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シェアルーム  作者: 齋藤尚彦
喫茶店で
11/26

海江田との勝負

海江田との5番勝負試合が始まった。

将棋でもかなり海江田は強いらしかった。

そこで僕はあらゆる作戦を使うことにした。

僕は海江田をまず観念をおかずただぼんやりと

眺めることにしてみた。

海江田は目が細く、表情をピクリともしなかった。

そのオーラはどちらかというと冷静というものを

はらみ、氷のように冷ややかな音でいうなら

ソプラノのシの音だった。

なにかこうスキーのいったんふわっと来る状態の

時の無重力の中の方向性をどちらにでも操れる

そういう状態の感覚に近かった。

とらえがたい不安感がこちらに来た。

安部は思った。

安部はふんわりと包み込んで見ようと思った。

そういう気持ちで構えてみた。

肩の力を抜き、そして全体をぼんやりと

眺めた。そして盤のどこにも主眼をおかずにおくことにした。

海江田との攻防戦が始まった。盤面は中盤であると思われた。

安部は形成的に不安定だったが、一瞬の隙をうかがい

飛車先の側面を壁で制御し、反対から回り込む作戦に出た。

がそれを見越していたのだろう。海江田は

厳しく金銀を圧迫していく、終われるがままに

全線から竜王を引かせ、一旦防御のほうに回す。

これに海江田は、壁をつくってなおその壁で王手を迫る。

攻めを防御に回してなお玉をかばうことならず

その盤は負けるのだった。

二番勝負では奇襲をねらうことにする。

不安定な形で海江田の出方を牽制するが、海江田は

それを逆に逆手にとり、意表をつかれて全線をなんなく

ボロボロに切りくずされる。

この勝負もあっけなく勝負にならず負ける。

まだまだだね、といわれ安部は繊維を失いそうになる。

安部は次の作戦に出る。出鼻をくじこうと海江田は戦力を

集中して、中央を狙ってくる。

だがそこを安部は一旦引き、駒の取り合いで形成を崩し

こちらもボロボロの型となるが、そこを先手をとり

一気に浮いた局面を制することができた。

この勝負は安部が納めた。

あと一番を勝たないと安部は負けることになる。

すでに2勝を納めている海江田はあと一回勝てば

いいだけである。

海江田は正攻法できたのでこちらは、なんとか中盤までは持ってこれたが

あとはぼろぼろに切り崩される。

そして投了。

このあと食事をすることに誘われて、一緒にすることになる。

君は武道はするのかね?

はい、空手を少々します。

そうか・・・

それではお手合わせを願おうかな...

あまりそういうことは言わないのよと海松がいう。

僕らは近くのスポーツセンターに行き、

海江田の用意した道着に着替える。

海江田との一番が始まる。

その構えは斜に構えるのだが無形であった。

安部はそこへ間を積めていく...

一気に牽制するために、順蹴りから繋げようと踏み込み

けりをいれようとするが、そこに海江田はいない

取りあえず我に帰ると、背中にてがありとんとんと

肩を叩かれる。

えっとおもうと今までのことを思い出すまもなく

片手を奪われ投げられる。

ふーっとため息をつく。

思い出せば、間合いにはいった瞬間に合わされたように

順蹴りと同じ方向に逆に向こうから一瞬交わして

目打ちをされて、怯んでいるすきに、転回して背後に

回られて肩を叩かれたらしい。

次の二番に入る。

次は逆につかみにかかることにする。

一瞬の間をおいて量襟をつかんでこちらに引き込もう

とする...が一瞬ふわっと勝利のよいんが来たかとともうと

今度はなぜか肘が重くなりガクンと重量が加速するように

一気に視界がしたになっていた。

どういう訳だろう。

不思議だった。

君はまだものごとの流れというものと、

呼吸や息吹や自然との一体は会得できては

いないようだな。

安部はよくわからなかったので、

不思議に思った。

僕らはその不思議な武道試合をあとに

今日は家に泊まっていきなさいと言われるので。

甘えることにした。

花梨はどうおもうだろう?

と思いながら僕は

海松の家に泊まることにした。


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