プロローグ
「獲物をみつけた」
俺が見つけたのは『パルム』っと呼ばれる猪みたいな魔物だ。
基本は動き回り、獲物を見つけては突進する、厄介で危険な魔物であるが、飯には持ってこいの獲物だ。
「プリエは左から、パウアは右から奴を狙え! 一発で仕留めるぞ」
「わかりました」
「右は任せな! プリエこないだみたいにしくじるなよ」
「それは言わないでくださいよ……」
パウアがプリエを茶化しながら右へと展開していく……。
「まあ気楽にいけ、しくじってもフォローしてやる」
「今日は大丈夫ですよ……たぶん」
頼りない返事と共に、プリエは左へと展開していく……。
それぞれが配置についたのを確認し、パルムを見る。
パルムには珍しく、その場から動かず、何かに夢中になっているみたいだ。
「これは、格好の的だな」
そう呟きながら、二人に合図を送り、弓を構えた。
標的との距離はそれほど離れておらず、最悪プリエがしくじっても倒しきれるだろう。
矢を引く手に、力を入れ……放つ!
他の二人もほぼ同時に矢を放ち三本の矢はパルムに命中した。
「やった」
プリエが、はしゃぎながら顔を出した。
パルムも、矢が当たるとそのまま動かなくなっていた。
「さすがに、あんな棒立ちのパルムなら、プリエでも当てれるわな」
「あのパルムは、何であんなに無防備だったのでしょう?」
プリエはパウアの言葉を無視し、疑問を口にした。
「確かに珍しいな、あんなパルムは……」
「飯に夢中だったんじゃないか? きっと」
少し疑問はあるが、とにかく夜飯は確保できたわけだ。
さっさと村に運んで、休みたいものだな。
「プリエ、パウア、とにかくパルムを村まで運ぶぞ」
「そうですね」
「今日はいい肉が食べれるぜ」
俺達はパルムに近づいていく……。
なぜあのパルムがあんなにも警戒心がなく、棒立ちになっていたのか、それが気になっていた。
しかし、その疑問の答えはすぐにわかった。
「こりゃ……やばいぞ!」
パルムの横に居たのは、血だらけの男だった。
俺はすぐに男の息を確かめた。
弱々しくだが、息はまだある、まだ助けられる。
「パウア!急ぎこの男を村へ」
「任せな!」
パウアは男を抱き抱え村へと向かった。
「プリエ!村長のところにこの事を知らせ、手当てをしてもらえ」
「わかりました!」
パルムはこれに夢中だったのか…。
あとすこしでも遅ければパルムのお腹の中だったってことか。
ゾッとする気持ちの中、俺はパルムを抱え村へと急いだ。




