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ひとつめ 『なんのためにか生きている』
何の為に生きているのか解らない私はただ夕焼を見て涙も出ないまでに見つめるしかなかったのです。
殺された人々に思いを馳せ、殺されないけど殺されたがる人々の為に唄も唄えない。
そんな私は結局何の為に生きているのだろう。
あるいは――。
そして、毎日は繰り返される。
あの夕焼を見るための毎日。
悲しみの夕焼に顔を照らされるための毎日。
いつか――。
あの夜を澄んだ心で見られること。ただ、それだけを願いながら、私は今日も何の為にか生きているのでありました。