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現在特異点のライトハンド  作者: 皆沢 実那希
一章 二つの可能性の分岐点
1/2

01

下手ですが宜しくお願いします。

 信崎拓斗は考えていた。自分の未来について……。

 自分は未来では誰と出会い、誰と付き合い、結婚し、どんな仕事に就ているのかと。

 拓斗はいつも学校帰りにこの事を毎回考えている。何時から想像し始めたかは、本人は忘れてしまった。

 そんないつもと変わらぬ帰り道の公園のブランコで、自分と同じ年位の女の子を見つけた。

 普段なら女性を見ても興味は無かったが、その少女は自分と年も変わらないのに白いスーツを綺麗に着こみ、マフラーをしていた。

 こんな格好をした人間は滅多に見かけない。不思議そうに拓斗はその少女を足を止め、眺めていた。

 暫くすると少女は拓斗に気づき、駆け寄ってきた。

(やば……見てるの気づかれた。)

 少し慌てる拓斗に少女は手を重ねた。

 そんな突然の行動でさらに慌て始める。

「あのー……何か僕に用ですか?」

 恐る恐る彼女に聞くと

「やっと見つけました。拓斗さん!」

 拓斗は考えた。こんな女の子に会った事有っただろうか?

 無論、覚えがない。だが相手は自分の事を知っている。一体どういう事だ?

「ごめん僕、君みたいな子と会った覚えが無いんだけど……。」

 正直に自分の心の内を明かした。

「あ、覚えてないのも無理ありません。この時代で私達が会うのは初めてですから。」

 少女はニコニコと答えを返した。

「この時代ってどういう事か、全くもってちんぷんかんぷん何ですが。」

「あ、それはですね……」

 少女が問いの答えを返そうとした時、公園の方から白い渦巻きが突如出現した。

「何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ……」

「落ち着てください拓斗さん。貴方は英雄なんですから。」

(何あれ何あれ何あ……え?……英雄?)

 英雄と告げられて我に返った拓斗と少女の前に、今度は黒いスーツとボロボロのマフラーの男が渦から現れた。

「よう。魔王。」

「拓斗様に何と失礼な!この方は……」

「知ってるよ。信崎拓斗。未来で人々を苦しめる魔王だ。」

「何も知っていないじゃないですか!?拓斗様は、あらゆる災厄から今でも人々から守っている英雄なんですよ!!」

「何を言ってる?そいつは魔王だ。」

「英雄です。」

「魔王!」

「英雄!」

「魔王!!」

「英雄!!」

「魔王!!!」

「英雄!!!」

「ちょっと君達……」

「何だ!?」

「何ですか!?」

 何となく子供の喧嘩みたいになってきたから、止めようとしたけど如何すればいいか分からない。

「あのさ……いきなり不思議な格好をした男女を見つけて、その男女から英雄だの、魔王だの言われても全然、現実味が無いんだけど。」

 目の視点をグルグル泳がせながら、率直な意見を述べた。

「でもあなたは十年後の未来で、英雄になられるんですよ。」

「そんな事言われても……」

「ちょっと待て?」

 渦から出て来た男子が、不思議そうに小さく手を挙げた。

「何ですか?」

「お前今……十年後の未来って言ったな?」

「そうですけど何か?」

「いや、その年には既に、此奴は魔王になっている。」

「え?」

 二人共不思議そうに拓斗を見つめた。

「あのー……どういう事?君達同じ時代から来たの?」

「私はこの時代から丁度十年後ですけど?この時代に来る前に、最終確認しましたし。」

「俺も丁度十年後から……ということはつまり……。」

「私達は同じ時間、同じ時代の別のパラレルワールドから来た。」

「という事になる。」

 二人は話の食い違いの理由を解明したが、実際に二人が会いに来た拓斗は、話を理解出来ていなかった。

「取り敢えず……話が長くなるようだったら、家に来る?」

「え!?良いんですか!?」

「俺はまだお前に話す事がある。」

 拓斗は二人を連れて、家へ帰った。

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