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第61話『王家のネオン』

あれからどれだけ経っただろうか。

暇で暇で仕方なくて、指先でどれだけ爆破魔法を保てるかゲームをしていた。


「よし、新記録!」


定期的に見回りのスーツの男が覗きに来るが、一言も喋らずに帰っていく。


「次は48時間を目指そう!」


体内時計を駆使して、大体のタイムを記録している。


人差し指を立てて、魔力を練る。


「そこのあなた?」


突然檻の外から声が聞こえる。


「うわぁ!?」


――ドカァァァァン


ビックリして、魔法が暴発して天井の一部が欠ける。


ふと檻の外を見ると、ビックリした表情で私を見つめている、銀髪の少女が居た。


「ごめん、ビックリして暴発しちゃった!」


「……すごい力」


少女は驚愕しながらも、ゆっくりと檻の扉を開ける。


「へ?」


「なにボーっとしてるのですか?」


少女は私に手を差し出すと、私が掴む前に手を掴まれ、少女は走り出した。


「え、なに急に!」


「いいから逃げますよ」


後ろからは男たちの声がかすかに聞こえてくる。


『逃がすな追え!』


「ヤバイヤバイ!来てるよ〜!!?」


それでも少女の顔に焦りは見えず、どんどん男たちを突き放していく。


――


建物からどんどん離れて、森の中に入ると少女は勢いを落とす。


「はぁ……はぁ……」


「もう追ってきていないですね」


長い距離を走ったにも関わらず、少女は凛とした表情で息を整える。


「ねえ、君は何者なの〜……?」


地面に寝そべりながら少女に質問する。


「私はネオン。ネオン・レフォーシティです」


「ネオンね……私はリリスだよ〜!」


ネオンは寝そべる私に微笑みながら手を差し出す。


「リリス様は王家の前なのにだらしないですね」


ネオンの手を借りて起き上がる。


「王家?王家ってインフェルナとかに居る〜?」


「リリス様はインフェルナの方なのですね」


ネオンは私の背中についた汚れをはたき落とすと、服のシワを伸ばして私の前に立つ。


「リリス様は"レフォーシティ家"をご存じないのですか」


「レフォーシティ家とは――」


ネオンの説明に割って入るように、複数人のスーツの男が全速力で走っていることに気づいた。


「場所を変えましょう」


ネオンは私の腕を掴んで、森の中を駆け抜けた。


――


森を抜けると、高層ビルが至る所に立っている街に出た。


「ここはレフォーシティ。私のお父様が統治している街です」


ネオンがゆっくりと歩きながら建物の説明をしているが、街の人は私たちのことを神でも見たかのような目で見つめている。


「ところでネオンはなんで私を助けたの?」


「そうですね、私はお父様の意見には賛成したくないので」


すると、ネオンは話を逸らして少しボロボロの建物に指を差す。


「リリス様、ここのルーメン屋さんのルーメンはとても美味しいのでぜひ一緒にいかがですか?」


「ルーメン……どんな食べ物か知らないけど食べてみたい!」


扉を開けると、鈴の音が鳴り、タオルを頭に巻いた男が出てくる。


「いらっしゃい……ってネオンちゃんじゃないか!」


「お久しぶりです、店長さん」


ネオンは笑顔で挨拶をすると、一番近くの席に腰を下ろす。


「リリス様も隣に」


ネオンが隣の席を手のひらで叩く。私はネオンの隣の席に腰を下ろす。


「よいしょっと」


「では、ライギョルーメンを2つ」


ネオンは店長にルーメンを頼むと、私の顔を見つめる。


「リリス様、私の一番の好みのルーメンでよろしかったでしょうか?」


「うん、よくわからないけどなんでもいいよ〜!」


ネオンと話をしながら待っていると、ルーメンが机に運ばれてくる。


「ライギョルーメンだ、召し上がってくれ!」


大きな魚肉の乗った皿の下に、謎の紐状の物が汁に浸っている。


「これがルーメン?」


「はい」


ネオンは二本の棒を手に取り、魚肉を切断すると、今度は大きなスプーンに汁を入れ、紐状の物をスプーンに入れると、魚肉と一緒に紐状の物を飲み物のように食べる。


(初めて見る……てかあの棒ってなに?)


「ねえネオン?この棒ってどうやって使うの」


二本の棒を両手で一本ずつ持ち、ネオンの真似をして紐状の物を掴もうとする。


「すみません、使い方わかりませんよね」


ネオンは私の後ろに回り、私と体を重ねて操作する。


「これは"箸"といって、器用に食べ物を掴んで口に運ぶための物です」


そう言いながら、箸で紐状の物を掴むと、私の口の中に突っ込む。


「ごふぉッ」


「あ、すみません……」


咳をするが、そのまま紐状の物を飲み込む。


「ん、美味い!」


「それは良かったです!」


ネオンは笑みを浮かべると、その後も箸の使い方を教えながら無事ルーメンを完食した。


ちなみにルーメンは途中から変な味になった。


――第62話へ続く。

3章2幕『レフォーシティ編』開幕!

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