漫才 『乾燥対策』
二人「ハイどうも~○○(コンビ名)ですよろしくお願いします~」
ボケ「やー秋ですね!」
ツッコミ「そうですね、朝晩は涼しくなってきましたよね」
ボケ「空気が乾燥してきて、みなさんお肌とか喉とか頭頂部の毛根のケアが気になってきたんじゃないでしょうか!」
ツッコミ「毛根は乾燥関係なくないですか?」
ボケ「そんなことないですよ。よく問題にされてるでしょう、頭頂部の深刻な砂漠化!」
ツッコミ「確かに砂漠化した人本人にとっては深刻な問題なんでしょうね」
ボケ「よし、木を植えた男を呼ぼう!」
ツッコミ「毛根の苗木はありませんよ。でもまあ確かに、喉とか肌は乾燥すると困りますね」
ボケ「その点ぼくは乾燥対策のプロですから」
ツッコミ「そういうのにプロとかあるんだ」
ボケ「うん。時給777円」
ツッコミ「プロなのに安くない!? 労働基準法に違反してない!?」
ボケ「スリーセブンで縁起がいいんで、これで大丈夫です」
ツッコミ「生粋のギャンブラー! そんで、乾燥対策のプロは具体的にどんなことしてんの?」
ボケ「まずマスク。これが喉と鼻を守る盾です。布の盾!(盾を構えるポーズ)」
ツッコミ「なんでドラクエ風に言ったの」
ボケ「言ってませんよ?」
ツッコミ「いや言いましたよ、マスクのこと布の盾って」
ボケ「ドラクエに布の盾なんて出てきませんー」
ツッコミ「そうなの?」
ボケ「出てくるのは布の服とか皮の盾ですー! このドラクエ知らずが!」
ツッコミ「うわすごい罵られ方したな。まあでもマスクは乾燥対策の基本ですね。他には?」
ボケ「加湿器です。加湿器で空気を、ウゥルォオス。これが大事なんですよ、やっぱり問題は根本から解決しないと!」
ツッコミ「なんで潤すのイントネーションが英語風に乱れたのかわかりませんけど、加湿器は効果的ですよね」
ボケ「あとはのど飴があるといいですね。(顔をしかめて喉を押さえて)『あ゛! ん゛ん゛ん゛! 喉がいがらっぽい! ヤバイヤバイ、のど飴舐めないとマネージャーに殺される!』って時に命拾いしますから」
ツッコミ「うちのマネージャーは鬼か。お客さんが誤解するでしょ、(お客さんに)ごめんなさいね、マネージャー普通にいい人ですからねー」
ボケ「じゃあ『ヤバイヤバイ、のど飴舐めないとマネージャーに親指の生爪剥がされる!』って時に」
ツッコミ「生爪て。響きがグロいわ。そこは普通に爪でも良くない? というかやっぱり鬼マネージャーだと思われるし、駄目だよ」
ボケ「えー、おまえは世間体ばっか気にするなあ!」
ツッコミ「何その言い方、俺が器の小さい男みたいに言うのやめて下さいよ。マネージャーが可哀想でしょ、無実なんだから」
ボケ「無実かどうか、なんで分かるのって話ですよ」
ツッコミ「(手を見せて)だって俺ら二人とも親指の爪無事でしょ?」
ボケ「足は?」
ツッコミ「はい?」
ボケ「足の爪は無事なのかって聞いてんの!」
ツッコミ「足の爪ぇ? えー、漫才中に靴と靴下脱ぐんですか? それはちょっとまずいでしょ」
ボケ「(お客さんに)ね? ぼくらの足の親指の爪は、もう……(グイッと鬼の形相で足の爪を剥がす仕草)」
ツッコミ「無事だ! 生えてるわ! 何なら伸び気味だわ!」
ボケ「(ツッコミの怒り顔を真似して)親指の爪伸びすぎて靴下そこだけ穴あいてるわ!って?」
ツッコミ「あいてないあいてない!」
ボケ「(ツッコミの肩に手を置いて)いいかツッコミ、そういう時は、縫え」
ツッコミ「縫うか!」
ボケ「靴下と同じ色の糸で、縫え」
ツッコミ「そういうアドバイス要らないから!」
ボケ「ぼくは靴下の穴を縫うプロですからね」
ツッコミ「何だよそのプロ、お母さんか。ていうかさー、乾燥対策がマスクと加湿器とのど飴? 全部普通ですよね。プロならではの乾燥対策はないんですか?」
ボケ「あるよ。マフラー」
ツッコミ「マフラー?」
ボケ「そう。マフラー喉に巻いとくとね、まず喉が温まるでしょ。それに、マスクしてると吐いた息が隙間から下に逃げるから、その吐息がマフラーにドカーン!とぶつかって、湿った空気が上に戻ってきて喉にいいんですよ」
ツッコミ「おー、なるほど。吐いた息がドカーンとぶつかるかどうかは置いといて、今のはちょっと説得力があって良かったですよ」
ボケ「ありがとうございます、ありがとうございます」
ツッコミ「専門家らしさが出てましたね」
ボケ「ええ、おっしゃるとおりぼくは乾燥対策のプロですからね。早め早めの対策をということで、加湿器・のど飴・マスク・マフラー、すべて8月から使ってます」
ツッコミ「暑!!」
二人「どうも、ありがとうございましたー」