第17話『インフェルナと炎王竜 1 』
「リリスー、リリスー起きてー!」
私が寝ているところ、いつも通りエレナが起こしに来る。
「んん〜あと5分……スヤスヤ〜」
「起きてるでしょ……!」ムチチチチチ
「痛い痛い!」
エレナにほっぺを引っ張られる。
「何よ急に〜!」
するとエレナが焦っている様子で
「炎王竜が隣国に襲撃しているよ!早く倒さないとここにも影響が……学長さんとかギルド長さんも対策を考えているのだけれど……」
「んん……」
眠気を感じながら体を起こす。
「良いけど……隣国って何……?」
「えっ、フルアイ王国を知らないの?」
「知らな〜い、そもそもこの国の名前も知らないし〜!」
そもそも、私は森の中で暮らしてたから外界の声が届かないんだよね。
「はぁ……そんなもんだと思ったわ、ここはインフェルナ王国でここの大陸の名前から取ってるの。」
「へ〜そうなんだ」
「もうちょっと興味持ちなさいよ!」
「と言われてもね……」
そんな会話をしていると、開いているドアの奥からクロエが顔を出す。
「じゃあさ、図書館でインフェルナの事を調べようよ」
「おっ、それ良いじゃん!ルインも連れて行こう!」
――
ルインの部屋の前。
コンコン
「ルインー居るー?」
エレナがドアをノックしながらルインの名前を呼ぶが返事がない。
「まだ寝てるのかな?それとも出掛けてるのかな?」
すると背後からルインの声が聞こえる。
「おお、エレナたちじゃないか!」
「ん、あらルイン!どこに行ってたの?」
「早く起きたから早飯だ!」
――
という事で、ルインを連れて図書館に来た。視界いっぱいに広がる本棚に目眩しそうになる。
「うわぁぁぁぁ……目が回るよ〜」
「すげーな!」
「で、何調べるの?私、ここに結構通ってたから探すの手伝うよ」
クロエはそう言いながら、本棚に手を伸ばす。
「ここら辺に……あった」
そう言って、一冊の本を差し出す。
「これ、ここの大陸の地質学の本」
――――――
【インフェルナ大陸】
前提条件として、この世界には1つの大陸とそれを取り囲む3つの大陸で構成されている。そして囲んでいる大陸の一つ。インフェルナ大陸は、火山地帯が多く歴史には炎王竜という生態系の覇者が存在しており、そのような王竜は他大陸にも存在している。
――――――
「へ〜大陸……ここ以外にも3つあるんだ〜!」
「そうだね、でも大陸があるという情報しかないんだ。どうやら他の大陸に行こうにも何かが大陸間を挟む海に潜んでるらしい」
「ほ〜、海に何かいる……お宝とかありそうだね!」
「なんでリリスはそんなに呑気なんだよ」
すると、クロエが少し顔色を変えて話を変える。
「ところでさ、フルアイ王国に炎王竜が襲撃したんだよね。あそこからここまでそう遠くなかったはず。もしかしたら今日中に来るかもだし、明日には絶対来ると思う。だから、なんとか対策を考えないと」
「そうだね……でも私たちだけで相手になるとは思わないし……」
すると、雰囲気を壊すようにルインが口を挟む。
「何言ってるんだ、アタシたちにはリリスとアタシが居るんだぞ!」
「そうだよ、エレナ!私の爆破魔法で消し炭にしてやるよ!」
「そうだけど……」
弱音を吐くエレナにクロエはむしろやる気に満ちている。
「炎王竜を倒したら、私たちは大陸間を跨ぐ英雄になっちゃうかもね」
「もう……わかったわ、私も全力で頑張るわ!」
すると、図書館のドアが勢いよく開かれエレナの名前が呼ばれる。
「エレナ・ルーシー様!ギルドからの緊急要請です!」
「ギルドからの……強制要請……!?」
エレナはその言葉を聞き、固唾を飲む。
「緊急クエストではなく緊急要請……本当にまずい状況なのかも……」
エレナは不安そうに私の顔を覗かせ
「大丈夫かな……私たちに本当に出来るのかな……」
すると、クロエがエレナの頭を叩く。
「弱音吐くエレナはエレナじゃない。私たちは王都魔法学校のエリートなんだから」
「クロエ……うん、わかったわ!そうよね、指揮取りがこんなんじゃ、みんなついてこないよね!」
エレナは自分のほっぺを叩いて決意を固める。
「よし、行こう!必ず倒してここインフェルナ王国を守るわよ!」
『おぉぉぉぉ!』




