大学時代、流れで作った友人達~ゴミ箱、泥沼~
いきなり何をと思われるかもしれないが、私は童貞である。
そして今回ご紹介する大学時代の友人二名はどちらも非童貞である。
だから何だ。
ともあれ今日は午前中に連載小説の一話分を投稿してしまい休日の午後を虚無に彩られながら過ごしそうになっているため、少しでも何かしら活動するためだけに今回筆を執った次第だ。
それでは魔法使いになれなくなってしまった連中の紹介に入っていこう。
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一人目はゴミ箱。
色々と人間としてアウトなエピソードが多く、以前紹介した串カツがパソコンのゴミ箱の名前を彼の実名に書き換えていたことからこのように呼ばせてもらう。実際仲間内での扱いもそんなもんで一貫している人物だった。
彼は大学生にして「俺には女子中学生の彼女がいる」と豪語しているクズであった。
読者の皆さん、当方は事実確認をしていないので通報はお待ちいただきたい。なんか本当っぽかったが。
まあ「大学生の彼氏がいる」という称号欲しさに付き合ってしまう(頭が)哀れな少女も世の中にはいるのだろう。もしかしたら私が知らないだけでゴミ箱の良い部分を知っていたのかもしれない。後に別れたらしいので後に悪い部分も知ったのだろう、きっと。
そしてそんな彼女がいる一方で、酒の勢いに任せてゼミにいた美人の先輩に下ネタも交えつつ言い寄るなど彼のクズムーブは止まらなかった。因みにその場で軽くあしらわれながらフラれていた。
段々書いていてあまりの酷さに「こいつ別に友達じゃねえな」と私自身も思い始めてきた。
ともあれそのような正真正銘のクズである彼だが、それ以外の顔を見せた事もあった。
先に言っておくと「へえ、そんな一面もあったんだ。見直した!」となるような微笑ましい話ではない。
彼が私に「こんなソシャゲがあるんだぜ!」と言いながらスマートフォンの画面を見せてきた事がある。
そこには端末を揺らすとそれに合わせて豊満な乳房が揺れる美少女イラストがあった。正直それがどんなゲームだったかは憶えていない。
それをわざわざ私に見せてきて「な、な! エロいよな!」と謎の同調を求めてきた彼に、私は言った。
「お前もう大学生なんだから普通にちゃんとエロいソシャゲやればいいだろ」
「いやああいうのはちょっと怖いじゃん」
意味がわからない。
「え、なんで?」
「なんか、登録とかしたら金取られそうだし……」
女子中学生と交際している男子大学生のメンタルは男子中学生のそれであった。
そういう一面をたまに見せてくるため、単なるクズであると同時に「でもコイツ中身は中学生だししゃあねえのかな」という空気を生んでいたのだ。多分それで存在を許されていた部分もある。
今、彼がどこで何をしているのかは知らない。風の噂すら届かないのでもしかするともう他の県にまで行ってしまったのかもしれない。
ただ「きっと今もどこかで中学生みたいな思考回路でクズみたいな行動をしているんだろうなあ」という確信があるのみだ。
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二人目は泥沼。
高校時代に昼ドラでもやらないような泥沼めいた人間関係を構築していたらしく、大学に来て少しは変わったかと思いきや肉体関係を持った異性の先輩に騙されて針の筵に叩き落とされた悲劇の主人公である。
因みに彼も彼で生粋のロリコンという業を背負っていた。
まあそれはどうでもいいので割愛する。
実はこの泥沼、成績が優秀な割に肝心なところで単位を逃すというこれまた厄介な性分を持っている。私なんぞでは憶えきれないような情報を頭脳に収めている一方で、私ですら取れる必修科目の単位を逃してしまったりしているものだから多分もう運が悪い。
ともあれその運の悪さを根性で跳ね返してきた男として、何だかんだ普通に一緒に卒業できた。
今でも定期的に遊ぶ機会がある彼は今、ロリコンのくせに児童の面倒を見るタイプの施設で働いているらしい。大丈夫かと心配したりもするが本人曰く「いや三次元のロリは小動物みたいなもので欲情しなくなったから、最近は」だそうだ。
そっかぁ、とだけ返しておいた。大丈夫だ。彼は事件を起こしていない。信じよう。
そんな彼だが私やその他の友人連中が揃ってそうであるように、SNSなどで既読スルーしたりメールに返信しなかったりを当たり前の挙動としている人物だ。
要するに「メール返信しないと『大丈夫?』とか送ってくるやつめんどくせぇ」というダメ人間の類である。自分もそうだからあまり強く言えないが、本当にこんなんに児童の面倒を見させて大丈夫だろうか。別の角度から心配になってきた。
しかし最近になって、泥沼は普通に他人とSNS越しに会話するようになったという。
「幼女限定で?」
「いや、最近ちょっと大変そうな奴がいてさ」
「へえ。誰だそいつ」
「景品だよ、景品」
景品とは今このエッセイ内において私が作った仮の名前であり、実際に景品というあだ名で呼ばれているわけではない。
この景品という男、以前紹介した友人の一人である手塚から聞いた話では「初対面の女子全員にゲーセンの景品であるぬいぐるみをプレゼントしようとしたところ気味悪がられて避けられるようになった」という伝説を残した男なのだそうだ。なのでそのエピソードに合わせて景品と呼ばせてもらっている。
余談だが景品はその後どの女子にも受け取りを拒否されたと見るや、今度は男子にいらなくなったぬいぐるみを押し付け気味に渡そうとしてきたらしい。当然その露骨且つ気持ち悪過ぎる態度に嫌悪感を抱いた男子一同にも受け取り拒否されて、結局自分で全て持ち帰ったという。
そしてその景品、今はとあるブラック企業で働いている。業界は割と広いようでいて狭いのでここでは言及しない。
「金がない時間がないってひっきりなしにさ。すげーよアイツ」
私の友人という時点で泥沼もそれなり性格がよろしくない。他人の不幸を半笑いでスルーしていた。まあアピールする側の鬱陶しさとそこから滲み出るある程度の余裕もそうさせる要因になっていたのだろう。
「企業に文句ばっか言ってるみたいだけど、だったら別の会社探すか起業すりゃいいのに」
私も今は何ら不満のない仕事に就いて、裕福とはとても言えないものの精神的には安寧に満ちた生活をしている。なので彼の言い分には同意見であった。
ただ大して面白くもない不幸自慢をしてくる相手のためにメッセージの返信をしてやる辺り、優しいというよりもどこかズレている。そんなズレにも共感を抱く。
割と彼とは良好な友人関係を築けているので、今後もこんな風に話せていければと思った。
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大学で作った友人の話は今回で二度目になる。とりあえず駄文とはいえ文字を打ち込み続けたことで何となく充実した休日になったような錯覚を得たので、これを投稿したら適当にジャンクフードでも買ってこよう。
いつかはここで名前だけ出した景品の紹介もできればと思うが、どうなるかわからない。正直彼に関して言えばそこまで際立って面白い話もないのだ。
あと許可が取れれば泥沼の泥沼エピソードも書いていくつもりだ。まず書く気になるかならないかといったところで引っかかるので、本当に書くと保障できるものではない。
では、そろそろ筆を一旦置こう。
これを最後まで読んでくださった皆さんも、友人は大切にしてほしい。ああ何だかキレイな終わり方ができた気がする。上等だ、私なんぞにしては上等な〆だ。