第16話『炎蛇と炎鳥 3 』
「うおっしゃぁぁぁ!任せろッ!」
目の前に広がるのは岩を食らう炎鳥の姿が。
「居た、じゃあルイン……ッて、先に行くな」
ルインは炎鳥 《バスク》の目を気にせずに魔導書を掲げながら殴りかかる。
「うおおおおお!」
魔導書が炎鳥の体に触れる瞬間、突然炎鳥の羽根が爆破してルインを軽く飛ばす。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「大袈裟な」
ルインの悲鳴に炎鳥が反応して振り向く。そしてルインを見つめると咆哮をする。
ギャルルルルル
「はぁ……まったく」
私はルインの前に立ち魔法陣を展開する。
「矛盾魔法」
私の目の前に巨大な盾が現れる。その先では炎鳥が炎を体内で溜めて、私たちに向かって放出しようとしている。
「うぉぉぉおい、大丈夫なのかぁぁぁ?」
ルインが体を震わせながら私に問うがうるさいので無視する。
「おい、無視すんなよ!」
炎鳥が炎をチャージし終わると、口から炎を吐き出す。
その炎は私の矛盾魔法に向かって吐き出され、そのまま矛盾魔法に当たるが、衝撃を吸収しる。すると、盾の見た目が大剣のように変わる。
「これがあんたの炎の強さよ」
すると、大剣が炎鳥に降り掛かる。
ドカァァァァァン
砂煙が舞う。大剣は炎鳥に直撃するが、砂煙が消えるとそこにはほぼ無傷の炎鳥が居る。
「効いてない……なんでだろう、私の魔法に弱点はないはずなのに」
炎鳥が再び羽を震わせ、口の中を光らせる。
「また来る……でもクールタイムがあるからまだ使えない、どうしよ」
後ろからルインが話しかけて来る。
「おいクロエ、アタシに策がある!」
「策?」
すると、私の腕を掴んで炎鳥とは真逆の方向に走り出す。
「逃げろー!勝てない相手には逃げるのが戦士だー!」
なんて戦士の恥どころか役職持ちの人間の中で一番情けない言葉を言い放ちながら逃げる。
「後ろから追ってきてるよ」
後ろを軽く振り向くと、炎鳥が猛ダッシュで追ってきている。
「疲れた……ここに隠れるか!」
そう言いながら炎鳥の目の前で岩の影に隠れる。
「バカなの、目の前で隠れるとかいくら魔物でもバレバレだよ」
冷徹な目でルインの事を見つめる。
「大丈夫だ、目の前に炎鳥が出てきたら直ぐに矛盾魔法?を使えよ!」
と自信げにルインが話し終わると、岩陰を除くように炎鳥のクチバシが顔を出す。
「矛盾魔法」
私たちの目の前に巨大な盾が現れる。すると、炎鳥が完全に顔を出す。それと同時にとんでもないエネルギーが盾を攻撃する。
ドカァァァァァァァァァァァ……
「そういう事ね……ルインの癖に考えたじゃん」
その強大なエネルギーが盾を伝って剣となり、炎鳥に降り掛かる。
ギャルララララララ
炎鳥が悲鳴をあげる。
その剣は炎鳥の体を斬り、大ダメージ……どころか即死させる。
「ふん、これがアタシの才能よ!」
「バカ猿の癖に私の魔法を解析するとは」〈ガーハッハッハッハッハーって誰がバカ猿じゃー!!?
「まあ、とりあえずエレナたちと合流しよう」
そう言いながら、暴れるルインを掴んでエレナの居る方向へ向かう。
「アレはなんだ!?」
「まずい、アレはギルド長がおっしゃってた……」
「炎王竜ッ……!!?」
火山口から顔を覗かせて、どこかへ向かって飛び去る。何かに惹かれるように。




