第11話『魔法が使えない魔法使い』
「コラーーーー!」
「すみませんすみませんすみませんすみません」
私たちが氷獣ベルオールを狩る際に洞窟を崩壊させてしまって、そのことでギルドに叱られている。
エレナは土下座していて、何だか変な感じがする。
「リリスも謝れー!」
「あ〜すみませ〜ん」
「ふざけるなッリリスー!」
「まあ、今回に関しては対象が対象だからな、しょうがないが……それでも洞窟が崩れてしまうのはなかなかの事態だ」
コンコン
部屋の扉が叩かれる。
「ギルド長……また暴行事件が……」
「またかよ……なんで警備は動かないんだ」
「あの〜最近なんか起きての〜?」
私がギルドの人に尋ねると、渋々答える。
「最近、ギルド内で暴行事件が多発しているんだ……それなのに警備は動かなくてギルドにたくさん事案が来るんだ……」
「そっか〜大変そうだね〜」
「君たちさ……今回の事は許すから暴行事件の犯人をとっ捕まえてくれないか?」
ギルドの人から衝撃の言葉が飛び出す。
「おおぉ!今度は犯人逮捕のお時間ですか!」
「何呑気に話してんだよ!もう……本当にすみません」
「ほら、顔を上げて」
すると、ギルドの人が一枚の紙を出す。
「こいつ……ここ最近ずっと暴行事案を起こしてて大変なんだよ」
――
てことで今、その暴行事案を起こしている犯人を捕まえに王都を散策中。
「で、それで私を呼んだのね」
「ごめんね、クロエ……私たちの問題に巻き込んで」
「いや〜なんか久しぶりな気がする〜」
魔法祭典に行ってから、あってなかったし。
「魔法祭典どうだったの?」
私がクロエに尋ねると突然黙り込む。
「……」
「あー、あんまり聞かないであげて……そのこと結構心に来てるらしいから」
「うわぁぁぁぁ、失敗したぁぁぁぁぁぁぁ」
「落ち着いて……」
――
「ごめん、少し取り乱した」
「いいのいいの……リリスぅ、謝って」
「ごめ〜ん」
すると、街角の裏路地から声が聞こえてくる。
『あ〜ん?なんだと、このルイン様の命令が聞こえないのか?』
「おい!暴行は犯罪だ!」
エレナが勢いよく路地裏の入口に立つ。
「あ?誰だお前」
「私は王都魔法学校の生徒会長、エレナ・ルーシーよ!」
「あんたを暴行罪で王都の警備に引き渡すわ!」
エレナがそう言うとルインと名乗るアホ面の女が襲いかかってくる。
「うおぉぉぉ、うるせぇぇぇ!」
「防御魔法」
エレナの前方に防御魔法が展開される。
しかし、なりふり構わずエレナに飛びかかるルイン。
「おらぁぁぁ!」
「えッ……!?」
ルインは魔導書を構えると、防御魔法に叩きつける。
すると防御魔法は粉々に砕け散った。
「所詮はただの防御魔法!」
「ちょッ……拘束魔法!」
今度は拘束魔法を使う。
拘束魔法はルインの体をガシッと捉える。
「うおッ……離せッ、離せッ」
「ふう……一時はどうなるかと思った……」
「うおぉぉぉぉ」
するとルインが拘束魔法を引っ張る。
「引きちぎれろぉぉぉぉぉ!」
「ちょっ……何やってるのよ!」
バキッ
拘束魔法クローズが砕ける。
「はッ……はぁ!?なんで破壊できるのよッ!?」
「どいて、エレナ」
横にいたクロエがエレナを退かす。
すると魔法陣を展開してルインに向けて攻撃する。
「矛盾魔法」
巨大な盾がルインの前に立ちはだかる。
「うおぉぉぉ!」
ルインは魔導書を振りかざすが傷一つつかない。
「私の矛盾魔法は物理耐性が高いんだ」
そういうと盾を払って、ルインを吹き飛ばす。
「グハッ」
ルインは城壁に叩きつけられた。
「これで一件落着だよ」
「さっすがクロエ〜!魔法祭典を感じさせない魔法だよ〜!」
「……クソ……やっぱ魔法はくだらねえ……」
ルインが悔しげに吐き捨てる。
「でも……強えなお前ら。負けを認める。だから……アタシを仲間にしてくれ!」
「はぁぁぁぁ!?なんでそうなるのよ!」
――と、路地裏に響き渡るエレナのツッコミで幕を閉じた。




