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二度目の人生も船上で  作者: キツー
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規格外の艦隊能力

 三日間物資の積み込みなどを行い、交代で乗組員が休息をとった、そしてついに約束の三日後となり、ロナルド・レーガンに五十六や参謀官たちが乗り込んできた、一人はメモ帳を片手に日記がどうこうと話していた、あれが宇垣参謀だろう、さっそく乗り込んできた五十六とあいさつを交わし出港することにした、

「両舷前進びそーく」

 航海長の復唱とともに艦隊が動き出した、訓練海域までは三時間ほどだ、横須賀に向かうときは一直線に航行したため、この船の機動力を実際に見てはいなかった、丁度五十六もいるため、全速に入れた状態で目一杯舵を切るなどの航行をしながら向かった、それにしてもだ、大和よりもさらに大きいこの巨体は三十ノットが出ている、まずその時点で五十六たちは驚いていた、しかしずっと全速で蛇行しているわけでもなく、海域に着くまではこの先どうなっていくかの話をしていた

「ちなみに山本司令がいた世界での日本はこの先どうなっていた」

「康太でいいですよ、お互い山本なので分かりにくいでしょう、それで私がいた世界の日本では、千九百四十一年の十二月八日に真珠湾に航空戦力で攻撃します」

 すると五十六はやはりかと呟いた

「それで、真珠湾攻撃はどうなった」

 五十六は藁にもすがるように聞いてきた

「この攻撃事態は成功しましたよ、まあ日本の喜劇の幕開けになる攻撃になりましたけど」

 そうしてその後にミッドウェー海戦、ガダルカナル海戦などを話した、千九百四十三年の四月に一攻に乗っているところを撃墜されて五十六が死亡することは話すか迷ったほどだが、本人は本当に自分のことを聞いているのかというほど全くもって態度が変わらなかった、むしろ後ろの参謀官たちのほうがざわついたほどだった

「戦闘訓練海域に到達しました」

不意に航海科の船員が作戦指揮所に来るなり報告してきた

一つ一つ質問されては答えてを繰り返していたから思った以上に時間がたっていたらしい、もたもたしていても時間の無駄なのでさっそく発艦させていく、なお参考のためにとゼロ戦パイロットの岩本徹三も一緒に乗艦していたが、彼も驚いていた、まあ流石に声に出してはいなかったが

「これは凄い上昇速度だ、それに聞いたこともないエンジン音、これが先日話していたジェットエンジンというものか、すさまじい出力だな」

 そうつぶやいたのは源田参謀だった、まあ彼は確かのちに航空部員の参謀に就任するはずだ、彼が連合艦隊司令では一番航空戦力について知っているのだろう、

「ゼロ戦パイロットとしてはどう見る、岩本少尉」

「は、本官としてはこの戦闘機はゼロ戦と比べても格が違いすぎます、格闘戦ではどうあがいても撃墜できません、もはや数をぶつけて弾幕を張れば運よく撃墜できるかどうかというほどに思われます」

 やはりいかにスーパーホーネットが規格外かということだ、そもそも格闘戦の前にミサイルで落としてしまうのが速い、そうなるといよいよアウトレンジからの攻撃だ、もはや撃墜ではなく、虐殺になるだろう。

そしてその他の装備も一式見学した後夕暮れごろに横須賀に戻ってきた

「今日も今日とて色々と面白いものをしみてもらえたよ、軍令部には話を通してある、我々の連合艦隊に名を連ねてくれないか」

 これはこちらとっても願っていた話であった、いくら神様が物資を用意してくれたといってもそこに乗員の食料がなかったのだ、ゆえにいくつか条件を出す

「それは我々も願ってもないことですが、いくつか条件があります」

 五十六は値踏みするような目で俺を見てきた、まあこちらからよっぽどの無理難題を吹っ掛けない限り、断らないだろうという算段がある、だから気が楽だった

「まず一つ目に、我々の分の食料ですね、それがないといくら我々でも戦闘続行不可能になります」

 まあそれは五十六もわかっているのだろう、二つ返事で答えてくれた

「そして二つ目に、我々の艦隊のために港を一つ用意して下さい、我々の装備は特殊です、専用のドックなどがいります」

 それも五十六は考えるそぶりを見せたが頷いてくれた、どうやら五十六は軍令部に対して何か無理を押し通したようだ、流石に実際の戦力も見ていないのに港を一つ用意するなどそうそうできることではない、

「そして三つ目は人事に口出ししないでください」

 まあこれもわかっていたのだろう、すぐに頷く、しかしこの次の条件が大変だ、さすがに通るかわからない、まあなんとしても押し通す気だが、

「そして四つ目なのですが、我々に自由行動の権限をください」

 流石にこれは五十六も頷いてはくれなかった、まあ普通に考えてそんなことをしたら港にこもりかねない、そしたらわざわざ入れる意味がなくなる、だから頷けないのだろう、

「それは残念ながら頷きかねる、せめてどの海域のどの艦隊を攻撃するかという指令を受けてほしい」

 五十六はそこを妥協点として出してきた、まあ俺もそこが妥協点だと考えていただけに率直に頷くことになった、

「了解しました、ではそのように契約書を書かせていただきます」

そうして後日、軍令部にて詳細な話をして契約を成立させた。


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