雷撃の銀鳩 クル坊
昼も夜もきらびやかなネオンが輝く快楽の都市ニヨーク。
その都市の真ん中に巨大な戦艦の様なビルが立っている。数週間で建てられたこのビルの名を人々は欠陥ビルと呼んでいた。
そのビルの最上階の部屋で、数人の男女が集まっている。
「アネットがやられたわ。」
杖をついた小さな女の子が部屋に入って来た。
「アネットさんも大した事ないっぽ、僕なら鼻くそボンバー田中なんて3秒で殺っちゃうっぽ。」
小生意気な鳩が馬鹿にするようにそう言った。
「そんな事を言わないの!」
女の子が杖で床を叩くと、床に鼻水ボンバー田中が映し出された。
映し出された田中は屋台で焼き鳥を食べている。
「美味しそうだっぽ……僕も食べたいっぽ。」
「いやいや田中が食っているのはあんたの仲間だから。」
部屋にどよめきが走る。
「ふふ、冗談っぽ。今回は僕が行くっぽ。」
鳩が立派な白い翼を広げる。
この鳩の名前はクル坊、人語を操り体から電撃を放つ銀鳩である。
「分かったわクル坊、あなたの電撃で田中を黒焦げにして来なさい! 」
「了解、行ってくるぽ。」
鳩はパタパタと飛び立ち夜の闇に消えた。
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