0話 え、ショボいとか言わないで!?
初投稿です。
下手くそですがよろしくお願いします。
その日は雨が降っていた。
バケツをひっくり返したように...というと少し過度な表現かもしてない。しかしそれに準じるくらいの大雨だった。
私は紺色の傘を指して雨の中を足取り軽く移動していた。左手には買ったばかりのゲームソフト。もう逸る気持ちでいっぱいだった。
明日は土曜日。祝日も含めてまる3日。3日間ゲームをやりつづけて...
ふと私にライトが当たっていることに気づいた。あれ?何て思いながら見るとトラックがこっちに向かってきていた。
は?え、ちょ...?
一瞬の停止。
すぐに逃げないとと頭が動く。足は動かない。
動けぇ!死んだらゲームがぁ!
どこまでゲーム脳なのか、ゲームが頭をよぎった瞬間足が自由になる。
走る。トラックがすぐそこに迫っていたが一縷の望みをかけて走った。
居眠り運転か何かなのだろう。一切の減速をすることなくトラックは走り、逃げた私のほうに突っ込んできた。
はぁっ?!
咄嗟に前方に飛んだ。体を衝撃が襲った。
視界がぐるぐると代わり、明滅を繰り返す。
体の全てがカッと燃えるように熱く、手足の先だけが急速に冷えていく。
あー...これは死んだな...
理解と共に諦めが広がる。
どうせならゲームしてから死にたかったなー...
剣と魔法の世界での冒険。ずっと待ち続けてようやく発売されたゲーム。すごく楽しみにしてたのに...
くそぅ...げーむ...
...あ、家族は悲しむだろうか...
ごめん、しんじゃうわ...ばい、ば...
そこで思考は途切れた。
私は死んだ。
これからも頑張っていけるように頑張ります。