表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
714/958

第8章 命が宿るプレゼント(その53)

「哲司も手伝ってくれ。」

祖父はそう付け加えてくる。


「う、うん・・・。」

哲司は、そうは答えたものの、具体的なイメージは持っていなかった。

家では、そう言われたこともなかったし、もちろんしたこともなかった。

強いて言えば、自分が使った食器を流しまで運んだ程度だ。



「お~い・・・、哲司・・・。」

台所へと行った祖父が呼ぶ。

哲司が縁側から動かなかったからだ。


「は、は~い・・・。な~に?」

哲司は何とも心許ない返事をする。


「手伝ってくれるんだろ?」

「う、うん・・・。」

祖父が再確認をするように問い、哲司もこれまた同じようにして答える。


「だったら、こっちに来てくれ。」

「う、うん・・・。」

哲司が縁側から台所へと行く。



「その中に、米6合を入れてくれ。」

祖父が指差した先には、大きなお釜があった。


「えっ! こ、これで炊くの?」

哲司は驚いた。

ご飯は、電気炊飯器で炊くものだと思っていたからだ。

事実、昨日までは、母親達がそうしていた。


「ああ・・・、今日からはな・・・。」

祖父がニコニコしながら肯定してくる。


「ど、どうして? 炊飯器は使わないの?」

哲司としては当然な思いだ。


「哲司と爺ちゃんのふたり分だろ?」

「う、うん・・・。」

「それを、その都度電気炊飯器で炊いても旨くない。

だから、今晩から、明日の昼までの分を一気にこの釜で炊くんだ。

こいつで炊くと、一段と旨くなる。」

「ふ~ん・・・、そうなんだ・・・。」

哲司は、納得するようなしないような中途半端な気持でいる。


「で、6ゴウって?」

哲司は、米の計り方らしいとは思ったものの、その実態が分からない。


「そこの米櫃をあけてみな。そこに、升が入ってる。」

祖父が顎でそう言ってくる。


「こ、これ?」

哲司は米櫃だけは知っていた。




(つづく)





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ