第9章 あっと言う間のバケーション(その134)
●読者の皆様へ
お久しぶりでございます。
ほぼ1週間振りの更新です。
実は、今週初めから体調を壊しまして・・・。
で、数日書かないと、なかなか続きが書けないもので・・・。
とうとうこんなに空いてしまいました。
本日から気合を入れなおして書きます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
「わぁっ! き、切れた・・・。」
哲司はそれを手の感触と視覚の両方で確認する。
「なっ、簡単だろ?」
祖父がそう言ってくる。別に褒めたりはしない。
「で、次はだ・・・。」
祖父は、自分が切った短い方の竹を手にして言葉を続けてくる。
「ここの部分にナイフで切込みを入れるんだ。
これも、今から爺ちゃんがやって見せるから、よく見ておくんだぞ。」
「う、うん・・・。」
そうは答えたものの、哲司は再び緊張する。
ナイフを使うと言われたからだろう。
祖父は、短い竹を足元に立てるようにしてから、徐に切り出しナイフを手にする。
「う~んと・・・、これぐらいかな?」
祖父がそう言ったときには、既にナイフがその竹に突き刺さっていた。
そして、そのナイフを元へと戻してくる。
「う、うん・・・、これぐらいだ。」
祖父は、そう言って、自分が切り込みを入れた竹を哲司に手渡してくる。
「あああ・・・、こんなふうに?」
哲司もそれを見て言う。
切り込みは1センチぐらいだ。そんなに深くはない。
「ああ、哲司もやってみな。ただし、あんまり力を入れすぎるなよ。
よく切れるナイフだから、ちょっと押すだけでそれぐらいは入るだろう。」
「う、うん・・・。やってみる・・・。」
哲司は、そう言って唇を舐める。やはり緊張するのだ。
で、哲司も祖父がしたのと同じように、竹を目の前の囲炉裏端の木の上に立てる。
そして、「ふぅ~」と一呼吸してから、ゆっくりと切り出しナイフを手にする。
「良いか、力を入れすぎるなよ。下まで行ってしまうからな。」
「う、うん、分かった・・・。」
哲司は、祖父の方を見ないで答える。
それどころではないのだ。手のナイフに神経を集中させる。
で、ゆっくりとそのナイフに力を入れていく。
すると、それにあわせるかのように、切り出しナイフが竹の中に沈んでいく。
「も、もうその辺で良いだろう。」
祖父がそう声を掛けてくる。
「う・・・、うん・・・。」
哲司の肩から力がふう~っと抜ける。
「ゆっくりと引き戻すんだぞ。慌てないで・・・。」
「う、うん・・・。」
哲司がナイフを上へと引き戻す。
(つづく)