表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
553/958

第7章 親と子のボーダーライン(その152)

「どうした? そんなところに突っ立って・・・。」

突然、背後から祖父の声がする。


「わおぅ! び、ビックリしたぁ・・・。」

「あははは・・・。」

「ど、どこにいたの?」

哲司は、祖父が家の何処かに隠れていたように感じたのだ。

どこからか帰ってきた気配もしなかった。


「哲司が寝てると思ってな・・・。そっと、裏から入ってきた。」

祖父はそう言ってにっこりと笑う。



「ああ・・・、そうだ。これ。」

哲司は、先ほどの郵便屋から預かった薄っぺらい紙を祖父に渡す。


「ん? ああ、松ちゃんが来たんだな?」

「まっちゃん?」

「ああ、郵便局員だったんだろ?」

「う、うん。」


「おう、書留か・・・。また来るんだろ。」

郵便屋が残して行ったのは、書留郵便を届けに来たが、不在だったのでというお知らせのようだった。



「それはそうと、これ。」

祖父は、手にしていた竹を哲司に渡してくれる。

結構長いものが4〜5本ある。


「ん? あ、ありがとう。でも・・・、これ、皆枯れているよ。」

「あははは・・・、枯れてるのが良いんだ。とりわけ、笛を作るにはな。

後でいいから、それ、枝を払って、井戸水で洗っておきな。」

「枝を払う?」

哲司は、その意味が分からない。


「そ、そうだな。それも後で教えてあげるから・・・。」

祖父は、通じない孫との会話が楽しいらしい。



「お爺ちゃん、どこに行ってたの?」

哲司は、祖父がこの竹を採りに行ってくれたのは分かったものの、一体どこに行ってたのかが分からない。

ほんのちょっぴりだが、淋しい思いをしたからこそ聞いておきたかった。


「裏山だ。歩いて30分ぐらいのところだ。でも、どうして?」

「ううん、別に・・・。」

「別に・・・か・・・。」

祖父は、哲司の顔を覗き込むようにして笑う。



(つづく)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ