対米開戦へのカウントダウン 二
とりあえずは早急にロナルド・レーガンが保有する問題を片っ端から解決することになった、それこそ重機などの開発なんぞしている場合ではない、本来であれば十二月ごろの攻撃の予定でいたのだ、いきなり三月といわれても準備が出来ていない、取りあえずすぐに思い浮かぶのですら航空機のGPS無しでの運用方法だ、今考えているのは航空機一機に対して誘導チームを一つ作り、航空機に指示を出す方法だ、これであれば空母のレーダーを使用して高度な連携が可能になる、しかしこれにもこれで問題があり、伝言ゲーム状態になるのだ、問題なく伝言できたとしても時間がかかるそれこそ五秒伝達が遅れるだけで、一キロメートルほどの差が出来てしまう、それらの解決をしない限り結局連携が取れなくなってしまう、そのような問題が山積みなため、どの乗組員も自分が持っている知識で役立てることができる方面での研究、開発を行ってる状況だった、、ぶっちゃけ言って過労死するやつが出ないか心配でもある、取りあえずは週間会議をして問題点を洗い出す
「とりあえずは週間会議を行う、各課報告をしてくれ」
「航空科では先週にも報告したGPSがない環境下での行動方法の問題があります」
やっぱりまだ解決されていないのか、まあこれはわかっていたことだ、次
「補給科ではこの時代での燃料の純度について調べましたが、艦艇では使用可能ですが、流石に航空機での使用は不可能です、発火点が本来では二百十度でないといけないのですが、二百十度での発火は不確実です、二百五十度程度でないとエンジンの始動に影響があります」
これは新たに上がってきた問題だ、一応二十年分のジェット燃料は横須賀の倉庫に保管されているが、これでは艦隊に燃料がなくなった場合行動不能になる、これは早いうちに問題解決をしないといけない
「これらに対しての問題解決方法は、エンジンをあっためておくことです、本来スーパーホーネットのエンジンは氷点下時にも始動可能に設計してあります、ゆえに真夏の日本であれば始動は可能です、しかし冬場は特に始動が難しいでしょう」
それであればまだ後回しにしても問題ないだろう、開戦は三月なので二か月は少なくとも補給艦だけで充分行動可能だ、そうすれば五月になるのでそのままでも始動できるだろう
「航海科では他艦隊との合同航行時に速力の違いがありすぎる問題があります、こちらの巡航速度は二十二ノットですが他艦隊はおおむね十七ノット程度です、こちらの速度を落とす方法はありますがそれでも遅すぎます」
まあこれはどうこうなる問題でもない、しかし、そのままの運用ではこちらの航続距離が下がりすぎてしまう、これを許容するかの問題である
「衛生科では医療物資の現地調達が困難です、倉庫の物も使用期限があるのでそうずっとは使用できません、なので使用期限が切れるとこの時代の医療レベルにプラスアルファ程度の医療しか提供できなくなります」
これも対策しないといけないだろう、欲を言えばキリがないがそれでも空いた時間などで積極的に製薬方法などを発明する方法がある、その他の問題はゼロ戦などの着艦では甲板のワイヤーを撤去しないといけない、それにロナルド・レーガンの甲板は着陸のアプローチが斜めなのも問題だろう
「とりあえず今はジェット燃料の調達、またはエンジンの改良が最優先だろう、それと航空機の連携は今まで通り解決策を検討してくれ、航海科の問題はどうしようもないから当面はこちらが速力を落とす方法で対応だろう、衛生科は薬剤研究を順次始めてくれ、その他問題は手の空いてるもので行う、異論はないか?」
俺は一気に各科への指示を出す、普段の週間会議でも同じ方法で行っている
「航空科から意見具申します、GPSがない環境下での連携方法は早期に解決しなければならない問題です、燃料問題の方は貯蓄燃料を使用することで当面は問題ありません、ゆえに補給科の問題は優先度を落とし、その分こちらに人数を割り当てたほうがいいように思います」
「こう言っているが補給科の方はどう思う」
「我々としては、補給問題も十分死活問題ではあると思いますが、これからは夏になるので当面はそのままでもエンジンの始動に問題はないでしょう、そちらが早急に解決しなければならない問題であるならば、そちらに人員を回すことには賛成です、しかし一定数の人数は残し研究を進めていかないと拉致があきません、こちらとしては三分の二の人員をお貸しするのが精いっぱいでしょう、そもそもその程度の人数いれば通信系の改造には十分です」
まあここが落としどころか、燃料問題も十分に死活問題ではある
「では航空科は補給科の意見に対して何かあるか?」
「何もありません」
「では大まかにはこの通りにするとして細かい話を詰めよう」
そうして細かいことを色々と決めて艦隊としての一週間の行動方針が決まった、