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ぼっち生活は悠々自適!  作者: 雨後外待雨
1/1

一人暮らしは素晴らしい

 一人の生活は楽で良い。

 いちいち相手の顔色を(うかが)わなくていいし、その場をつなぐための頭を悩ます会話もしなくていい。

 無理して人付き合いをする必要も相手に合わせる必要もないから自分を抑えて窮屈(きゅうくつ)な思いをせずに済む。

 ついでに僕は手に職をつけていないので、厄介な客の対応をすることはないし理不尽に上役(うわやく)に怒られることもない。

 まさにストレスレスだ。

 その上、他人と関わることで消えていく時間は自分だけのために使えるし、その時々の気分でやりたいことができる。

 読書をしたければ好きな場所で本を読み、農業をしたければ畑に足を運び、体を動かしたければ魔法や剣の鍛錬をする。

 一人は人生を豊かにする。


 僕は今、村よりは大きく、街というには少し小さい町のはずれにある丘の上の家で一人暮らしをしている。

 自分で言うのもなんだが二階建ての結構良い家だ。

 眺めもよく、窓からは町を一望することができる。

 家の周りには畑があり、そこでは色々な野菜や果物を作っている。

 町からは馬車で10分ほど離れているから不便ではあるけど、他人と関わることが減るのでどっこいどっこいだ。

 いや、そもそも町に出かける用事がなかったのでプラスしかない。


 僕は畑で育てている丸々と実った赤いトマトを一つもぎ取る。

 うん、旨そうだ。

 昼飯はこれを使ってトマトソースのスパゲティとかいいかもな。アクセントにハーブも摘んでおこう。

 (ひざ)に付いた土をはたき落として立ち上がると、柔らかい風が汗をかいた肌を拭うように吹いていて気持ちが良い。

 空は雲一つない晴天で、草原の緑と空の青のコントラストはずっと見ていられる気がする。

 街中のような喧騒(けんそう)はなく、ここには鳥の鳴き声、風の音、植物のさざめきがほとんどで、人が作る音は僕の土を踏む音ぐらい。

 平和だ。面倒事の"め"の字もない。

 こういう日は陽のよく当たる場所で昼寝したら最高だと思う。

 さっぱりしたフルーツジュースを飲みながら読みかけの物語に(ひた)るのも悪くない。

 剣や魔法の鍛錬をして夜飯をおいしく食べれるようにするのも1つの手だ。

 ……正直迷う。その日に何をするか、というのがこの悠々自適ライフの最近の悩みだったりする。

 こんなことを他人に話したらぶっ飛ばされるのは分かっている。それぐらいの常識は持っているつもりだ。

 話す相手なんていないけどね!

 はっはっはっはっは!

 …………。


 まあ、なんにせよ。急いで決める必要もないんだしその時の気分に任せよう。

 さて。今日も1日のんびりしようかな。

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