表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/73

第29話『魔法と推薦』

――翌日――


「か、体が痛い……」


結局近くの公園のベンチで夜を過ごした。


「う〜サムイ……」


体中が水浸しでとても寒い。


「リリス、風邪引くわよ!」


エレナが上着を掛けてくれる。


「エレナありがと……!」


「もう、寝相悪いからこうなるのよ!」


「クロエもそろそろ起き……」


エレナがクロエを起こそうと、クロエが寝ているベンチに向かうと、ルインがクロエの上に寝転がっていた。


「エレナ助けて……コイツ重い」


「ちょ、ルイン……!?そういえば昨日気絶したまま置いて行ってた……」


エレナがルインを持ち上げて、地面に寝かせる。


「助かったよエレナ、ルインの奴結構重くてさ」


するとクロエの"重い"という言葉に反応してルインが飛び起きる。


『誰がデブじゃぁぁぁぁぁぁ!!?』


「ルイン起きてたんだ」


『今日こそ本気でボコボコにしてやる!!』


魔導書を掲げてクロエに飛びかかろうとするルインを私とエレナで押さえつける。


「うおぉぉぉぉ離せー!!」


「最近どうしたの!いっつもこんな調子で!」


エレナが心配そうにルインを見つめていると、ルインが口を開く。


「だってよ……アタシだけ活躍できないんだぁ!!」


一瞬の沈黙のあと、エレナがゆっくりと口を開く。


「そんな事で私たちを心配させるなぁぁぁぁ!」


「うるさ」


「エ、エレナうるさい〜」


早朝のアクアリウムにエレナの怒号と微かに聞こえる完成のみが響き渡る。


「アタシだって強い敵倒して、みんなからもてはやされたいよ!!」


「それならさ、魔法祭典行こうよ。推薦してあげる」


"魔法祭典"その言葉に三人とも反応する。


「魔法祭典……クロエ、前に推薦してくれるって言ってたよね!」


「うん、全員推薦してあげるよ」


「あ〜もうクロエ好き〜!」


――アクアリアギルド支部――


「えーっと……クロエ・アルヴェリア様ですね、確認いたしました!」


クロエについていき、魔法祭典の実行委員会兼アクアリアギルド支部の受付に居る。


「それではこちらの書類に推薦される方の名前や個人情報、参加する部門を書いてください」


受付から出された書類に私たちは情報を記入して、受付に渡す。


「リリス・ハルカ様、エレナ・ルーシー様、ルイン・シーザー様でお間違えないですね?」


「おっけ〜!」


――


無事受付も完了して、待機をしている。


「三人はどの部門にしたの」


「私はね……何だっけ〜?」


「もう、クロエ以外全員戦闘部門でしょ!」


クロエは『魔法発表部門』。私とエレナとルインは『魔法戦闘部門』。


「そういえばルインって魔法使えないよね?どうやって戦うの」


エレナがルインに問うと、ルインは口角を上げて口を開く。


「まだナイショ!本番のお楽しみだ!」


「まったく、本当に大丈夫かしら……」


すると、アクアリウム全体に招集のアナウンスが響く。


『魔法祭典、魔法戦闘部門の予備戦に受付された選手の方々。準備が整いましたので、アクアリアギルド支部の方に集まってください』


「お、アナウンスだ。二人とも行こ〜!」


「じゃあ私たちは行ってるから、クロエは自由にしてて」


「了解」


私たち3人はクロエを背中にギルド支部へと向かう。


――アクアリアギルド支部――


ギルドに到着すると、まるで演劇のステージと観客席かのごとくセットされていた。


「さっき来た時と雰囲気違うね」


「そだね〜」


ざっと20人近く居るだろうか、いかにも魔法使いみたいな外見の人や、明らかに戦士体格のムキムキマッチョマンも居る。


「なんか雰囲気がすごいね〜」


「うぅ、なんか緊張してきた……」


すると部屋全体が暗くなり、ステージにスポットライトが当てられる。


「皆様、ようこそお越しくださいました。私はアクアリアギルド支部長兼魔法祭典実行部最高責任者を務めさせてもらっています、カンザキと申します」


「ではこれより魔法祭典、戦闘部門の予備戦について話していきます」


「予備戦では大陸ギルドから推薦された方、もしくは魔法祭典出場者から推薦された方が魔法祭典・本戦出場をかけた最後の試合です」


「予備戦には計16人の魔法使いが集まっており、4組に分かれたトーナメント方式となっております。本戦に出場できるのは4名だけ。泣いても笑ってもこれが最後の切符です」


「ルールとしましては、正真正銘の1v1。魔導書や杖など魔法を使う上で必須のアイテム以外の使用は禁止となっております。装備に関しては自由、試合内で使用してはいけない魔法は即死魔法エンプなどの殺傷性の高い魔法、そして広範囲を破壊して観客に危害を加える魔法も禁止です。当然審判に対する攻撃も即失格とみなします」


「トーナメント表はこれから発表します」


カンザキの言葉と同時に、トーナメント表が映し出される。

1組1試合目”リリス・ハルカ"


「えっ、私〜!?」


「3組目……」


エレナが静かに3組目を指差す。そこに書かれていたのは

3組1試合目"エレナ・ルーシー"3組2試合目"ルイン・シーザー"


「おぉ、アタシはエレナと同じか!」


「……まあいいわ、どうせ勝つのは私。本戦出場は私で決まりね!」


「あぁん?やんのかぁ?」


「ここで喧嘩しないで〜!」


――


「はぁ、ルインと同じ組か……」


「行けるとしてもどっちかしか本戦出れないもんね〜」


まさかの組分けにエレナは少し落胆している様子。


「できることなら3人全員で本戦出たかったな……」


「エレナは優しいんだね」


ふと後ろを振り返るとクロエがジュースを片手に話を聞いていた。


「ちょ、クロエ!?いつの間に」


「私は3人とも応援してるから」


「そういえばリリス、初戦は明日でしょ?」


エレナの言葉に一瞬固まる。


「えっ、明日っ!?」


「だって1組目の1試合目でしょ?ちゃんと準備しないと負けちゃうよ」


「うわぁぁぁぁん〜!暖かいベッドで寝たいよ〜!」


朝から水浸しで風邪気味の私にクロエがいい知らせを教えてくれる。


「宿取ったから行こ、リリスは休んでて。エレナとルインは試合に向けて練習とかしてたら」


「お〜クロエ様〜!神の恵みでございやす〜」


「そうだね、ルイン。特訓だよ!」


「エレナは敵だよーだ!」


こうして騒がしくも楽しい魔法祭典……の予備戦が始まるのだった

2章幕間『魔法祭典・予備戦編』!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ