表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

愛ちゃんの悩み

あの悩み、解決できるかな?

作者: 伊藤 深雪

これ、大丈夫ですかね?

きっと大丈夫ですよね、このくらい。

 やほやほー、(まな)ちゃんだよー。


 解決法を考えてみたから聞いてほしいんだ。


 問題だったのは愛梨(まなり)が性別を偽ってるのに女の子の友達と温泉に入らなきゃならないってこと。


 温泉なんて性別を誤魔化せるところじゃないもんね。

 男が女って言い張るなんて、絶対許されないところでしょ。


 でもさ、女の子だよって偽る場合には使える、もっともらしい逃げ道があることに気がついたんだよ!


 前世こそ女子だったものの、今は男なものだからすっかり忘れてた。

 女の子には、女の子の日ってものがあるんだよね。

 あの忌々しいとすら思えるやっかいな日々がさ。


 ちょうどその日が来ちゃったよ、って言えば温泉だけ回避できるんじゃないかな?


 どう?

 愛梨、頭よくない? 天才でしょ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 私たちの可愛い可愛い友達、愛梨のことだけど。


 最近ようやく悩みが解決できたみたい。


 伏し目がちだった目もしっかり前を見るようになったし、ため息もつかなくなった。

 当然バレバレな嘘もつかなくなった。


 結局何に悩んでたのかは教えてくれなかったし、力になれなかったのは残念だけど、愛梨の顔がくもらなくなったことが一番大切なことだと思う。


「ねえ、あのね」


 あれ? どうしたんだろう?

 愛梨が気まずそうにするようなこと、何かあったかな?


 あ、あれかな。

 この間悩みすぎてお腹が痛くなっちゃったときの授業のノートを見せてほしい、ってやつ。


 そう言えばそのあとぐらいからだったかな。

 愛梨の悩みが解決できて元気になったのは。


「この間の現代文のノート?」

「え? あ、うん、そうなの。

 ごめんね、借りてもいい?」

「もちろんだよ」

「あ、ありがとう」


 よかった。愛梨は純粋に笑ってるのが一番可愛いから。

 でも変だな、またため息ついてるみたい。



「あの、あのね」

「あ、現代文のノート?」

「あ、うん。ありがとう!

 それで、あのね」

「うん? どうしたの?」


 またしばらく愛梨はため息をつくようになってたけど、それと関係あるのかな?

 今度こそ何に悩んでるのか聞いて力になれるといいんだけど。


「今度行く旅行なんだけどね、どんな部屋に泊まるのかなあって思って」

「ああ、そうだ! もう予約入れたんだよ」

「えっ、そうなの? ど、どんな部屋?」

「豪華だよー。温泉も大きいけど、部屋にもお風呂がついてるの! これなら愛梨も安心でしょ?」

「うん! よかった! ありがとう!」

「うん、どういたしまして」


 よかった、こんなに可愛い子が一人で男湯なんて心配だもんね。

 愛梨はそれを心配してたのか。


 今度は力になれてよかった、よかった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ふー、よかった。

 もう予約入れてあるって聞いたときは部屋にお風呂がついてなかったらどうしようかと思った。


 だって温泉しかなかったら結局別々にお風呂に入るなんてできないもんね。

 女の子の日っていってもシャワーだけ浴びればいいのであって時間をずらす理由にはできないから。


 これで悩みは解決だね。

 春香の言う通り、これで安心だ。


 ん? ちょっと待って。

 なんかおかしい気がする。


『温泉も大きいけど、部屋にもお風呂がついてるの! これなら愛梨も安心でしょ?』


 春香はなんでこう言ったの......?

おひさしぶりです。

ティーの方が投稿できていないので、前にかなり適当に書いた短編の続編を書いてみました。

あいかわらず愛ちゃんはバレてることに気がついていないかと思いきや、って感じですね。


今日はデートでした。

色んなお店を見て回って、お茶して、ペットショップで癒されて、ネックレスを買ってもらって、映画を見て帰ってきました!

まあ、相手は女の子なのですが、内容は完全にデートだと思うのです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ