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異世界に呼ばれたおっさん、異世界の知識がないけど頑張る。  作者: うっちー(羽智 遊紀)
第1章 おっさん異世界に召喚される

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第27話

 健太の目には和やかに見えたエルミとミズキの話し合いは、一部に軽微な被害(主にゲンナディー)が発生しただけで済んだ。その後はポテチやチョコレートなどのお菓子を出して盛り上がった。


『ケンタ様! これ! 私はポテチが欲しいです!』


「分かりました。ケンタ様。では、ミズキさんの購入品にチョコレートの他にポテチを追加でお願いします」


「ああ。分かった。取りあえずは2袋は未開封があるから――」


 アイテムボックスから無造作に取り出そうとした健太を、エルミが慌てて止める。


「待ってください! 今は一袋でお願いします! ミズキさんも我慢してください! 隣の領地との交渉で使うかもしれません」


『いいですよ。ケンタ様を困らせるつもりも、強敵(とも)のエルミさんに迷惑をかけるつもりもありませんから。余裕がある時でいいですよ。でも、チョコレートだけはこの子達の為にお願いしますね』


 ミズキの言葉に健太は、エルミへと用意していたチョコレートが入った大袋を手渡す。


「これはエルミに用意したのだが、いいかな?」


「うっ! そんな大量のチョコレート……。い、いいですよ。精霊ちゃん達が喜ぶ顔は見たいですからね」


 一瞬、ツラそうな顔をしたエルミだったが、かぶりを振って何かを断ち切ると笑顔になって了承する。


『『『『やったー! エルミ大好きー』』』』


「ふ、ふふ。いいですよ。みんなで美味しく食べてくださいね」


「よく我慢したな。次にこっちに来るときは、エルミのために高級チョコレートを用意するよ」


 水の精霊達の為に我慢をしているエルミの姿を見て、元気付けるため健太は耳元で小さく呟く。急に近付いてきた健太に、エルミは真っ赤になりながらコクコクと頷くと急に思い付いたように話し始める。


「では、休みましょうか。寝ずの番は私とゲンナディーでしますので、ケンタ様はユックリと――」


『エルミさん。今日の寝ずの番は私と、この子達でやりますから皆さんは休んで下さい』


『『『『頑張るー』』』』


 エルミが夜番を決めようとするのをミズキが遮って見張りをすると伝えてきた。


「いいのか?」


『大丈夫です。精霊が人間界で寝ることはありませんから。人間に合わせて活動を控えはしますが』


「そんなものなのか? 問題ないならいいが、ミズキは大人だろうがチビちゃん達もか?」


 見た目も態度も子供である水の精霊達を見て健太が疑問顔になると、ミズキはクスクスと笑いだす。


『ふふっ。こう見えても、この子達はケンタ様よりも長生きですよ』


「そ、そうなのか? 俺は42才だぞ?」


『『『『私たち50才ー。ケンタ様より年上ー。わーい』』』』


 ミズキの台詞に驚きながら水の精霊達を見る健太。視線を受けて踊り始める水の精霊達。


「こんな子供に見えるのにな」


「ケンタ様の国には精霊はいないのですよね? 彼女たちは精霊の中でも子供ですよ。ミズキさんなら以前の異世界の勇者様に会ってるかも」


『そこまでじゃないですよ!』


 呆然とした表情で小さい精霊達を眺める健太に、エルミが笑いながら話しかけ、ミズキは頬を膨らませるのだった。


 ◇□◇□◇□


『寝なくて良かったのですか?』


「ちょっと聞きたいことがあります。水の大精霊様が異世界の勇者様であるケンタ様とコネクトをされた理由を教えてください」


『そんな畏まらないでください。せっかく仲良くなったのですから。エルミさん』


 火の番をしていたミズキは背後に気配を感じでゆっくりとした口調で話しかける。だが、エルミからの返事はなく、仕方なしにため息を吐きながら振り返る。


『なぜ、そんなツラそうな顔を?』


「水の大精霊様がコネクトを結ぶなんて……。ひょっとして大厄災が近付いているのでは?」


『それは分かりません』


 エルミの問いかけにミズキはかぶりを振る。その態度にエルミは苛ついたような表情でミズキに近付く。


「じゃあ、なぜケンタ様とコネクトを! 教えてよ! ミズキさん!」


『大厄災が近付いているかは、私にも分かりません。ですが、ここでケンタ様とコネクトを結ばないと駄目だと、精霊の血が訴えかけているのです』


 なにもないのが一番ですけどね。と、ミズキが優しい表情でエルミに語りかける。本人の意思でコネクトを結んだわけではないとの話しに、エルミはホッとしたような、不安をかき立てられたような表情になった。


『すぐに何かが起こるわけではありません。エルミさんには真っ先にお伝えしますよ。だから今日は休んでください。これからも長いお付き合いをしてくれるんですよね?』


「分かったわ。なにかあったらすぐに教えてね。ミズキさんとは仲良くしたいから。ひょっとして、他の精霊様も?」


 不安げに問いかけてくるエルミに、ミズキは首を傾げて指を顎に当てながら答える。


『それはどうでしょうか? ケンタ様は素敵な魔力をお持ちですからね。負けないように頑張ってね。エルミさん。他の大精霊達は私よりも強敵よ』


「な、なっ! ま、負けません! エンゲージを結んだ私が負ける訳ないでしょ!」

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