第47話『困惑と混乱』
【1週間後】
「どう、リリス。調子は?」
「うん、バッチしだよ〜!」
アレから準決勝の相手が決まって、今日がその準決勝の日。体もしっかり休ませて準備満タンだ。
「……相手のカルデラって奴は、混合魔法って言う魔法を使ってくるの」
すると、"カルデラ"と言う単語にルインが反応して飛び起きる。
「カルデラァァァァ!次は絶対に勝つッ!!」
「もう、うるさい!まだ朝早いの!」
すると、エレナが少し顔色を変えて口を開く。
「そういえば、カルデラって私の先輩なのよね……それに2年前の生徒会長」
「へ〜……つまりエレナと同じってことか〜!」
私が口を開くと、エレナは鬼の形相で睨みつけてくる。
「あの女と一緒にしないでくれるかしら……」
――
「よ〜し、ここ乗り切れば決勝だ〜!」
コロシアムに到着すると、違和感を感じる。
「あれ、なんか魔力の結界がある……?」
エレナが魔力の結界に触れる。
「これ……外からの魔力を防御するのか……けど、なんで外からだけ……?中に入ればいくらでも魔法が撃てるのに」
「う〜ん……中に入れないナニカが居るんじゃない?」
考えるが、結局結論が出なかったのでそのまま受付に向かう。
「それじゃあ、また!」
「うん、頑張ってね。……カルデラのやつ、ぶっ飛ばして来ちゃって!」
――
選手待機室に着くと、部屋の中央で薄い金髪の女が座っていた。
(あいつがカルデラ……?)
自然と気配を消して、カルデラの近くに近寄るとカルデラが突然口を開く。
「あなたがリリスちゃん?エレナちゃんから話は聞いているわ」
カルデラはゆっくりと立ち上がると、私の前に立ち塞がる。
「爆破魔法……だっけ?そんなすごい魔法を使えるのね」
カルデラの手が私の頬を撫でる。
「そうだよ〜!私、魔法の才能があるからね!」
すると、カルデラが頬引っ張る。
「あら、モチモチのほっぺね」
「む〜!痛いんですけどー!」
一歩下がり、カルデラを見つめる。
「あらあら、そんなに警戒しなくてもいいのよ?」
「別に警戒してないよ〜だ!」
すると、スタッフが現れて試合開始の準備を報告する。
「そろそろ時間ね……私は手加減しないわよ」
「望むところだ〜!」
互いに別れて試合開始の時を待つ。
――
『赤コーナー!準々決勝ではとんでもない爆破を見せ、優勝候補のグレーを討ち取ったダークホース!
リリス・ハルカー!』
実況の解説と共に、コロシアムに体を出す。同時に歓声で溢れかえった。
『対するは青コーナー!準々決勝では――』
全ての感覚が遮断されて、ゾーンに入る。
(カルデラ……どんな人なのか気になる!ルインの試合見れなかったけど、ルインを倒すってことはなかなか強いってこと!)
すると、反対側からカルデラが薄い金髪の髪をなびかせて優雅に登場する。
歓声と歓声がぶつかり合い、コロシアム全体が揺れる。
(すっごい人気だぁ)
カルデラは観客席に手を振りながら歩みを進めて、私と目が合うと私にも手を振って来た。
「リリスちゃん、準備はできてるかしら」
「うん、もちろん……!」
審判が飛び出すと同時に私は杖を、カルデラは魔導書を待ち構えた。
『……魔法祭典本戦、準決勝第一試合!
リリス・ハルカ 対 カルデラ・ヒューズ!
試合――』
その時だった、試合開始の合図の瞬間。
「きゃあああああああっ!!」
観客席からとても大きな悲鳴がコロシアム全体を覆った。
一瞬の静寂の後、ざわめきが波のように広がっていく。
「な、なにごと……」
カルデラの表情が変わり、悲鳴が聞こえた方向を観察している。
すると、悲鳴が聞こえた反対方向から再び悲鳴が鳴り響いた。
「誰か倒れてる!」
「血が――」
活気に満ちたコロシアム全体が一瞬で混乱に包まれる。
(……試合、始まらない?)
胸の奥が、嫌な予感でざわついた。
――第48話へ続く。




