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異世界に呼ばれたおっさん、異世界の知識がないけど頑張る。  作者: うっちー(羽智 遊紀)
第1章 おっさん異世界に召喚される

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第40話

「インナーゴウの強さを確認したいのだが可能か? 出来れば1匹から順番に数を増やす感じで試していきたい。それと倒せた時のインナーゴウ状態を確認できる者はいるか? 食せるのか、素材として使えるのかを判断できる者が望ましい」


「はい。それでしたらゲンナディーが適任かと。彼は御者と護衛や料理人としても有能です。料理人は食材を判定することも能力として求められております。素材についてはマリアンナ姉様に聞けば大丈夫です。普通に倒したインナーゴウは食材にもなります。素材にも食材にもなる優秀な魔物ですよ」


 健太の問いかけにエルミが答える。今、この場にいるのはエルミにゲンナディーとミナヅキだけであり、マリアンナの屋敷にも関わらず誰もいないことに首を傾げながら健太が確認する。


「それで、そのマリアンナ様は?」


「お姉さまは鉱山に向かわれています。そろそろインナーゴウの活動時間になるので、少しでも数を減らそうと定期的に直属の兵士を伴って戦われています。屋敷の者は鉱山に向かっているので留守番の執事さん以外は誰もいません。執事さんも召喚の儀式なので、遠慮して席を外してもらっています」


 エルミの説明に健太はゆっくりする時間は無いと感じ、すぐに移動する準備を始める。


「あの? ケンタ様? その恰好は?」


「ああ。完璧だろ!」


 エルミが恐る恐るな感じで話しかけてきた。健太は厚手のコートを羽織っており、ポケットが多く付けられたコートには色々な物が入っており、殺虫剤に始まり、電気が流れる蠅叩きや警棒などが顔を覗かせ、かなりモコモコになっていた。


「その棒のような物は?」


「ああ。これは警棒だ。軽くて頑丈だから使い勝手はいいぞ。少しは俺も自衛できる手段は持っておかないとな」


 自衛の道具を持ってきたとの健太の発言に、エルミが残念そうな顔になりながら小さな声で呟く。それに続いてミナヅキやゲンナディーが勢いよく話しかけてきた。


「そんなこと。それでしたら、私が命に代えてもケンタ様をお守りしますのに」


『私もー。ケンタ様を守るー。ついでにゲンナディーも』


「ついでなのか……。俺もケンタ様を守りますよ。エルミ様が全力で戦えるようにしますから」


 3人からの心強い言葉に健太は笑いながら頷くと、鉱山に案内するように伝えた。


 ◇□◇□◇□


「これが鉱山か。思ったよりも入り口は小さいんだな」


「いえ。中も同じような感じですよ。あまり高くすると労力だけがかかってしまいますから。今は、インナーゴウが出てこないよう、さらに小さくなるようにしております」


 健太の目には岩山に人が二人ほど通れる小さな穴が開いており、それを板のようなもので塞いでいた。


「あっ! ケンタ様。よくぞ戻ってきていただいた! 今は小康状態だが、近い内に溢れてくるのではないかと思っている。最近、外に出てくるインナーゴウの数が徐々に増えてきているのだ」


 健太の姿が見えたマリアンナが嬉しそうに近寄ってきた。そして現状を報告すると不安と厳しさが混じったような表情になる。


「それで、その……。ケンタ様が考えていた対策は準備できたのであろうか?」


「ああ。まだ検証は出来ていないから、これから始めようと――」


「敵襲! インナーゴウが出てきたぞ! 総員戦闘配置に付け!」


 マリアンナと健太が話していると、偵察をしていた者が鉱山から転げ出るように叫びながら出てくる。その後を追いかけるように5匹のインナーゴウが羽音を響かせながら飛び出してきた。


「あれがインナーゴウか。思ったよりも多くないな」


「どうされますか? 検証されるとのことですが?」


 インナーゴウの大きさは30センチメートルくらいであり、見た目はまさにイナゴであった。


「そうだな。マリアンナ殿。まずは我々だけで戦わせてもらう。取りあえずは俺の攻撃が通じるが試してみたい。エルミ。1体だけこっちに向かわせることは出来るか?」


「大丈夫ですか? ケンタ様の世界は戦いは無いと聞きましたが……」


 心配そうにこちらを見ているエルミに、健太は大きく笑いながら親指を立てた。


「安心しろ! 害虫駆除は家でしたことがある。インナーゴウより小さいが動きが素早かった」


 腰に差していたバズーカタイプの殺虫剤を引き抜くと構える。その姿を見て、エルミが1体を盾を使って動きを止め、もう1体をゲンナディーとミナヅキが連携しながら対処していた。


「ケンタ様! 1体送ります! 無理はしないでください!」


 2体を相手にしていた内の1体が、エルミに上手く誘導されながら健太に向かってやってきた。素早く1体を倒したエルミは、急いで健太の元に来ると背後に回り、いつでもフォローが出来るように鋭い目つきでインナーゴウの動きを観察する。


「よし! 攻撃! うぉぉぉぉ」


 健太は殺虫剤を構えると、大きく叫びながらインナーゴウに向かって引き金を引く。勢いよく噴射された薬剤がインナーゴウを包むと、それまで勢いよく飛んでいたのが墜落して苦悶の羽音を立てつつ暴れ回る。


「下がって下さい! ケンタ様! 今まで見たことのない動きです!」


「あ、ああ」


 エルミが慌てて健太の前に躍り出て下がるように伝える。しばらく激しく動いていたインナーゴウだったが、徐々に動きが悪くなると完全に沈黙した。

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