ!ラウトの役に立てるならいくらでもあげるだ!」


「ありがと、オドリオのおっさん…!…元気で」


「ラウトもだべ!」


オドリオのおっさんと話した後、村の漁師や家族に見送られてオレは村を出た。

その時、オレの旅立ちに泣き出す漁師がいたり、ずっとここにいて欲しそうにくっ付いてくる子供もいたが、また来るからと言って出て来た。名残惜しかったが。ずっとこの場所にいるわけにもいかない。村を出るとすぐ森があり、その森を北東の方に歩いていた。

この村の居場所はブルターニュ帝国から南西の場所にある。崖から落ちた後、かなり流されたようだ。オドリオのおっさんの船に引き上げられたのは奇跡だな。


ここからだど、数週間、数か月。森や山を越えていかないといけない。

でも足がある限り歩いて行けるんだ。


森を歩いて数日が過ぎた。道を歩いているとガサガサと茂みから音がして何かが飛び出してきた。


―バッ!!


その何かはオレの身体に覆いかぶさりオレはバランスを崩して後ろに倒れてしまった。


「いてて…な、なんだ…」


下を見ると、金色の頭がオレの胸の上に乗っていた。

長い髪がオレの手足に広がり、そこから白い手足が伸びでいた。

おなか辺りには何やら柔らかいものが…。


「お、おい、お前…大丈夫か?」


オレがそういうと、

声に気が付いたのか、体を起こしてまじまじと目が合った。


「いたた、何よあんた!」


「オレが聞きたいんだが……」


朱色の綺麗で大きな瞳。輝くような金の髪に、水をはじくような白い肌。そのどれもが美しいと言える美少女がいた。

そこに、その少女を追いかける様に盗賊の風貌をした男が3人走り抜けてきた。


「おい!あの女!!やっと見つけたぜ!!」


その中の一人の男が言う。

少女はオレの身体の上から退いて立ち上がり、盗賊の男らに言う。


「私の大事な物を盗んで置きながら、何よ!その言い草!返してよ!私のペンダント!」


「へっ!あれはボスのお気に入りになったんだ。それに、お前もな…!へっへっへ」


「ぐっ…信じられない下種な連中ね」


どうやら少女の持つ何か大事な物をこの盗賊たちが奪ったらしい、そしてその後この子が襲われそうになって逃げてきたところをオレが出くわしたというわけか。


「さぁ、ボスの元へ行くぞ!」


「近寄らないで!」


じりじりと詰めてくる盗賊たち。

オレも立ち上がり、少女の前に出る。


「なぁ、いい加減にしてくれないか?」


オレはしびれを切らして盗賊の男らに言う。

すると、オレの存在に気が付いたようにこちらに視線を向ける盗賊たち。


「あ??なんだおめぇ??」


「小さくて気が付かなっぜ、坊主?迷子か?」


盗賊たちがオレをなめた様な目で見て言う。


「関係ないやつは引っ込んでろよ!」


盗賊たちの一人がオレに殴りかかってくる。

それを簡単にスッと交わす。


「ッ!?なに、避けてんだよ!!」


スカされて苛立った男はさらに追撃をしてくる。

しかし、追放されたとはいえ円卓の騎士の一人だったオレが、ただの盗賊にやられるわけはない。こいつの動きは止まって見えた。

足を引っかけて倒す。顔を地面にぶつける男。


「うぐっ!…」


それを見ていた他の盗賊らは、剣を取り出してオレに向けてくる。


「お前!調子に乗りやがって!!」


「痛い目見たいようだな!」


「いてて、くそ!よくも!!」


3人は剣をオレに向ける。

少女はオレの背に隠れてこそっと話しかけてきた。


「…あんた強いの?」


「まぁ、その辺のやつよりかは」


「…大変なことに巻き込んじゃってごめん…」


「いいよ、別に…この程度」


そうだ。この程度のごたごた。何ともない。


「かかって来いよ…」


「威勢のいいのも今の内だ!!おらあああ!!」


オレは素早い動きで敵の攻撃を交わして掌から『幻影の鞘(ファントム・ストック)』でクラレントを取り出す。

身を屈めて剣を振るい、敵の武器を弾く。一人の男のみぞおちに剣の柄を当てて1撃。


「ぐえ!」


さらに、続けて体を回転させて剣の平らな部分をもう一人の男の顔に当てて1撃。


「べらぶっ!?」


そして最後に、敵の崩れた体制の所に右ストレートパンチを当てて1撃。


「がっ…はっ!!?」


時間にして数秒で片が付いた。男たちは気を失い失神していた。


「…ふう」


オレはクラレントを幻影で戻す。


「すごい…、あんた強いのね!!」


「え?」


そういう少女が一瞬、パルと重なった。

無言で見つめてしまう。


「…な、なによ?私の顔に何かついてる?」


「あ、いや…ご、ごめん。妹に似てて」


「ふーん、可愛い妹さんなのね」


「まぁ、そうだな。君に似て可愛いよ…」


「む…可愛いとか…いうな!」


怒らせてしまったか。プイっと顔を背ける。照れているのか、腕を後ろで組んでいる姿もパルを思い出す。

見た目から年齢はオレと同じくらいだとは思うが、どこか幼さが残るその姿はか可愛らしいとも思えた。


「…でも、助かったわ。私はレシアよ」


「オレはラウトだ、よろしく」


こうしてオレはレシアと出会った。

「面白かった!」


「ラウトたちの行く末が気になる、読みたい!」


と思いましたら下の☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

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[一言] すぐ唐突に女出す
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