第9話『氷点下の牙 1 』
「ほら、リリス起きて!」
現在午前4時、こんな時間に起こす輩は誰だ〜?
「ムニャ……こんな時間に何よ〜」
「これ欲しいの!」
そう言いながらエレナが一枚の紙を出す。
「これは〜?」
「ベルオールの装備、もふもふしてて可愛いでしょ!」
「もふもふ……もふもふッ!」
「へへッ、この装備が出来たらリリスにももふもふさせてやろう!」
「やった〜!」
そう言うと、私の手首を引っ張りながら外へ向かった
――
「ふわ〜まだ眠いよ〜」
「寝ちゃダメ、ベルオールは強敵なんだから」
「ところでベルオールってなに?」
エレナにそう尋ねると、一冊の本を差し出す。
――――――――――――
『氷獣』
種族:獣種
生息地:ロスカ雪原
説明:鋭い氷の牙が特徴で、牙に傷つけられると凍傷を巻き起こす。
弱点はその牙、牙を破壊することで強力な攻撃を防ぐことができる。
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「ベルオールね〜強いの?」
「うん、今までの魔物とは一線を画すわ!」
エレナが目を光らせながら語る。
「あのもふもふの毛……ひんやりしてる牙……もう最高ね!!」
「もふもふの毛か〜もふもふしたいな〜」
そんな会話をしていると目の前に救護隊が映る。
『道を開けてください!重症者を運んでいます、道を開けてください!』
「なんだか騒がしいわね……何かあったのかしら?」
「まあ、多分大丈夫だよ〜!」
そう言いながらギルドの受付に向かう。
「すみませーん」
エレナが受付を呼ぶと奥から物音が聞こえてくる。
『はい……はーい!今行きま……痛ッ……!!?』
「大丈夫かな……?」
物音が鳴り止むと、奥の部屋からボロボロの受付が出てきた。
「すみません、お騒がせして」
「あの……大丈夫ですか?」
「はい、心配しなくても……それより、今日もギルクエの受注ですか?」
と問う受付にエレナが紙を渡す。
「ベルオールの狩猟を!」
エレナがハキハキと答えると受付は言いづらそうな表情で言う。
「実は……」
『死者が出たぁぁぁ!?』
「そうなんです……先日、ベルオールの狩猟に出た冒険者の内の一人が致命傷を受けてしまい……」
「ええ……じゃあベルオールは狩れないんですか……?」
エレナが残念そうに受付に聞く。
「けれどもそういうわけにはいかなくて……ロスカ村に被害が出てしまいます。なのでどうしても狩猟しなくてはならないんです」
エレナは少し黙り込み考える。
「……わかったわ、私たちに出来ることなら何でもやるわ!」
「本当ですか……!」
「私たちは王国が認める魔法使いよ!」ソウダソウダ!!
「本当に助かります……!」
そうして、ギルドからの申請も受け急いでロスカ村へと向かった。




