第48話『海の回帰(ネオ・リヴァイヴ)』
コロシアム全体に悲鳴が響き渡る。
すると、コロシアムの入り口に複数の影が見えることに気づく。
『我々海の回帰は、魔法祭典に出場する全選手に宣戦布告を言い渡すッ』
「宣戦布告……」
カルデラが魔導書を構えて影を見つめる。
『観客と選手は急いで逃げて……!』
実況席から震える声で避難勧告が言い渡される。
混乱に陥ったコロシアムは悲鳴とざわめきが耳をつんざくようだった。
(いったいなんなの……これ)
すると、雪崩のように複数の影はコロシアム内に入り寄せてくる。
「行くよ、リリスちゃん」
カルデラを見ると、既に魔力を溜めており臨戦態勢だ。
「うん、私だって負けてらんない!」
観客は既に半分以上が逃げ出しており、コロシアムには3桁も人数がいないように見える。
「ちっ、お楽しみの時間に不届者が来たようね」
観客席から聞き覚えのある低い声が耳を貫く。
「そうですね、グレーさん……お楽しみの時間が台無しです」
観客席を見ると、グレーとアルベドが共に戦闘の態勢でネオ・リヴァイヴの人間を見つめていた。
「リリス、こっち側はアタシとエレナがやるから安心しろ!」
反対側からルインの声が響く。
ルインはエレナと共に既に一人手にかけたようだ。
「私たちも行くわよ、リリスちゃん」
すると、グレーが雄叫びを上げる。
「観客席にいる人、全員屈みなさーい!」
それと同時にグレーから重力魔法がコロシアム上空に放たれる。
「さあ、あなたも行くわよ」
「行くってどこへ?」
グレーがアルベドの問いを聞くと一瞬の迷いもなく
「奴らの墓場よ」
アルベドの腕を掴んでコロシアムの中央に降りてくる。
「グレーちゃん、それにアルベドも!」
「リリスちゃん、悪いけど今はお遊戯できないのよ」
グレーがネオ・リヴァイヴの影を鋭い目つきで見つめている。
すると、反対側からルインとエレナ、さらにルナやルルスまでもが中央に集まる。
「これで全員……?」
「いえ、まだ他にもいるはず……」
さらに観客席から取り残された観客を確保して降りてきて多くの魔法使いが中央に集結した。
「全員集結ってやつね……」
(おそらくみんな、魔法祭典に出た人や魔法祭典に出れる人たち……魔法使いの集合体!)
すると、グレーのゼログラヴィティにより、ネオ・リヴァイヴの人間の体が宙に浮く。
「1…20人は一気に捕えたわ、あとはあなたたちにお任せよ」
それを最後に、グレーの姿は再び上空へと消えた。
浮いたネオ・リヴァイヴの人間と共にコロシアムの外へと飛んでいった。
一瞬の沈黙。
ゼログラヴィティが解除されると同時に、コロシアム入り口から声が聞こえる。
「獲物が大量じゃあないかぁ」
コロシアムの入り口から差し込む光を大きな体で塞いでいる。
「おそらくアイツがボスね……魔力量が全く違うわ」
カルデラが静かに口を開くと、私の手を強く握る。
「気をつけてちょうだいね」
「うん、わかってるよ!」
すると、一瞬だが確実に入り口前に立ち尽くす男と目が合った。
「……ふふ、見つけたぁッ!」
微かに、その男の腕が変形したように見えた。
――第49話へ続く。
2025年ラスト
初投稿から半年と言う事実に驚愕を隠しきれない。
いまだに新人気分。
良いお年を




