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忘れられた姫の冒険  作者: こと
第2章 リディネイラ王国
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さらわれたお姫様

大変お待たせしました!!

4人はリディネイラ王都を目指し足を進める。今朝の出来事は無かったかのようにシャルロットとノエルは普通に接している。しかしシャルロットはまだ胸の鼓動がおさまらないでいた。


道中また敵に襲われないようにシャルロットはフード付きのマントを羽織って、3人に隠されるようにしている。その内にどうにか心を静めようと深呼吸しながら歩いていた。



しばらくすると気持ちも落ち着いて、ようやく顔を上げて空を見つめる。日も高くなり、太陽の眩しさに目を細めるが、あまりにも天気の良い空の明るさに自然と笑みがこぼれた。


「ねえ、前見て歩かないと転ぶよ」

後ろにいたデュークが少し棒読み加減で話す。

「えへへ……ごめんなさい」

太陽の光に気持ちも明るくなり、ようやく前を見て足取りを進めることが出来たのだった。






そして特に敵の動きがある訳でもなく、ひたすら王都までの道のりを進む日が何日も続いた。

シャルロットは毎晩皆が寝静まった頃に起き出しては弓の練習をしている、。たまにノエルたちの練習に混ざっては敵の攻撃のかわし方を教わったりして、シャルロットなりに3人に追いつこうと努力していた。







そんな日々が続いていたある日、森の中を歩いていた時にシャルロットはあるものに目が止まる。


「(丁度いい距離。……いけるかな)」


目の前の木に1羽の鳥がとまっている。練習していた木の距離と大体同じだと感じて、弓を取り出して矢を構え、狙いを定めて放つ。




シュパッ……!





「やった……!」


矢は見事鳥に命中した。矢が刺さる音が聞こえたノエルたちは驚きと喜びの眼差しでシャルロットを見つめた。


「随分上達したね」

「まあひ弱なお姫様よりはいいんじゃない?」

デュークとジョシュアは賞賛の笑みを浮かべる。


「ありがとう。この調子なら敵に襲われても少しは対抗できるよね?」


チラッとノエルの方を見つめる。

目が合うとノエルは少し心配そうな笑顔で微笑み返した。


その笑顔はあまり快く思っていないような表情だとシャルロットは思った。せっかくうまくなったのに、ノエルはシャルロットに武器を扱ってほしくないと言わんばかりの反応だった。


「(こんなものじゃだめね……)」


まだノエルに認められないと理解したシャルロットもっともっと弓の訓練をしようと心に決め、弓を下ろす。




「じゃあ、あの鳥捕まえてくるわ。……命を無駄にはしちゃいけないものね」


シャルロットは今まで平気で動物の肉を食べていたのに、命を奪う事に今まで目を背けていた。

ましてや動物の気持ちを理解出来るので自ら命を奪う行為をするなんて考えられなかったのだ。

しかし、マルゼーラでのデュークの言葉に心を動かされた。シャルロットの意識は着実に現実を見る目を持っていた。




「……確かこの辺に落ちたはずなんだけど」

辺りをウロウロと見回してもそれらしきものは見つからない。もう少し奥の方に落ちたのかと足を進めるとやっと鳥の姿を見つけることが出来た。


「結構遠くに落ちちゃったみたいね」

シャルロットは落ちた鳥に手を伸ばそうとするとスルッと1歩分奥へ逃げる。

「あれ?しっかり仕留めたはずなんだけど……」

まだ生きているのかと不思議に思っていると、鳥はどんどん道の先へ逃げて行く。

「あ!こら逃げるな〜!」

スピードを上げて逃げて行く鳥を駆け足で追いかける。しばらくするとようやく鳥の動きが止まり、その隙を見計らってゆっくりと鳥に近づく。


「……?これは……?」


シャルロットは鳥の足に付いている縄に疑問をもった。よく見ると鳥は生きていたのではなくて、縄で引きずられていたのだ。誰がこんな事をしたのかと思っていると、背後に影がさす。


「だ、誰!?」


勢い良く振り返ると一瞬の内に口を覆われ、身動きが取れなくなる。




「へっへ……うまくいったぜ」

「んん゛〜!!」

必死に体を動かすが、相手の手の平には睡眠薬が塗ってあり、それを思いっきり吸い込んだシャルロットは段々意識が朦朧としてくる。




「ノ……ノエ……ル……」




小さく名前を呟くと、そこで意識は途切れた。









「遅いな、シャルロット」

「何してるんだか」

戻りが遅いシャルロットにノエルとデュークは道の先を見つめる。

「もしかしてまた鳥を見つけて捕まえてたりして。そしたら今夜は鳥パーティーだね!」

ジョシュアは1人ウキウキと心弾ませる。


「にしても遅すぎだな。少し見てくる」

戻らないシャルロットを案じてノエルはシャルロットが向かった道へ走っていった。





「どこまで行ったんだ……?」



この道は真っ直ぐ大きな道があるだけなので脇道はない。だが、進めど進めど姿は見つからない。




しかし代わりに見つけたのはシャルロットではなく、矢が刺さった鳥。それを見た瞬間嫌な汗が吹き出てきた。


「まずい……!おい、デューク!ジョシュア!シャルロットが……!」

ノエルの大声を聞いた2人は急いでノエルの元へ向かう。



「これは……!」


鳥の姿しか残されていない現場に2人もただならぬ状況だと理解した。



「何者かにさらわれたみたいだな」

「でもまだそんなに遠くにいないはず。手分けして探そう」

3人はバラバラに森の中へ入り、シャルロットの捜索にあたるのだった。

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