第六話
今回は説明回となってしまいました…。なので今日は連続投稿します!
本日は0時にも第五話を投稿しておりますので、まだの人はそちらもどうぞ。
異世界生活二日目。
やはり劣等竜の図体には慣れず、寝床選びに手惑い起きた今は体中が痛い。
きっと寝方が悪かったのだろう。
俺は寝床である大樹から地上にゆっくりと降りる。
俺は自分が寝ていた大樹を地上から見上げる。
微かに発光しているように見えるそれは神々しさかえ感じさせる。
やはり大樹と言うだけはあり、他の樹木と比べると頭一つ抜けて背が高い。
俺は神々しい大樹に「良いことがありますように」と祈り、ノッシノッシと歩き始めた。
俺があの大樹を選んだのには幾つか理由がある。
その内の一つは『外敵から逃げるため』である。
異世界では俺の様な竜などの翼を持ち、飛行する生物もいるのだろうが俺は、「翼を持っていて脅威となる生物は少ないだろう」と考えた。
最弱とは言え誇りある(?)竜種なのだ、そうそうそこらの魔物なんぞにやられてたまるか。
そしてもう一つ、大樹の上を寝床に選んだのは『水場が近かったから』。
どこの世界でも水は絶対に生きる上で必要不可欠な存在、寧ろ水を必要としない生物は少ないだろう。
俺はあの大樹から少し離れた川に頭を下げて水を飲む。
美味しいかどうかを訊ねられたら「わからない」と返すだろうが、きっとこの水は美味しいのだろう。
水を飲み終え川から頭を打した俺は、犬の様にブルブルと頭を振るい水を払う。
◼︎
寝床に戻った俺は技能を増やす方法を模索していた。
そもそも技能があるのと無いのではどの様な違いが生じるのか、それが一番の問題だ。
「あの時技能を習得していれば」となることだけは避けたい。
折角手にした二度目の命、早々散らしてたまるものか。
俺は心中でステータスと唱える。
▽
レックス 劣等竜 LV1
筋力:120
耐性:130
魔力:0
咆哮、威圧
▽
ステータス値に変わりは無い。
やはりRPGの様に敵を倒して経験値を積まないとレベルはおろか、能力値は変動しない。
尤も、経験値は『歩く』や『水を飲む』などと言った行動では積むことは出来ない。
『敵を倒す』
それが一番効率の良い経験値の積み方だろう。
技能に関してはレベルが上がらなくとも増えるようで、俺は優先的にこちらを増やそうと考えている。
「グア」
(よし、それじゃあ技能を増やす修行を始めるか)
俺は再び大樹から降りた。