第18話『インフェルナと炎王竜 2 』
王都近郊にて
「よし、準備できたよ!」
おそらく王都に向かってきている炎王竜を撃退すべく、ギルドが調査した結果隣国であるフルアイから北上しているそうだ。
「けどさ、作戦とかどうなの」
「え?作戦聞いてないの?」
「だって聞かされてないも〜ん」
少し前にギルド長に集められて作戦の内容を聞かされてたが、長かったから聞いてなかったな〜
クロエも本読んでたし、ルインも……ルインに関しては話の場にいなかったし。
「まったく、アンタらは……」
「で、作戦はどんなの」
「第一関門で殴りまくる、突破されたら第二関門で殴りまくる、突破されても最終関門で殴りまくる!だとさ……」
「語彙力」
ギルド長は語彙力がないためエレナも呆れている様子。やれやれ、私の語彙力を見習ってほしいもんだぜ⭐︎
「そろそろ時間だよ……頑張ろう、きっと私たちには出来るよ!」
「そうだね、インフェルナを守るよ」
「うおぉぉぉぉー!やってやるぜぇぇぇぇ」
「みんな〜、頑張ろ〜!」
『おー!』
すると、ギルド長から全体に指示が入る。
「炎王竜を確認、今すぐ戦闘体制を!」
平行線の彼方、赤く輝く光が顔を出す。あれげ炎王竜。
「まずは私が行く」
クロエが一歩前に出る。そして、息を整えて魔法の詠唱を始める
「ふぅ……矛盾魔法」
巨大な盾が炎王竜の進行を阻止しようとそびえ立つ。
ウガルルルルルル
すると炎王竜が魔力を貯め始める。
「来るッ……!」
炎王竜の口から炎のエネルギーが飛び出す。その魔力質量は他の魔力を震わすほどの影響力だ。
「ッ……すごい魔力……私の魔力が溢れ出そう……!」
「私の矛盾魔法にその攻撃は悪手……」
次の瞬間、矛盾魔法の巨大な盾が崩壊し始める。
炎王竜の炎エネルギーがクロエの魔力を上回っていた。
「な……しまったッ……」
「ク……クロエッ……!?」
クロエが炎王竜の炎ブレスの前に立つ。このままでは直撃してしまう。
「ッ……矛盾魔法……」
「爆破魔法ッ!」
私の足元に爆破魔法のエネルギーをぶつけてその反動で吹っ飛ぶ、私が逃げる時にしか使わない魔法だけど……今は違う!
「クロエッ、掴んで!」
そのままクロエに向かって吹っ飛ぶ。
手を突き出し、クロエの手を掴む。
そのまま炎王竜の炎エネルギーを交わす。
「はぁ……はぁ……危なかった……大丈夫、クロエ?」
「うん、大丈夫」
クロエを救うことはできたが、炎王竜のエネルギーは止まらない。そのまま第一関門に向かって飛び続ける。
「あのままじゃ関門がッ……」
すると、エレナが関門の前に立つ。
「クロエの矛盾魔法は物理耐性は一級品だけど、魔法耐性はまあまあなの!だけど私が使う防御魔法は魔法耐性が一級品なのよ!」
そう言って防御魔法を発動する。
「防御魔法!」
防御魔法に炎王竜のブレスが触れる。その衝撃は地面を揺らすほどの衝撃だった。しかし、防御魔法は突破されていない。
「ッ……強い……けど、私の魔力量を舐めてもらっちゃ困るわ!」
エレナが炎ブレスを止めているのを見て、王都の兵士やギルドから派遣された魔法使いが炎王竜に攻撃を仕掛ける。
「よし、私たちも行こう!」
「そうだね、でも私矛盾魔法しか使えないんだ」
「えっ……そうなの!?」
激戦の中、衝撃の告白をするクロエに驚愕を禁じ得ない。
「じゃあ、私が爆破魔法打つから受け止めて!」
私がそういうと、巨大な盾を出す。
「弱いのじゃないと破壊されちゃうからね」
「わかってるって、爆破魔法《ブラスト・弱》!」
魔法陣が展開され、魔力が集結し巨大な盾を攻撃する。魔力が消えて瞬間、巨大な盾が大剣に変化する。
「よし、喰らえ炎王竜」
その巨大な大剣が炎王竜に大きく振りかざされる。
ウギャルルルルルル
炎王竜に直撃し、直後に炎王竜が悲鳴をあげる。
「よしリリス、トドメを刺して」
クロエの言葉に応えるように魔法陣を展開する。
「すぅぅぅぅ……私が研究して使ってなかった魔法。ここで使ってやる!」
魔法陣から大量のエネルギーが天に向かって集まる。そのエネルギー量はこれまでの爆破魔法とは比べ物にならないほどだ。
「行くよ、私の最新爆破魔法!」
『爆破魔法!』
次の瞬間、集まった魔力が放出され炎王竜に向かって飛んでいく。
「ッ……これならきっと!」
ドガガガガガガガガガガガガガ
地面が揺れ、割れる。爆音が王都を揺らし、海は荒れる。風が吹き荒れ、近くの森が吹き飛ぶ。
「ッ……すごい爆風ッ……やばッ……」
隣にいたクロエが爆風で飛んでいっちゃった。遠くにいたエレナも、ルインも飛ばされる。
「うわぁぁぁまだアタシ活躍してないのにぃぃぃ」
砂煙が舞い上がる。その煙は雲を超えている。その爆破がいかに影響を与えたかを象徴しているかのように。
「ふぅ……どうだ……私の……」パサッ




