城で迎えた朝
朝、部屋に差し込む朝日で目覚めた。昨夜は疲れてクタクタですぐに眠りについてしまった。ベッドが高級でふかふかなせいで安眠できたというのもあるが。
ベッドから身を起こすとクローゼットにドレスが1着掛けてある。ハンガーにはメモ書きがあり、
起きたらこのドレスに着替えて下さい
と、女性の手書きでメモが残されていた。
「(なんて立派な生地……)」
シャルロットはそのドレスに着替えてみる。王族が着ていそうなシルクでできたドレス。胸元と裾には細やかな刺繍が施されている。
「わぁ……こんなドレス着たの初めて」
思わず鏡越しの自分にうっとりしていると部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「はい!今開けます」
急いでドアを開けると昨日のメイドがいた。
「おはようございます、シャルロット様。昨夜は良くお休みになられましたか?」
朝の爽やかな笑顔で微笑む。昨日、夜遅くだったにも関わらず疲れなんて感じさせない出で立ちだ。
「はい!昨日はいろいろとありがとうございました」
「いいえ、これが私の仕事ですから。シャルロット様、ご朝食をお持ち致しました」
テーブルに豪華な食卓が並ぶ。
少量ずつだが、たくさんの品数があってシャルロットは急に食欲が増してきた。
「すごい……!城では毎日こんなに素敵な朝食がでるのね」
シャルロットは出された朝食を残さず完食する。そしてしばらくするとメイドがまた部屋に訪れた。
「シャルロット様、身支度のお手伝いに参りました」
「え?もう着替え終わってますけど……?」
疑問に思ってメイドに視線を向けると小さめの木箱を持っていた。その木箱を開けてシャルロットに見せる。
「これから少し着飾っていただきますわ。私、1番得意な分野ですので腕に自信はあります。……さあ、イスにお座り下さい!」
「えぇ!?ちょっと……!」
半強制的にイスに座らされる。すると数名のメイドたちも続々とやって来て、髪やら化粧やらどんどんメイクアップし始めた。
「あの……一体どうしてこんなことに……?」
されるがままの状態で呟く。
「そうだ、まだ言っておりませんでした。この後シャルロット様は王家の皆様方にお会いになる予定でございます」
「そ、そういう事は早く言って下さい!……というかどうしてこんな大事になってるんですか!」
増々疑問が深まり、ややパニック状態になる。
「私たちにも詳しくは……。ただシャルロット様を交えてお話ししたいことがあるようです」
「話って……何を話すことがあるの……?」
疑問でしかなかった。何があってタイクーンの王族に会って話をするのか。
正直もう気持ちも落ち着き、ノエルにお礼を言って家に帰ろうと思っていたのだ。しかし国王じきじき話があるとなれば断る訳にもいかない。
予想できない話の内容に緊張しながら、窓から空を見上げた。




