プロローグ①
こちらの作品は更新遅めです。
基本作者が話を思いついた時だけ更新させていただきます。
よろしくお願いします。
俺の名前は『冴内 丈』20歳の高卒フリーターだ。
実は俺は生まれた時からとことんツイていない。
たとえば、生まれてすぐ産婦人科のミスで取り間違えられて発覚する2か月間 赤の他人の赤ちゃんとして過ごしたのをかわきりに1歳の誕生日は原因不明の高熱で死にかけICUで管だらけで過ごした。
感染防止着を身にまとった両親が 誕生日ケーキをもった非常にシュールで笑えない写真が実家に未だに飾られている。
その後もはじめてつかまり立ちした瞬間 つかまったテーブルの脚が折れ顔面を強打したり
初めて歩いた瞬間、バランスを崩し タタタタ と前のめりに歩き柱の角に小指を思いっきりぶつけ骨折したり幼少期だけでも語りつくせないツイてなさをいかんなく発揮した。
当然、小・中・高と 入学式と卒業式はもちろん 修学旅行に運動会、はてには文化祭等にもなんだかんだと無事に参加したことがない。
修学旅行は毎回病気やケガにより参加すらできなかったので俺の学生時代のクラスメイトとの集合写真は俺の姿だけ写真の空いてるスペースに無理やり後付けで貼られたものばかりである。
高校入試はさすがに両親がツイてない俺のためにタクシーを用意してくれたが玉突き事故に巻き込まれ
左足首の骨折により救急車により入試どころか入院をし浪人生活を1年余儀なくされ翌年試験会場付近のホテルに両親と宿泊したがなんだかんだとトラブルに見舞われギリギリ間に合いギリギリ合格した
大学受験は盲腸になり受けれず諦めた両親は 来年がんばればいい と言ってくれたが長年の負の連鎖により俺の心は折れてしまい夢のキャンバスライフを諦めた。
そこで俺は就職活動を始めるがこれも面接に向かう途中、駅で電車待っていると到着した電車から降りてきた女性に痴漢と間違えられ警察立ち合いの元、防犯カメラで俺が駅で電車を待っていたと証明されたころにはとっくに面接時間が過ぎていたり、無事に板前見習いとして住み込みが決まったと思ったら引っ越し前日に火災により店が消失して取り消しになったりと結局、自力での就職ができず父親の紹介で地元のスーパーの棚卸のバイトにありつけた。
そして初出勤日、俺は今までの経験から絶対無事にたどり着けないと思っていたので4時間前から歩いて職場のスーパーへ向かった。
するとなんの間違いなのか、何事もなくあっさり無事に到着し業務開始までの約3時間半の時間をひたすらスマホのゲームでつぶし業務時間になり新人として一緒に作業をする田中さん(♀35歳独身)へ挨拶を済ませ、せっせと一生懸命仕事をした。
初日ということで昼の2時業務が終了し俺はなにも起こらない日がこんなにも素晴らしいのかと思いつつも、まだ何かあるんじゃないか?と不安にも思いつつ一応周りを注意深く見ながら慎重に家路を歩いていると、コロッケがおいしいお肉屋さんの前で談笑してる3名のマダムの1人の後ろから スー っとベビーカーが動き出した・・・・・寄りにも寄って車道側に・・・・。
それを見た俺は気づいたらベビーカーに向かって全速力で走っていた。
カタンとベビーカーが歩道を下りて車道側に飛び出したとき プーーー とクラクションを鳴らした
トラックがベビーカーに迫っていた。
クラクションの音と キィーーー というブレーキの音に驚いたマダムたちが音が鳴った車道をみると
そこに見慣れたベビーカーを発見し母親だと思われるマダムがベビーカーに向かって
「かなちゃん!!!」
と叫んだ。
俺はそんなマダムたちを横目でチラッとみてベビーカーに視線を戻しヘッドスライディングのように思いっきりベビーカーに両手を限界まで伸ばし頭から突っ込んだ。
なんとかトラックと衝突する前にベビーカーを押すことができた。
ベビーカーは ガタガタと小刻みに揺れ倒れそうになりながらも無事反対車線を抜け向こう側の歩道まで進んだ。
急にベビーカーを押されて驚いたのか 赤ちゃんの泣き声が一瞬聞こえたが赤ちゃんが無事だったことに
ホッと安堵の息を漏らした瞬間、俺はトラックに跳ねられた。